野村喜和夫 : ウィキペディア(Wikipedia)

野村 喜和夫(のむら きわお、1951年10月20日 - )は、日本の詩人、文芸批評家、俳優。「歴程」同人。日本ペンクラブ会員。

人物

埼玉県入間市に生まれる。埼玉県立川越高等学校、早稲田大学第一文学部日本文学科卒業。明治大学大学院仏文学専攻博士課程中退。明治大学非常勤講師など、50歳までフランス語教師を務めた。

1993年詩集『特性のない陽のもとに』で歴程新鋭賞受賞。2000年『風の配分』で高見順賞受賞。2003年『ニューインスピレーション』で現代詩花椿賞受賞。2012年『萩原朔太郎』『移動と律動と眩暈と』で鮎川信夫賞受賞。同年『ヌードな日』、『難解な自転車』、英訳詩集『スペクタクルそして豚小屋』で、第50回藤村記念歴程賞を受賞。英訳詩集 Spectacle & Pigsty で 2012 Best Translated Book Award in Poetry (USA) を受賞。2020年『薄明のサウダージ』で第38回現代詩人賞を受賞。

フランス現代思想、とりわけドゥルーズ=ガタリの文学理論を日本の現代詩批評に援用し、精緻な文学批評を行うなど、文芸批評家でもある他に、俳優として映画にも出演している。

妻はフラメンコ・ダンサーの野村眞里子。 2011年に現代詩とダンスの振興発展を目指す一般財団法人エルスールを設立し、妻とともに「エルスール財団新人賞」を運営している【詩とダンスのための新人賞】エルスール財団賞制定。第一回受賞者は川村美紀子(コンテンポラリーダンス)、太田マキ(フラメンコ)ら

詩集

  • 『川萎え』(一風堂) 1987
  • 『わがリゾート』(書肆山田) 1989
  • 『反復彷徨』(思潮社) 1992
  • 『特性のない陽のもとに』(思潮社) 1993
  • 『長篇詩 平安ステークス』(矢立出版) 1995
  • 『現代詩文庫 野村喜和夫詩集』(思潮社) 1996
  • 『草すなわちポエジー』(書肆山田) 1996
  • 『アダージェット、暗澹と』(思潮社) 1996
  • 『風の配分』(水声社) 1999
  • 『狂気の涼しい種子』(思潮社) 1999
  • 『幸福な物質』(思潮社) 2002
  • 『ニューインスピレーション』(書肆山田) 2003
  • 『街の衣のいちまい下の虹は蛇だ』(河出書房新社) 2005
  • 『スペクタクル』(思潮社) 2006
  • 『稲妻狩』(思潮社) 2007
  • 『plan14』(本阿弥書店) 2007
  • 『言葉たちは芝居をつづけよ、つまり移動を、移動を』(書肆山田) 2008
  • 『ZOLO』(思潮社) 2009
  • 『ヌードな日』(思潮社) 2011
  • 『難解な自転車』(思潮社) 2012
  • 『芭(塔(把(波』(左右社) 2013
  • 『久美泥日誌』(書肆山田) 2015
  • 『よろこべ午後も脳だ』(水声社) 2016
  • 『デジャヴュ街道』(思潮社) 2017
  • 『骨なしオデュッセイア』(幻戯書房) 2018
  • 『薄明のサウダージ』(書肆山田) 2019
  • 『花冠日乗』(白水社) 2020
  • 『妖精DIZZY』(思潮社) 2021
  • 『パッサル、パッサル』(思潮社) 2024

選詩集

  • 『閏秒のなかで、ふたりで』(ふらんす堂) 2016

電子詩集

  • 『なまこサバイバル』(マイナビ) 2014

訳詩集

  • 『Spectacle & Pigsty: Selected Poems of Kiwao Nomura 』(Omnidawn Pub) 2011
  • 『THE DAY LAID BARE 』(ISOBAR PRESS) 2020

小説

  • 『まぜまぜ 』(河出書房新社) 2018
  • 『観音移動 』(水声社) 2024

評論・エッセイ

  • 『ランボー・横断する詩学』(未來社) 1993
  • 『散文センター』(思潮社) 1996
  • 『21世紀ポエジー計画』(思潮社) 2001
  • 『金子光晴を読もう』(未來社) 2004
  • 『現代詩作マニュアル 詩の森に踏み込むために』(思潮社、詩の森文庫) 2005
  • 『ランボー『地獄の季節』 詩人になりたいあなたへ』(みすず書房) 2007
  • 『オルフェウス的主題』(水声社) 2008
  • 『詩のガイアをもとめて』(思潮社) 2009
  • 『移動と律動と眩暈と』(書肆山田) 2011
  • 『野村喜和夫のポエジー夜話』2008
2008年より Web 上で継続的に掲載(1ヶ月に2回程度更新)http://d.hatena.ne.jp/kiwaowao/
  • 『萩原朔太郎』(中央公論新社、中公選書) 2011
  • 『証言と抒情 詩人石原吉郎と私たち』(白水社) 2015
  • 『哲学の骨、詩の肉』(思潮社) 2017
  • 『危機を生きる言葉 2010年代現代詩クロニクル』(思潮社) 2019
  • 『シュルレアリスムへの旅』(水声社) 2022

共編著

  • 『討議戦後詩 詩のルネッサンスへ』(城戸朱理共著、思潮社) 1997
  • 入沢康夫の詩の世界』(城戸朱理共編、邑書林) 1998.4
  • 『討議・詩の現在』(城戸朱理共著、思潮社) 2005
  • 『渦巻カフェあるいは地獄の一時間』(北川健次共著、思潮社) 2013
  • 『金子光晴 デュオの旅』(鈴村和成共著、未来社) 2013
  • 『ゆるゆる人生のみつけかた』(鈴村和成共著、言視舎) 2014
  • 『パラタクシス詩学』(杉中昌樹往復書簡、水声社) 2021

翻訳

  • 『ポール・ヴェルレーヌ』(ピエール・プチフィス、平井啓之共訳、筑摩書房) 1988
  • 『ヴェルレーヌ詩集』(編訳、思潮社、海外詩文庫) 1995
  • 『フランス現代詩アンソロジー』(ドゥーボ編、共訳、思潮社) 2001
  • 『神の植物・神の動物 J.K.ユイスマンス『大伽藍』より』(ユイスマンス、八坂書房) 2003
  • 『ルネ・シャール詩集 評伝を添えて』(河出書房新社) 2019)

出演

映画

  • 浮雲 (2008年)
  • 絵のない夢 (2011年)

参照文献

  • 『水声通信 No.5 2006年3月号 [特集]野村喜和夫 詩の未来に賭ける』(水声社) 2006 ISBN 9784891765828

関連項目

  • 松山宣言
  • 正岡子規国際俳句賞

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/06/13 23:29 UTC (変更履歴
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