ムンシー・プレームチャンド : ウィキペディア(Wikipedia)
ムンシー・プレームチャンド(Munshi Premchand、1880年7月31日 - 1936年10月8日)は近代ヒンディー語・ウルドゥー語のインド文学を代表する小説家・脚本家。
経歴
筆名プレームチャンド(、、)こと本名ダンパト・ラーイ・シュリーヴァースタヴ(Dhanpat Rai Srivastava, धनपत राय श्रीवास्तव)は、英領インドのワーラーナシーに近いラムヒー(लमही)村で郵便局員の息子として生まれた。7歳の時に母が、続いて14歳の時に父が死去、継母と継兄弟たちの元に身を寄せた。1895年、15歳の時に最初の結婚をしたが、まもなく破綻した。
若い頃は大変貧乏であった。弁護士の子弟に勉強を教えることで月5ルピーの収入を得ていた。大変な苦労をして入学試験に受かり、教職に就く事で月給18ルピーとなった。後に彼はUnited Provinces of Agra and Oudhの学校の副調査官代理に就いた。
最初プレームチャンドはウルドゥー語にて「ナワーブラーイ」Nawabraiの筆名で執筆していた。 1909年、イギリス領インド帝国政府は彼の短編集Soz-e-Watan (Dirge of the Nation)を扇動的とみなし、発禁処分としてその写しを燃やした。選集の最初の話Duniya ka Sabse Anmol Ratan (The Most Precious Jewel in the World)は彼曰く「国の自由の元へと落ちた最後の血の雫」であった。以後、彼はPremchandという筆名で執筆するようになった。
プレームチャンドは、ファンタジーや宗教作品が主であったヒンディー文学にリアリズムを持ち込んだ。彼は300を越える物語、12の小説と2つの戯曲を書いた。編集された物語は『マーンサローヴァル』Maansarovarとして出版された。
1921年、彼はマハトマ・ガンディーの招待を受けて公務員を辞め、文芸雑誌『ハンス』(Hans:「白鳥」)を立ち上げ、続いて政治ジャーナル『ジャーガラン』(Jagaran:「覚醒」)の編集者となった。また、一時期ボンベイ映画界のスクリプトライターをしていた。
プレームチャンドの最初の結婚は完全に失敗に終った、二度目には当時インドでタブーとされていた子連れの未亡人シヴラーニー・デーヴィーと結婚した。3人の子供(シュリーパト・ラーイ、アムリト・ラーイ、カムラー・デーヴィー・シュリーヴァースタヴ)を設けた。
功績
1980年7月31日、インド郵政はプレームチャンドの生誕100周年を記念して30パイサの記念切手を発行した。また、2016年7月31日には、Googleが彼の136回目の誕生日を記念してGoogle Doodleを公開した。
プレームチャンドの生家は修復され、ウッタル・プラデーシュ州文化局の後援のもと、ラムヒ村にプレームチャンド記念学習・創作センター(Munshi Prem Chandra Memorial Research Institute and Study Centre)が設立されている。さらに、西ベンガル州シリグリには、2008年にムンシー・プレームチャンド記念大学(Munshi Premchand Mahavidyalaya)が設立された。
作品
主な物語
- Panch Parameshvar (पंच परमेश्वर )
- Idgah (ईदगाह )
- Nashaa (नशा )
- Shatranj ke khiladi (शतरंज के खिलाड़ी ) チェスをする人(The chess players)
- Poos ki raat (पूस की रात )
- Atmaram (आत्माराम )
- Boodhi Kaki (बूढ़ी काकी ) (The Old Aunt)
- Bade Bhaisahab (बड़े भाईसाब ) (The big brother)
- Bade ghar ki beti (बड़े घर की बेटी ) (The girl of an affluent family)
- Kafan (कफ़न ) (Shroud)
- Dikri Ke Rupai (दिक्रि के रुपये )
- Udhar Ki Ghadi (उधार की घड़ी )
- Namak Ka Daroga (नमक का दरोगा )
小説
- Gaban (गबन)
- Sevasadan (सेवासदन) / Bazar-e Husn ()
- Godaan (गोदान) ゴーダーン
- Karmabhoomi (कर्मभूमी)
- Kaayakalp (कायाकल्प)
- Manorma (मनोरमा)
- Mangalsootra (मंगलसूत्र), incomplete
- Nirmala (निर्मला)
- Pratigya (प्रतिज्ञा)
- Premashram (प्रेमाश्रम)
- Rangbhoomi (रंगभूमी)
- Vardaan (वरदान)
映画およびテレビドラマ
- Sadgati (1981) (TV)
- Shatranj Ke Khilari (1977)
- Godhuli (1977)
- Oka Oori Katha (1977)
- Gaban (1966)
- Godaan (1963)
- Seva Sadan (1938) (based on the novel Bazaar-e-Husn)
- Mazdoor (1934)
- Nirmala (TV Series, 1980s)
参考文献
- 『プレームチャンド短篇選集』土井久弥注訳、大学書林、1985年。
- 『厳寒の夜ープレームチャンド短編集』坂田貞二編訳、日本アジア文学協会、1990年。
関連文献
注釈
出典
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2025/10/16 11:44 UTC (変更履歴)
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