ブライス・ダナー : ウィキペディア(Wikipedia)

ブライス・ダナー(, 1943年2月3日 - )は、アメリカ合衆国の女優。ペンシルベニア州フィラデルフィア出身でペンシルベニア・ダッチ(ドイツ系アメリカ人)の血を引く。

夫はテレビプロデューサーのブルース・パルトロー(ベラルーシ系ユダヤ人移民)、子供はアカデミー賞女優のグウィネス・パルトローとテレビ・映画監督のジェイク・パルトロー。魅力的なハスキーボイスとブロンドヘアーを併せ持ち、妻や母親と言ったような役柄を演じることが多い。女優キャサリン・メーニッヒの叔母でもある。

来歴

銀行幹部の娘としてペンシルバニアに生まれる。ドイツ、英国、アイルランドの血を引く。ニューヨークのバード大学で演技を学ぶ。1965年に卒業し、舞台女優としてキャリアをスタート。1970年、『バタフライはフリー』でトニー賞の演劇部門で助演女優賞を受賞。その後も『Betrayal』と『欲望という名の電車』で主演女優賞候補に、『Follies』ではミュージカル部門の主演女優賞の候補にもなっている。ブロードウェイでは他に『The Mister』や『フィラデルフィア物語』などに出演している。

私生活では1969年にテレビプロデューサーのブルース・パルトローと結婚。その後、1972年に娘のグウィネスが、1975年に息子のジェイクが生まれる。それに伴い、ダナーは子育てに専念するため一時休業をしている。

映画では、ロバート・デュヴァル主演の『パパ』や『Xファイル ザ・ムービー』、『ミート・ザ・ペアレンツ』シリーズでロバート・デ・ニーロが演じる堅物男の妻役などが有名である。2003年に娘のグウィネス・パルトロウ主演・製作総指揮の『シルヴィア』で親子共演をしている。それ以前にも1992年のテレビ映画『Cruel Doubt』でも共演した。また、宮崎駿のアニメ映画『ハウルの動く城』ではサリマン役の英語版吹替えを担当している。

テレビでも活躍し、『刑事コロンボ』や『M*A*S*H』へのゲスト出演、1984年のテレビ映画『ヘレン・ケラー』ではアン・サリヴァン役を、『ふたりは友達? ウィル&グレイス』では主人公ウィルの母親役を、そして2004年より放送された『HUFF〜ドクターは中年症候群』でアルコール中毒気味の主人公の母親を演じ、プライムタイム・エミー賞を受賞している。また、その1度目の受賞時は、他に2つの番組でも同時に候補となった。このトリプル候補はエミー賞史上前例のない初の出来事である。

2024年7月、チャリティ活動中に体調不良となり病院に運ばれた。

主な出演作

映画

公開年邦題原題役名備考
1972 ドーベルマン犬の島To Kill a Clown リリー
刑事コロンボ/黒のエチュード Columbo: Étude in Black ジャニス テレビ映画
1976 未来世界Futureworld トレイシー・バラード
1978 栄光のホームベース A Love Affair: The Eleanor and Lou Gehrig Story カスター夫人 テレビ映画
ハイスクール・レイプAre You in the House Alone? アン・オズボーン テレビ映画
1979 パパThe Great Santini リリアン
1983 愛の7日間Man, Woman and Child シェイラ・ベックウィズ
1984 ヘレン・ケラー Helen Keller: The Miracle Continues アン・サリヴァン テレビ映画
1985 ギルティ・コンサイエンスGuilty Conscience ルイーズ テレビ映画
1986 想い出のブライトン・ビーチBrighton Beach Memoirs ケイト
1988 私の中のもうひとりの私Another Woman リディア
1989 追跡TV スクープを狙え! Money, Power, Murder. テレビ映画
1990 ミスター&ミセス・ブリッジMr. & Mrs. Bridge グレイス・バロン
アリスAlice ドロシー
1991 サウス・キャロライナ 愛と追憶の彼方 The Prince of Tides サリー
1992 夫たち、妻たちHusbands and Wives レインの親
1994 南部の風・南軍兵士の妻が語る100年の物語Oldest Living Confederate Widow Tells All ビアンカ テレビ映画
1995 オマージュ/狂気が目を閉じるまでHomage キャサリン
3人のエンジェルTo Wong Foo Thanks for Everything, Julie Newmar ベアトリス
1997 生きていく理由A Call to Remember ポーラ・トビアス テレビ映画
家族という名の他人The Myth of Fingerprints レナ
マッド・シティMad City バンクス夫人
1998 ノー・ルッキング・バックNo Looking Back クラウディアの母親
ボストン 愛の炎The Proposition シリル・ダニング
X-ファイル ザ・ムービーThe X Files ジャナ・キャシディ
1999 姉のいた夏、いない夏。The Invisible Circus ゲイル
恋は嵐のようにForces of Nature ヴァージニア
ラブレター 誰かが私に恋してる?The Love Letter リリアン
2000 ミート・ザ・ペアレンツMeet the Parents ディナ・バーンズ
2002 Rain レインThree Days of Rain タクシーの女性
2003 シルヴィアSylvia オーレリア・プラス
2004 ミート・ザ・ペアレンツ2Meet the Fockers ディナ・バーンズ
2006 ラストキスThe Last Kiss アンナ
2008 旅するジーンズと19歳の旅立ちThe Sisterhood of the Traveling Pants 2 グレタ
2010 ミート・ザ・ペアレンツ3Little Fockers ディナ・バーンズ
2011 宇宙人ポールPaul タラ・ウォルトン
デタッチメント 優しい無関心Detachment パーキンス夫人
運命の元カレWhat's Your Number? アヴァ・ダーリング
2012 一枚のめぐり逢いThe Lucky One エリー・グリーン
2015 タンブルダウン 彼の遺した恋の歌Tumbledown リンダ・ジャスパーセン
2019 ストレンジ・アフェアStrange But True ゲイル・アーウィン
明日の恋の見つけかたThe Tomorrow Man ロニー・マイズナー

テレビシリーズ

放映年邦題原題役名備考
1976 マッシュM*A*S*H エピソード''The More I See You
2001-2006 ふたりは友達? ウィル&グレイスWill & Grace マリリン・トゥルーマン 11エピソードに出演
2004-2006 HUFF〜ドクターは中年症候群Huff イジー・ハフストッド 25エピソードに出演プライムタイム・エミー賞助演女優賞(ドラマ・シリーズ部門)(2005年、2006年)
2009 ミディアム 霊能者アリソン・デュボアMedium ルイーズ エピソード''A Taste of Her Own Medicine
ナース・ジャッキーNurse Jackie モーリーン・クーパー エピソード''Tiny Bubbles
2021 アメリカン・ゴッズAmerican Gods デメテル

主な受賞

  • トニー賞
    • 1970 助演女優賞(演劇部門) - 『バタフライはフリー』
  • シアター・ワールド賞
    • 1969 『The Mister』
  • プライムタイム・エミー賞
    • 2005 助演女優賞(ドラマ・シリーズ部門) - 『HUFF~ドクターは中年症候群』
    • 2006 助演女優賞(ドラマ・シリーズ部門) - 『HUFF〜ドクターは中年症候群』

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/07/19 02:06 UTC (変更履歴
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