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寅さんシリーズ40周年。山田洋次監督「今の日本は幸せか?」

 
寅さんは昭和の世相を映す鏡

[映画.com ニュース] 今なお愛され続ける国民的映画「男はつらいよ」の40周年を記念して、10月25日、第21回東京国際映画祭でシリーズ第32作「男はつらいよ/口笛を吹く寅次郎」が上映され、山田洋次監督とマドンナ役の竹下景子が会場の東京・渋谷Bunkamuraオーチャードホールにて舞台挨拶を行った。

「口笛を吹く寅次郎」はちょうど25年前の83年に公開された作品で、竹下は「山田組は一つの大きな家族のようで、和気あいあいと撮影にいそしみ、毎日が幸せでした。渥美さんは楽しくておかしくて、監督も笑ってしまうほどの楽しい瞬間がいくつもありました」と感慨深く当時を振り返った。

また、山田監督も同作については「最も現場が楽しかった頃。渥美さんも元気で、その空気がフィルムに焼きついている」と故人を懐かしそうに偲びながら話し、シリーズ1作目が公開された40年前に話がさかのぼると、「当時は高度経済成長期だったが、そうした進歩や繁栄とは無縁の寅さんという男が人気を呼んだ。寅さんを見てホッとするのは、どこかで『この国がこんな風に突き進んでいってよいのだろうか?』という不安がすでにあったのではないか。そして40年たった今、その不安が的中してしまっているのではないかと思っている」と話し、観客に向けて「今の日本は大きく変わったが、それによって僕たちは幸せになっているのだろうかということを考えてもらえれば」と語りかけた。