ライオネル・リッチー : ウィキペディア(Wikipedia)

ライオネル・リッチー(1949年6月20日 - )は、アメリカ合衆国のシンガーソングライター、作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサーである。本名はライオネル・ブロックマン・リッチー・ジュニア()。

ポップスを歌うアフリカ系アメリカ人歌手である。全世界アルバムトータルセールスは1億枚以上を誇る。

人物

1949年、アラバマ(アラバマ州タスキーギ)で生まれた。1974年に、コモドアーズのメンバーとしてデビュー。1982年からはソロ活動を行うようになり、1983年にリリースされたアルバム『オール・ナイト・ロング(Can't Slow Down)』は、全世界でトータルセールス2000万枚を超えた。ダイアナ・ロスとの代表的デュエット曲「エンドレス・ラブ」は、日本では21世紀に入ってからもラジオでオンエアされた。

プライベートでは、1975年に大学で知り合ったブレンダ(Brenda Harvey)と結婚しており、彼女と共に、1983年にニコール・リッチーを養子に迎え入れている。しかし1993年に離婚し、25億円の慰謝料を支払ったと言われているhttps://www.tv-asahi.co.jp/ss/252/special/top.html。

来歴

コモドアーズ時代

1967年、在学中にコモドアーズを結成。ライオネルはサックスを担当していた。同大学卒業後、オーバーン大学の大学院に進んだ。1971年7月よりジャクソン5のオープニングアクトを務めた、1972年、モータウンと契約。

コモドアーズは、1974年にアルバム『マシン・ガン』でデビューする。ファーストは全曲ダンス・ナンバーという魅力的なファンク・バンドだった。日本の音楽祭のため来日したこともある。しかしセカンド以降ファンク曲は極端に減ってしまい、「ブリックハウス」などわずかな曲数になった。バンドはライオネルのヴォーカルを強調したバラード曲「イージー」などのヒットを出し、AOR路線を押し進めるようになった。

ライオネルは、作曲家として他のアーティストに曲を提供した。ケニー・ロジャースの「レイディ」は、1980年に全米1位の大ヒットとなる。翌1981年には、ダイアナ・ロスとのデュエット曲「エンドレス・ラブ」も、全米1位の大ヒットを記録した。

ソロ活動

1982年、ライオネルはコモドアーズを脱退し、初のソロ・アルバム『ライオネル・リッチー』を発表した。同年に「トゥルーリー」が全米1位の大ヒットとなり、この曲でグラミー賞最優秀男性ポップ・ボーカル・パフォーマンス賞を受賞したhttps://www.allmusic.com/artist/lionel-richie。翌1983年に発表したアルバム『オール・ナイト・ロング(Can't Slow Down)』はグラミー賞最優秀アルバム賞と最優秀プロデューサー賞を獲得し、同アルバムからのシングルのうち「オール・ナイト・ロング」と「ハロー (心の扉)」は全米ナンバーワン・ヒットとなった。

1985年にはマイケル・ジャクソンとの共作で、USAフォー・アフリカのチャリティー曲「ウィ・アー・ザ・ワールド」を作曲し、2000万枚を売り上げたhttps://edition.cnn.com/2015/01/28/entertainment/feat-we-are-the-world-30-years-where-are-they-now/ 'We Are the World' at 30: Where are they now? 。同年には映画『ホワイトナイツ/白夜』の主題歌「セイ・ユー、セイ・ミー」で自身5曲目の全米1位を獲得し、この曲はアカデミー歌曲賞とゴールデングローブ賞 主題歌賞を受賞した。1986年発表のアルバム『セイ・ユー、セイ・ミー(Dancing on the Ceiling)』を最後に、ライオネルはしばらく表舞台から退いた。

1992年、アルバム『バック・トゥ・フロント』を発表し、約5年ぶりに活動を再開した。新曲「」がR&Bチャートで1位となった。

1996年、『』を発表、ジャム&ルイスプロデュースによる「ドント・ウォナ・ルーズ・ユー」がヒットした。

その後もアルバムを発表しているが、再びシングル・ヒットを出すことはできなかった。養子の娘ニコール・リッチーは、テレビパーソナリティとして”セレブ”となっている。また、離婚した元妻から請求された莫大な慰謝料や、リッチーの豪勢な生活ぶりが報じられるなど音楽以外で話題になった。

2006年、2年ぶりのアルバム『カミング・ホーム』がBillboard 200で初登場6位にランクインし、彼にとって初めてとなるBillboardチャート初登場TOP10入りを果たした。結果的に50万枚以上を売り上げ、全米でゴールド・ディスクを獲得した。

2009年、3年ぶりとなるニュー・アルバム『ジャスト・ゴー』をリリースし、Billboard 200で初登場24位にランクインした。このアルバムでは、エイコン等の新鋭アーティストとも共演を果たしており、過去と同様ポップな作品となっていた。また、マイケル・ジャクソンの追悼会にて「"Jesus is Love"」を披露した。

2012年3月(日本盤は11月)、ケニー・ロジャースら多くの有名カントリー歌手とデュエットを行ったコラボレーションアルバム『ベスト・デュエット〜タスキーギ』がリリースされた。カナダ、ドイツ、イギリスを初めとする数多くのナショナルアルバムチャートにて上位を獲得。既にデンマークでは、ゴールドディスクを獲得している。また、全米アルバムチャートにおいても、約19万9千枚を売り上げ、初登場2位を記録した(最高位は1位)。これは、サウンドスキャンが1991年にアルバムの販売枚数を調査し始めて以来、彼にとっては、自身最高の初週売り上げ枚数である。

21世紀にはモロッコやアラブ首長国連邦、イラク、エジプト、リビアなどのアラブ諸国で人気が出て、モロッコ・フェスティバル出演など、アラブ世界でのライヴ活動も増えたBaghdad's Lionel Richie Obsession ABC News2020年1月7日閲覧。

2022年5月4日、米Rock & Roll Hall of Fame Foundationのロックの殿堂にて、パフォーマンス賞を受賞。

ディスコグラフィ

アルバム

  • 1982年 ライオネル・リッチー - Lionel Richie (US POP #3/R&B #1)
  • 1983年 オール・ナイト・ロング - Can't Slow Down (US POP #1/R&B #1)
  • 1986年 セイ・ユー、セイ・ミー - Dancing on the Ceiling (US POP #1/R&B #4)
  • 1992年 バック・トゥ・フロント/ライオネル・リッチー・グレイテスト・ヒッツ - Back To Front(ベスト盤) (US POP #19/R&B #7)
  • 1996年 ラウダー・ザン・ワーズ - Louder Than Words (US POP #28/R&B #15)
  • 1997年 トゥルーリー〜ベスト・オブ・ラヴ・ソングス - Truly: The Love Songs(ベスト盤)
  • 1998年 タイム - Time (US POP #152/R&B #77)
  • 2000年 ルネッサンス - Renaissance (US POP #62/R&B #54)
  • 2002年 アンコール:ベスト・ライヴ - Encore: Live At Wembley Arena
  • 2003年 ザ・デフィニティヴ・コレクション - The Definitive Collection(ベスト盤) (US POP #19/R&B #31)
  • 2004年 ジャスト・フォー・ユー - Just for You (US POP #47/R&B #22)
  • 2006年 カミング・ホーム - Coming Home(初登場TOP10入り初の作品) (US POP #6/R&B #3)
  • 2007年 Live In Paris (US POP #--/R&B #54)
  • 2009年 ジャスト・ゴー - Just Go (US POP #24/R&B #9)
  • 2012年 ベスト・デュエット〜タスキーギ - Tuskegee (US 200 #1)

シングル

発売日レーベル規格規格品番タイトル備考
1981年MOTOWNEPVIPX-1591Aエンドレス・ラブ/Endless Lovewith Diana Ross
Bエンドレス・ラブ/Endless Love (Inst.)
1982年EPVIPX-1679Aトゥルーリー/Truly
B愛を棄てられたら/Just Put Some Love In Your Heart
1983年EPVIPX-1692Aユー・アー/You Are
BYou Mean More To Me
1983年EPVIPX-1709Aマイ・ラヴ/My Love
Bラウンド・アンド・ラウンド/Round And Round
1983年EPVIPX-1723Aオール・ナイト・ロング/All Night Long (All Night)
B彷徨(さすらい)のストレンジャー/Wandering Stranger
1983年EPVIPX-1740Aランニング・ウィズ・ザ・ナイト/Running With The Night
B無言歌/You Mean More To Me
1984年2月13日EPVIPX-1754Aハロー(出逢いの扉)/Hello
Bオール・ナイト・ロング/All Night Long (Inst.)
1984年EPVIPX-1771Aスタック・オン・ユー/Stuck On You
Bランニング・ウィズ・ザ・ナイト/Running With The Night (Inst.)
1984年EPVIPX-1Aペニー・ラバー/Penny Lover
B装われた悲しみ/Tell Me
1984年11月EPVIPX-1824Aセイ・ユー・セイ・ミー/Say You, Say Me
Bキャント・スロウ・ダウン/Can't Slow Down
1986年EPRMTS-6Aダンシング・オン・ザ・セイリング/Dancing On The Ceiling
Bラヴ・ウィル・ファインド・ア・デイ/Love Will Find A Day
1986年EPRMTS-15A愛に抱かれて/Love Will Conquer All
Bオンリー・ワン/The Only One
1986年EPRMTS-17Aバレリーナ・ガール/Ballerina Girl
Bディープ・リバー・ウーマン/Deep River Womanwith Alabama
1987年12"RMTS-1003A1愛に抱かれて/Love Will Conquer All (12'' vocal ver.)
A2愛に抱かれて/Love Will Conquer All (Inst.)
B1愛に抱かれて/Love Will Conquer All (Radio Edit)
B2オンリー・ワン/The Only One
1992年1Do It To Me
1992年1My Destiny
1992年1Love, Oh Love
1996年1Don't Wanna Lose You
1996年1Ordinary Girl
1996年1Still In Love
1998年1Time
1998年1I Hear You Voice
2000年1Angel
2000年1Don't Stop The Music
2001年1Tender Heart
2001年1The One with Juliette
2003年1To Love A Womanwith Enrique Iglesias
2004年1Just For You
2004年1Long Long Way To Go
2006年1I Call It Love
2006年1What You Are
2006年1Why
2008年1Face In The Crowdwith Trijntje Oosterhuis
2008年1Good Morning
2009年1Just Go

映像作品

  • 2003年 Collection

受賞歴

  • グラミー賞
    • 1983年 Best Male Pop Vocal Performance "Truly"
    • 1985年 Album of the Year "Can't Slow Down"
    • 1986年
      • Song of the Year "We Are the World" performed by USA for Africa
      • Record of the Year "We Are the World" performed by USA for Africa
  • アメリカン・ミュージック・アワード
    • 1983年 Favorite Pop/Rock Single "Truly"
    • 1984年 Favorite Soul/R&B Single "All Night Long(All Night)"
    • 1985年
      • Favorite Pop/Rock Male Artist
      • Favorite Pop/Rock Video "Hello"
      • Favorite Pop/Rock Male Video Artist
      • Favorite Soul/R&B Male Artist
      • Favorite Soul/R&B Video "Hello"
      • Favorite Soul/R&B Male Video Artist
    • 1987年
      • Favorite Pop/Rock Male Artist
      • Favorite Pop/Rock Video "Dancing on the Ceiling"
      • Favorite Soul/R&B Male Artist
      • Favorite Soul/R&B Male Video Artist

日本公演

  • 1983年
    • 12月9日 名古屋市民会館
    • 12月11日 福岡サンパレス
    • 12月13日 大阪フェスティバルホール
    • 12月14日 神奈川県民ホール
    • 12月16日 日本武道館
    • 12月17日 中野サンプラザ(昼夜2公演)
  • 1987年
    • 5月14、15日 大阪城ホール
    • 5月17日 名古屋市国際展示場
    • 5月18日 広島サンプラザ
    • 5月20日 静岡県草薙体育館
    • 5月22、23日 後楽園球場
  • 2014年
    • 3月27日 パシフィコ横浜国立大ホール
    • 3月29日 神戸ワールド記念ホール
    • 3月31日 日本武道館
  • 1987年5月に行われた東京・後楽園球場でのコンサートは日本テレビで録画放映された。

出典

関連項目

  • 商業主義

外部リンク

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