ワタナベシンイチ : ウィキペディア(Wikipedia)
ワタナベ シンイチ(1964年9月6日 - )は、日本のアニメ監督・演出家。本名は渡邊 慎一(わたなべ しんいち)。通称はナベシン。
経歴
神奈川県横浜市出身。
1年間浪人を経て大学受験に失敗するも、絵を描くことが好きであったことから東京デザイナー学院(現東京ネットウエイブ)に入学。同校卒業後、タイガープロダクションに入社。『ゲゲゲの鬼太郎』(第3シリーズ)に制作進行として参加し、テレビアニメ『ミスター味っ子』で演出家デビュー。その後はイージー・フィルムに拠点を移し、多数のアニメ作品で演出を務める。フリーとなった後、『はれときどきぶた』で監督デビュー。以後は監督・演出作品において、実写やミュージカルを取り入れたり、独自の世界観(俗に「ナベシンワールド」と呼ばれる)の漂う作風を発揮するようになる。
現在、深夜アニメでは主にSILVER LINK.作品の、全日帯系では主に女児向けアニメ(『プリティーリズム』シリーズや『リルリルフェアリル〜妖精のドア〜』など)の絵コンテ制作を中心に活動している。
人物
幼少時代は自作の漫画で人を笑わせることが好きであり、将来の夢は漫画家であったが、高校時代は一般的な社会人になるつもりでいた(前述の理由で断念している)。
アフロヘアと、ルパン三世を意識した原色系のジャケット・ネクタイ元々は松田優作を意識したものであったが、松田優作はルパン三世を意識していたということを知り、現在のルパン三世のようなスタイルとなった。がシンボルになっており、このスタイルを数十年貫いている。
原作を前述の「ナベシンワールド」と呼ばれるような独特の雰囲気に塗り替えて、全く別の作品のような独自の世界観にするのが特徴。
特に、自分の監督した作品に自分自身のキャラクターを登場させることが多い。デビュー作『はれときどきぶた』ではアニメオリジナルのレギュラーとしてナベシンを登場させたり、『エクセル♥サーガ』以降は自ら声優も務めてカメオ出演することが多い。時には監督ですらないただの各話演出の立場で出演することがあり、『こどものおもちゃ』ではこの立場で声優デビューしており、『ハヤテのごとく!(第1期)』では監督の川口敬一郎に演出・絵コンテに加え出演と言う形でオファーされている。その後、川口が監督した『SKET DANCE』にもやはり出演している。
『ヤマトナデシコ七変化♥』にて初めて「ナベシン(自分自身)」以外のキャラクター(作品中に登場する人物)に声をあて声優デビュー作となった。
主な作品
監督
絵コンテ・演出
声優
- こどものおもちゃ(1996年、ワタナベ) - 自らが演出を担当した第27話「同情もしてカネかして」の殺し屋シンイチ役で、声優として初出演。
- へっぽこ実験アニメーション エクセル♥サーガ(1999年、ナベシン)
- ドッとKONIちゃん(2000年、犬アフロ)
- ぷにぷに☆ぽえみぃ(2001年、ナベシン)
- 天地無用! GXP(2002年、NB)
- まほろまてぃっく〜もっと美しいもの〜(2002年、自転車少年)
- おろしたてミュージカル 練馬大根ブラザーズ(2006年、レンタル屋)
- ヤマトナデシコ七変化♥(2006年、謎の声)
- ハヤテのごとく!(2007年、ナベシン執事)
- タユタマ -Kiss on my Deity-(2009年、セールスマン)
- ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて(2002年、ナベシン) - 「ナベシンっぽい人(本人希望)」名義。
- SKET DANCE(2011年、監督、ワタナベ監督、アベック男性)
その他
- 新婚さんいらっしゃい!(2003年、出演)
- TO BE HERO(2016年、ハイパーアフロクリエイター・日本語版監修)
受賞歴
- 第3回アニメーション神戸・個人賞
参考文献
- 大地丙太郎著「これが「演出」なのだっ 天才アニメ監督のノウハウ」(講談社アフタヌーン新書)
- 講談社編「アニメ最前線の声 メカビクリエイターズインタビュー」(講談社アフタヌーン新書)
- (初出:「アニメージュ1998年12月号」徳間書店)
関連項目
- アニメ関係者一覧
- はるか - 「ヤマトナデシコ七変化♥」でシリーズ構成・脚本を担当した脚本家。
- 川口敬一郎 - 「ハヤテのごとく!」「絶対可憐チルドレン」「SKET DANCE」などワタナベを演出家としてよく起用する監督。
外部リンク
- - 公式ホームページ
- アニメーション神戸個人賞 ワタナベシンイチ - 第3回アニメーション神戸個人賞受賞時のインタビュー
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/10/21 13:47 UTC (変更履歴)
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