シチリア・サマーのレビュー・感想・評価
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美しくも短く燃えて
ある実際に起きた事件を題材にした映画。
予備知識をまったく入れずにみました。
美しい少年2人が幸せそうに微笑んでいる。
たぶんボーイズラブ系?
シチリアと言えば、「ゴッドファーザー」の故郷。
マーロン・プランド演じるコルレオーネ・ファミリーの
生まれた土地。
マフィアは登場しませんが気性が荒いですね。
やはりマフィアの抗争に巻き込まれたのかな?
とか、あとは、
心中かな?
と色々想像を巡らせました。
1980年代初め、シチリア島の田舎町で、17歳のジャンニは
周囲の大人たちから、「ヘイ、ミス・イタリア!!」とか、
「ゲイ!!」とか言われて周囲から浮いた存在だった。
母親を経済的に援助するフランの工場で働くものの、
フランコは高圧的な上に、母親はブランコにとても気を遣っている。
バイクを届ける仕事を頼まれたジャンニは、バイクの衝突で
花火師を父に持つ17歳のニノと知り合う。
そして愛というより、「ただ一緒の時間を過ごしたい2人」
海で泳ぐシーンは3回くらいあって、水中撮影も美しい。
同性愛と言っても直接的愛の描写は殆どないので、
周りがそんなに騒ぐのが不思議な感じです。
でもジャンニとニーノはともかく会いたい、
一緒に時間を過ごしたい、
どれは強く伝わってきました。
若くて美しい2人の男の子ジャンニとニノに
不潔感は全く感じられません。
バイクが衝突した時に気絶したジャンニに、躊躇いもなく
口から人工呼吸を施すニノ。
(ここはちょっと大胆だと思ったけれど・・・)
俗に言う【世間の目】
ジャンニの母親、そしてニノの母親がジャンニをニノを見る
《険しい目付き》が
尋常でなかったです。
ジャンニが矯正施設にいた」のはどうして?
分からないことも多かった。
お母さんたちは、結末で起こる悲劇を半ば予期していたのでしょうね。
花火師のニノの父親の代わりに、お祭りの花火を上げる2人。
お祭りは素敵だったけれど、
花火は日本より美しくなかった。
それにしてもボーイズラブの男の子2人は、バイクの二人乗り、
これが定番中の定番。
キアヌ・リーブスとリヴァー・フェニックス・・・
「マイプライベート・アイダホ」
ティモシー・シャラメとアーミー・ハマー、
「君の名前で僕を呼んで」
荻原利久と八木勇征馬の、
「美しい彼」、
自転車の2人乗りももちろん入れて、
ラストのバッドエンドは私の予想を超えていました。
さすがにマフィアの産出国。
時代がLGBTQに不寛容だと言っても、殺すほどの悪いこと、
と言う認識はとても酷い。
時代のせいにして良いものか?
時代のせいにして良いものなのか、
しかしその時代のせいで潰された魂がこの世界には
どれほどあるのだろうか。
今観ると、主人公のどこにも居場所のない感じは
胸が詰まるし生きづらさを感じずにはいられないけど、
1980年と言う時代を考えると、
バカにする奴らはどの時代にもいるとして、
家族は誰も間違ってない気もする。
ジャンニの母親もニーノの家族もそれぞれが息子の
幸せを願った結果なのだと思う。
やっと出会えた2人。
幸せに向かって進んでいくはずだったのに…
ラストに響く突然の銃声が
取り返しのつかない時代と人間の過ちを物語っていて、とても辛かったし、
弟を含む登場人物誰もがあの銃弾を放った可能性がある
ことがさらに悲しみを倍増されます。
救いはW杯でのおじさんの言葉かな。
あの言葉があれば2人は永遠に幸せになれたのにな。
美しい2人
冒頭からかわいいウサギが仕留められるシーンで面食らいました。狩猟弾で始まり狩猟弾で終わる。1回目はニーノが仕留めた音、2回目はトトが仕留めた音。ある角度から見ると痛ましく、別の角度から見ると喜ばしい音。ラストシーンの3回目もきっと、2人の命が失われた痛ましさと、一緒に最期を迎えられ永遠となった美しさとが混在しているから、あの音で終わらせたのだと思いました。誰にも邪魔されない世界で、とは言わず、皆が生きているこの世で幸せになってほしかった。
ほんの四半世紀まえの話し…
前情報なしで鑑賞することを
おすすめします👍
いまどきのLGBTQに関する作品だと安易に考え
正直「長いなぁ😅」とか思いながら観ていたら
ラスト30秒、衝撃に襲われ無意識に声が出た😵💫
映像の美しさは少年たちのピュアな心
今まで普通に接して普通に食事して普通に会話していたのに
「男同士で・・・」のたった一人の告げ口で一変。
まさに犯罪者のように尋問叱責泣き叫ぶ。
イタリアと言えば「性」には寛容だとイメージがあるがほんの40年前は寛容には程遠く
異質なものを認めないどころか排除する、社会的に抹殺する。
少年たちはごく自然に惹かれあい自然に結びついていく。
男女であれば周りに祝福されるカップルのように。
彼らに何の落ち度があるのか、何の罪があるのか。
本来「愛」とは誰に強制されるものではない、付き合うのも別れるのも本人の心次第であるのに無理矢理大人たちに、社会に引き裂かれる。
しかし心は引き裂かれない…ハズであったが・・・
実話の結末であれば謎の多い事件であったがたった2人の少年がその死と引き換えに残したものはあまりにも大きく自分たちを排除・抹殺した社会への復讐、社会を大きく変革させたというものであったことは皮肉であろう。
少年たちのピュアな心を映し出したように映像は澄み渡り美しく
社会や大人たちの醜く黒さをよりあぶりだしているようであった。
改めて少年たちのご冥福を祈りたい。2人の永遠の愛のために。
素晴らしい良作に文句無し
シチリアサマーは1980年10月17日にシチリア東岸にあるジャッレという町で恋人同士だったジョルジョ(25歳)とトニー(15歳)が果樹園の樹の下で頭部を撃ち抜かれた状態で二人が手を取り合い、お互いに向かいあうように横たわった状態で発見された事件が題材となっている。犯人はトニーの13歳の甥が疑われ犯行を自供するも後に違うとわかり、未だなお犯人はわかっていない未解決事件である。
映画では同世代である、というように着色されているが、事実とは異なるので説明しておく。
わたしが映画を見て非常に心苦しいと思ったのがジャンニが母親にニーノとの関係を咎められたとき、母親が言い放ったセリフはどれだけ多くの若い子の人生を苦しませているんだというセリフが、同性愛なんてカトリック教徒の多い土地柄故に決して許される行為ではなく、それでもジャンニとニーノは先が見えなくとも二人で生きる決意をして駆け落ちしてしまう。
それが最終的に二人の人生の最期となるのだが若い命がこんな形で失われてはいけない。人を愛することはどんな形であれど自由であるべきだ。この作品は是非色々な方に見て頂きたい素晴らしい作品である。そして亡くなったジョルジョとトニーの御冥福を御祈りします。
内容にもう少し深みが欲しい
ニーノとジャンニの関係性があまりにもあっさり描かれ過ぎてるように思いました。ニーノがジャンニに興味を持っていく過程が薄い気がします。お互いのバイクがぶつかってしまうきっかけはいいのですがそれだけでそうなる?と思ってしまいます。
イメージですがイタリア南部の方が保守的で昔ながらの考えが多い気がします。故に同性愛に対して偏見が見られるのかと思いますしそこに家族愛が乗っかってくるとどうしても同性愛者には厳しく当たってしまうのでしょうか。それが度を越えると最悪死なせてしまうということもあるのかと。同性愛だと気づいた時の家族の反応が地獄の底まで突き落とされたかのように見えました。
全編にずっと家族愛というテーマがあったような気がします。ジャンニの母の恋人(継父?)がずっと同性愛者であるジャンニにきつく当たるのですが最後町の輩に痛めつけられている時に咄嗟に助けに入るあたりそこにはいかなる事情が絡もうともそれを超越した家族愛を感じます。逆にニーノに温かい愛情で接していた家族がジャンニに恋愛感情を抱いていることに気づくとそれまでの態度が嘘かのようにニーノに対して厳しくなってしまうことが善と悪の逆転現象にも見え根深い愛と憎悪が一瞬にして変わってしまうんだなと考えさせられました。
結局のところ二人はまた愛し合うことになるのですが物事の成り行きに深みがあればもっと良かったのにと思ってしまいます。
友情のような愛情
実話だったんですね。2人は友情から発展したのか、元々がそうだったのか、そこが知りたい。
少なからずニノは元はノーマルだったのでは?
昔だからLGBTQには勿論理解がない時代。こんなにも差別を受けるとは、、、
分かるような、悲しいような、複雑な気持ちになる。
もう少し純愛ラブストーリーかと思ったが、割とシリアスな内容だった。
面白かったような、そうじゃなかっような、、、
ラストはちょっと衝撃
誰が、、、
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