ボビー・シンハー : ウィキペディア(Wikipedia)

ボビー・シンハー(Bobby Simha、1983年11月6日 - )は、インドのタミル語映画、テルグ語映画で活動する俳優。『Kadhalil Sodhappuvadhu Yeppadi』『』に端役で出演した後、『キケンな誘拐』『Neram』で主要キャストを務め、2014年に出演した『』で国家映画賞 助演男優賞を受賞している。

生い立ち

1983年11月6日にシカンダラーバードに暮らすテルグ語話者の家庭に生まれた。一家はの出身で、1995年にに移住している。ボビー・シンハーはモピデーヴィのヴィディヤダルシニ・ヴィディヤーラヤム校を経て、父の友人が学長を務めているコーヤンブットゥールのパイオニア・カレッジ教養学部に進学したが、勉学には関心を持たず在学時から俳優になることを志していた。2005年に同地で開催されたイベント「ナーラヤ・ナッチャティラーム」に参加し、そこで主賓として招かれていたとに出会いタミル語映画界に勧誘され、ラームダースから連絡先を渡された。その後、ある人物に「テレビドラマの仕事がある」と誘われてチェンナイに向かったものの虚偽の情報に騙されたことを知り、チェンナイに取り残されて途方に暮れていたところ、ラームダースに連絡を取り彼の自宅に泊めてもらったという。コーヤンブットゥールに戻ったボビー・シンハーは大学卒業後にチェンナイに移住し、マーケティング、ビジネス・プロセス・アウトソーシング、営業などの仕事を経験した後に俳優の道に進んだ。

キャリア

2007年 - 2012年

2007年に『Maya Kannadi』で俳優デビューするが、映画では名前はクレジットされていない。2012年にの短編映画『Kadhalil Sodhappuvadhu Yeppadi』に端役で出演し、同作は批評家から絶賛され、この年に最も高い利益を挙げた映画の一つとなった。その後、短編映画製作者のマニカンダンと知り合いになり、彼からを紹介される。ボビー・シンハーはスッバラージと共に数年の短編映画を製作した後、彼の長編映画監督デビュー作『』に起用された。

2013年 - 2017年

2013年は『キケンな誘拐』で誘拐犯のパガラヴァン役を演じ、『Neram』では悪役のヴァッティ・ラージャー役を演じており、両作とも批評家から演技を絶賛されている。2014年には『』ではマドゥライの老ギャング役を演じ、こちらでも批評家から高い評価を得ている。ボビー・シンハーは出演するに際して、本物のギャングと交流して彼らの言動を学んだと語っている。また、日中に下着姿で太陽の下に立ち肌を焼いて役作りしたことも明かしている。同年8月に公開された『ジガルタンダ』は観客から好評を博し、『』は公開から1週間で同作が「カルト的な人気を得た」と批評している。彼の演技について、Rediff.comは「シンハーは、ショーを独占した。彼は時にゾッとするほど恐ろしく、ある時は打って変わって滑稽な姿を見せており、そのどちらにも説得力が備わっている。本当に素晴らしい演技だ」、Sifyは「この映画はシンハーのものだ。特に映画の前半では、不気味な笑みを浮かべながらキャラクターの凶悪さと暴力性を見せつけてくれ、その姿に驚かされた」とそれぞれ批評している。また、『ジガルタンダ』の演技で国家映画賞 助演男優賞を受賞している。

『ジガルタンダ』の後はマラヤーラム語映画『Beware of Dogs』に出演し、『Aadama Jaichomada』では真面目で知的な一方でコミカルな一面を持つ警官ブーミナーダン役を演じている。『ジガルタンダ』の成功により、ボビー・シンハーには主演のオファーが来るようになったが、その後に出演した複数の作品は興行不振が続くことになった。2015年にはキャリアの中で初となる単独主演作『Urumeen』に出演している。2016年はそれまでのアクション映画から離れ、青春ドラマ映画『』に出演した。ボビー・シンハーは同作に出演するためにプロデューサーにスケジュール調整を申し込むなど撮影に積極的だったが、批評家からの評価は混合的なものだった。『Ko 2』ではジャーナリストのクマラン役を演じ、同年6月にはカールティク・スッバラージの『』に出演している。2017年にはの『Thiruttu Payale 2』に出演している。

2018年 - 現在

2018年は『Saamy Square』に出演した。2019年は『』でラジニカーントと共演し、このほかに『Agni Devi』『Edaina Jaragocchu』にも出演している。また、同年11月にはフィルム・コンパニオンの「10年間で最も素晴らしい演技100」に『ジガルタンダ』の演技が選出された。2020年は『Disco Raja』でと共演し、アンソロジー映画『Putham Pudhu Kaalai』ではカールティク・スッバラージの「Miracle」に出演している。2022年はAmazon Prime Video配信の『Mahaan』でヴィクラムと共演し、同年6月にラクシット・シェッティ主演の『チャーリー』でカンナダ語映画デビューしている。同年10月にはAmazon Prime Video配信の『』に出演している。2023年は『Waltair Veerayya』でチランジーヴィと共演しており、このほかに『Vallavanukkum Vallavan』『Indian 2』にも出演している。

私生活

2015年11月に『Urumeen』で共演したと婚約して2016年4月22日に結婚した。2人の間には2017年に娘、2019年に息子が生まれている。

フィルモグラフィー

映画

作品 役名 言語 備考出典
2007 Maya Kannadi 理髪店の客 タミル語 ノンクレジット
2012 Kadhalil Sodhappuvadhu Yeppadi ジャヤシンハー タミル語 「ジャヤシンハー」名義
ボビー タミル語 「シンハー」名義
2013 Naan Rajavaga Pogiren シャンカル・スブラマニアム タミル語
キケンな誘拐 パガラヴァン タミル語
Neramヴァッティ・ラージャー マラヤーラム語多言語映画
タミル語
2014 Beware of Dogs アーミル マラヤーラム語
セートゥ タミル語
Aadama Jaichomada ブーミナーダン警部 タミル語
Aaaah プロスパー タミル語
2015 Oru Vadakkan Selfie ジョン・マシュー・バースカル マラヤーラム語 カメオ出演
Chennai Ungalai Anbudan Varaverkirathu チェラパンディ タミル語
Masala Padam アムダン タミル語
Inji Iduppazhagi 本人役 タミル語カメオ出演
Size Zero テルグ語
Urumeen セルヴァー タミル語
2016 カンナン(クッティ) タミル語 ナレーター兼務
Aviyalギャング タミル語Eli」に出演
Run ヴァッティ・ラージャー テルグ語
Ko 2 クマラン タミル語
Meera Jaakirathai シヴァネーサン タミル語
ジャガン タミル語
Metro グナ タミル語
Kavalai Vendam アルジュン タミル語
2017 Mupparimanam 本人役 タミル語 カメオ出演
Paambhu Sattai ダクシュナ タミル語
Karuppan カーティル タミル語
Thiruttu Payale 2 セルヴァン警部 タミル語
2018Rosapoo 俳優 マラヤーラム語 カメオ出演
Kammara Sambhavam プリケシ マラヤーラム語
Saamy Square ラーヴァナ・ピチャイ タミル語
Ladoo ジョゼフ・ダヤニディ マラヤーラム語 カメオ出演
2019 マイケル タミル語
Agni Devi アグニ・デーヴ タミル語
Edaina Jaragocchu カーリ テルグ語
2020Disco Raja ブルーナ・セートゥ テルグ語
Putham Pudhu Kaalai デーヴァン タミル語Miracle」に出演
2021Gully Rowdy ラヴィ・ナーヤク テルグ語
2022Mahaan サティヤヴァン・スーサイヤッパン タミル語
チャーリー ヴァムシナダン カンナダ語 カメオ出演
プラブテルグ語
2023Waltair Veerayya ソロモン・シーザー テルグ語
Vallavanukkum Vallavan アレクサンダータミル語製作兼務
Vasantha Mullaiルドラーンタミル語
Thugs ドゥライ タミル語
SALAAR/サラールバーラヴァテルグ語
2024Indian 2タミル語

ウェブシリーズ

作品 役名 配信 言語備考出典
2018Vella Raja麻薬王デーヴァAmazon Prime Videoタミル語
2021Navarasa ニラヴァンNetflix 第5話「Peace」出演
2022Kaiyum Kalavum ナレーターSonyLIV と共同ナレーション

受賞歴

部門作品結果出典
国家映画賞
助演男優賞 『ジガルタンダ』
フィルムフェア賞 南インド映画部門
『ジガルタンダ』
南インド国際映画賞
タミル語映画部門助演男優賞 『キケンな誘拐』 rowspan=4
タミル語映画部門悪役賞『Neram』
マラヤーラム語映画部門悪役賞
タミル語映画部門悪役賞 『ジガルタンダ』
タミル・ナードゥ州映画賞
2014年 『ジガルタンダ』
ヴィジャイ・アワード
『Neram』
『ジガルタンダ』
2014年 悪役賞 『ジガルタンダ』

出典

外部リンク

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