87分の1の人生のレビュー・感想・評価
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欺瞞を克服
アリソン(ピュー)は運転中スマホを見たことで同乗者二人を死なせてしまう。
良心の呵責にさいなまれ、婚約も破棄して引きこもり、鎮痛剤の麻痺作用に依存するようになる。
が、贖罪の態度をとりつつも、相手側の過失による事故であり、あくまでじぶんは悪くなかったという立場をとる。
よそ見によって事故をおこしてしまったことには目をつぶり、秘匿して、核心に触れぬまま自己欺瞞を生きる。
現実社会では“本当のこと”に触れられることが少ない。
たとえばひき逃げ犯は「人だとは思わなかった」という常套句を使う。その陳述を正すことなく裁判を経て10年以下の懲役または100万円以下の罰金を勘定して、やがて社会へ復帰する。
人をひいた自覚があっても真実は追求されないし、罰金や刑期を精算すれば“本当のこと”は永遠に葬られてしまうだろう。
毎日ニュースで聞く犯罪者たちの供述がある。
やってない。おぼえてない。つもりはなかった。しらなかった。おもわなかった。きづかなかった。・・・。
欺瞞を押し通し“本当のこと”は墓場まで隠し持っていく。
子供のころは嘘をつくと親や大人にしかられた。
大人になると嘘をついてもしかられない。
ずっと嘘をついたまま生きられる。
もちろんアリソンは犯罪者ではないが、相手側の過失によって同乗者が亡くなった──のと、みずからの過失運転によって同乗者を死なせた──のは、ちがうことだ。
したがってアリソンの呵責は二重構造をしている。
本当の呵責は、みずからの過失によって婚約者の姉夫婦を死なせてしまったことであり、一方でその真実を隠していることへの呵責がある。
ふたつの呵責が相乗しながら彼女の心を引き裂いている。とうていオピオイドを飲まずにはやっていられない。
アリソンが抱えている呵責の二重構造を見抜いたのは婚約者の父ダニエル(フリーマン)である。
彼はかつてアル中で暴力的な父親だったが、改心しA Good Personであろうと努力している。
ふたりは依存症克服のためのミーティングで出会って以来歩み寄るようになった。
ダニエルは事故調書をつぶさに精読しており、事故が相手側の過失ではなく、アリソンのよそ見が原因だという確信をもっている。
だから今更責めるつもりはないにしても“本当のこと”を言わない彼女に苛立ちを覚えている。
しかしふたりには欺瞞を克服してどうにかA Good Personになろうとしている者どうしという共通点がある。
アリソンがみずからの罪をみとめることで、はじめて恢復・再生するまでの苦しい行程が描かれている。
ピューがじょうずで、込み入った自己欺瞞が浮き彫りにされる、みごとな脚本であり映画だった。感動した。
imdb7.1、RottenTomatoes58%と96%。
トマトメーターのconsはメロドラマというのが中心になっていて、酷評もけっこうあった。あちらと日本ではメロドラマの解釈が違う。
じぶんは批評家評と乖離しない、わりと素直な鑑賞眼だと思うが、こうなったときはじぶんにはよかった──としか解らない。
始まりと終わりにフリーマンの名調子が挿入される。
ダニエルはミニチュア模型が趣味だ。地階にホームタウンがまるごと87分の1サイズでつくってある。
『87分の1の鉄道模型の世界では恋人たちはキスをして隣人たちは親切だ。列車は行きたいと思った場所へ連れて行ってくれる。だが人生はそんなにうまくはいかない。・・・』
悲しみを乗り越えて
フローレンス・ピューとモーガン・フリーマンの共演。
そりゃもう演技力に長けている二人なので
落ち着いて観られます。
交通事故による死亡で人生を一変させた人たちの苦悩。
悲しみを乗り越えるのは容易じゃない。
それぞれが受け止める悲しみも様々。
人生の再出発までいろんな障害をくぐり抜けていく。
よくあるパターンなので先を読めるところも多々あり。
なんか気持ちがスッキリしなかったの正直なところ。
フローレンス・ピューとモーガン・フリーマンに惹かれて鑑賞。 原題は...
フローレンス・ピューとモーガン・フリーマンに惹かれて鑑賞。
原題は「A GOOD PERSON」いい人。「87分の1の人生」は モーガン・フリーマンの趣味の縮尺1/87のミニチュアモデルの事で、ちょっと飛躍しすぎのような・・?
映画は、自ら運転する車の事故で命を奪ってしまった人間の苦悩と再生の物語。こうまで苦しむ人がいる一方、現実社会では、逃亡したり、車のせいにしてのうのうと生きている輩もいたりして・・人類には二つの種があるのかと思ったりもする・・・。
A Good Person いい人であれば、あるほど苦悩がするって事かなぁ・・。そういう点では、ライアンちゃん、A Bad Person じゃない? ないでしょ?それ?😅
名優、モーガン・フリーマン・・「ショーシャンク」の頃からずっと年齢不詳・・何十年も同じ年齢、シニアに見えていたが・・さすがに・老けたなぁ・と。
フローレンス・ピューは、ティファニーのキャラクターに抜擢されたりと、注目の女優なんでしょうね♪
ミスリード
老人と少女、あるいは加害者と被害者、
壁を超越した2人の心のふれあいを描いた心揺さぶられる話かと思ったが、
ピクリともしなかった。
結構寝たzzz
アル中とヤク中のゴタゴタに辟易した。
某VODの謳い文句にうまく乗せられた。
感想
罪悪感に苦しむアリソン。
言葉にしたら潰れてしまうからできない。
わかってるからこそ認められない。
ダニエルはアリソンを責めない。
近くにいるのつらいだろうと思った。
アリソンが他人でどういう人か知らなかったら、思いっきり責められたのに
彼女が言われても倒れないなら、いくらでも言えたのにと思った。
憎しみや罪に耐えられそうにないから彼女を支えることになる。どちらもつらい。
真っ向から向き合いすぎる。
でもいい交流。
アリソンが母親と話してるときの
昔の自分とは違うって話、わかる。
立ち直るのに重要なのは年数じゃないし、精神的な波もあって苦労してたけど、思ったより短い期間だと思った。批判ではなく感想。
歌が出てくるけど、英語で全然わからない。
少しわかりたいので検索してみる。
最後のとこ
自転車に乗ったアリソンのフィギュア。
87分の1の世界は親切な隣人がいて幸せで、模型を作ってる人が神で好きなようにできるって、そこに彼女を入れてくれた。
英語のタイトルは A Good Person だった。
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