ピーター・S・ビーグル : ウィキペディア(Wikipedia)
ピーター・S・ビーグル(Peter S. Beagle、1939年4月20日 - )は、アメリカ合衆国のファンタジー作家、脚本家。代表作は『心地よく秘密めいたところ』『最後のユニコーン』など。1994年にThe Innkeeper's Songでローカス賞、2006年に「ふたつの心臓」でヒューゴー賞、ネビュラ賞の中編小説部門を受賞した。
経歴
1939年、ニューヨークに生まれる。父親はポーランド系ユダヤ人、母親はロシア系ユダヤ人で、ピーターが2歳のときにブロンクスに移住した。幼いときから小説や絵画、音楽に親しみ、将来は作家になろうと決意、成績優秀のため中学を2年で卒業し、高校では1955年にスコラスティック創作賞を受賞、その副賞としてピッツバーグ大学へ授業料免除で入学した。大学ではいくつかの短編コンテストに入賞し、卒業の1959年には最初の長編『』を完成させる(出版は翌年)。1960年よりスタンフォード大学の創作科でマルカム・カウリーやフランク・オコナーの指導を受け、1961年に卒業後は放浪生活ののちフリーライターとして活動。1968年には構想から5年をかけた『』を刊行。
『最後のユニコーン』は1982年にアメリカのランキンバス社によってアニメ化され、映像部分は日本のトップクラフトが下請けとして担当した。
受賞歴
- ローカス賞 ファンタジイ長篇部門 1994年(The Innkeeper's Songに対して)
- ヒューゴー賞 中編小説部門 2006年(Two Hearts(「ふたつの心臓」)に対して)
- ネビュラ賞 中編小説部門 2006年(Two Hearts(「ふたつの心臓」)に対して)
著書
- A Fine and Private Place(『心地よく秘密めいたところ』), 1960(小説)
- I See By My Outfit: Cross-Country by Scooter, an Adventure, 1965(ノンフィクション)
- The Last Unicorn(『最後のユニコーン』), 1968(小説)
- The California Feeling, 1969(ノンフィクション)
- Lila the Werewolf, 1974
- American Denim, 1975(ノンフィクション)
- The Lady and Her Tiger, 1976(ノンフィクション)
- The Fantasy Worlds of Peter S. Beagle, 1978
- The Garden of Earthly Delights, 1982(ノンフィクション)
- The Folk of the Air(『風のガリアード』), 1986(小説)
- The Innkeeper's Song, 1993(小説)
- In the Presence of the Elephants, 1995(ノンフィクション)
- The Unicorn Sonata(『ユニコーン・ソナタ』), 1996(ヤングアダルト小説)
- Giant Bones, 1997
- The Rhinoceros Who Quoted Nietzsche and Other Odd Acquaintances, 1997(エッセイ集)
- The Magician of Karakosk and Other Stories, 1999
- Tamsin, 1999(小説)
- A Dance for Emilia, 2000
- The Line Between, 2006
- Your Friendly Neighborhood Magician: Songs and Early Poems, 2006
- [[:en:The Last Unicorn: The Lost Version|The Last Unicorn: The Lost Version]], 2007
- Strange Roads, 2008(Lisa Snellings-Clark共著)
- We Never Talk About My Brother, 2009
- Mirror Kingdoms: The Best of Peter S. Beagle, 2010(Jonathan Strahan編)
- Return, 2010
- Sleight of Hand, 2011
脚本
- The Dove, 1974
- The Greatest Thing That Almost Happened, 1977
- The Lord of the Rings(『指輪物語』), 1978(アニメ版)
- The Last Unicorn, 1982
- [[:en:Sarek (Star Trek: The Next Generation)|Sarek]] - episode of [[:en:Star Trek: The Next Generation|Star Trek: The Next Generation]](1990)(英雄症候群) - 『新スタートレック』第3シーズン, 1990
- A Whale of a Tale(The Little Mermaid), 1992
- Camelot, 1996
- A Tale of Egypt, 1996
日本語翻訳書
- 『心地よく秘密めいたところ』 上下巻、山崎淳訳、月刊ペン社〈妖精文庫〉、1976年、
- 『心地よく秘密めいたところ』 山崎淳訳、東京創元社〈創元推理文庫〉、1988年、
- 『最後のユニコーン』 鏡明訳、早川書房〈ハヤカワ文庫FT〉、1979年、
- 『風のガリアード』 山田順子訳、早川書房〈ハヤカワ文庫FT〉、1992年、
- 『ユニコーン・ソナタ』 井辻朱美訳、早川書房、1998年、
- 『Annotated Last unicorn ― The last unicorn by Peter』 黒田誠注釈、近代文芸社、2004年、 ※原文に注釈を付したもの。
- 『完全版・最後のユニコーン』 金原瑞人訳、学研プラス、2009年、
注釈
出典
参考文献
関連文献
- 黒田誠『アメリカの傑作ファンタジー 「最後のユニコーン」の知られざる真価』幻冬舎、2019年、
関連項目
- [[:en:The Last Unicorn (film)]]
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/10/24 11:00 UTC (変更履歴)
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