ジャクリーン・フェルナンデス : ウィキペディア(Wikipedia)
ジャクリーン・フェルナンデス(Jacqueline Fernandez、1985年8月11日 - )は、スリランカの女優、モデル。の2006年優勝者。女優としては『アラジン 不思議なランプと魔人リングマスター』に出演して以来、主にインドのボリウッドで活動している。
生い立ち
1985年8月11日にバーレーンのマナーマで暮らすマルチ・エスニック家庭に生まれる。父エルロイ・フェルナンデスはバーガー人、母キムはマレーシア人、母方の祖父はカナダ人である。エルロイはスリランカで活動するミュージシャンだったが、スリランカ内戦から逃れるため1980年代にバーレーンに移住し、同地で客室乗務員だったキムと出会った。ジャクリーンは第4子であり、姉が1人、兄が2人いる。
14歳の時にバーレーンのテレビ番組に出演した。同国で教育を受けた後、オーストラリアのシドニー大学に留学してマスコミュニケーションの学位を取得した。大学卒業後はスリランカに帰国し、テレビレポーターとして活動した。また、ベルリッツ コーポレーションの言語学校でスペイン語を学び、さらにフランス語とアラビア語の向上に努めた。
キャリア
モデル
ジャクリーンは幼少期から女優になることを望み、ハリウッドで女優になることを夢見ていた。彼女はジョン演劇学校で演技を学び、レポーターの仕事の傍ら演劇活動を行い、その結果モデル業界からスカウトされた。2006年にの優勝者となり、ロサンゼルスで開催されたミス・ユニバース2006ではスリランカ代表を務めた。同年にはのミュージックビデオ「O Sathi」に出演した。彼女は2015年のインタビューで、モデル業界を「良いトレーニングの場だった」と語っている。
女優
2009年 - 2013年
2009年にモデル活動のためインドを訪問した。彼女は同国で『アラジン 不思議なランプと魔人リングマスター』のオーディションに参加し、ヒロインのジャスミン役に起用され、リテーシュ・デーシュムクと共演した。同作で女優デビューしたジャクリーンについて、ラジーヴ・マサンドは「魅力的で自信ありげに見えるが、彼女がやることはほとんどなかった」と批評している。同作は興行的・批評的に大きな失敗だったものの、ジャクリーンは国際インド映画アカデミー賞 新人女優賞を受賞した。2010年に『Jaane Kahan Se Aayi Hai』で再びデーシュムクと共演し、愛を求めて地球を訪れた金星人の女性を演じた。同作は批評家から酷評され、ジャクリーンの演技もRediff.comのスカニヤ・ヴェルマやのアヌパマ・チョープラーから酷評された。同年にはの『』でアイテム・ナンバーを務めた。
2011年にの『Murder 2』に出演し、同作の成功によりジャクリーンのキャリアは好転した。同作では演じるアルジュンと複雑な関係に陥るモデルのプリヤー役を演じた。彼女の演技とセックスアピールは批評家から絶賛され、ザ・タイムズ・オブ・インディアのガウラヴ・マリニは彼女を「上品で魅力的」と絶賛したが、ハーシュミーとのロマンスについては「文字通り生焼けだった」と批評している。2012年に『』でアクシャイ・クマール、ジョン・エイブラハム、アシン・トーットゥンカルと共演した。同作は2012年のボリウッド映画興行成績第8位となり、興行収入18億ルピーを記録した。しかし、ジャクリーンの演技は批評家から酷評され、ガウラヴ・マリニは彼女の外見を賞賛したものの、ニューデリー・テレビジョンからは「その役柄に何の楽しさも見出せない軽薄女」と酷評された。批評家からは酷評されたものの、ジャクリーンは国際インド映画アカデミー賞 助演女優賞にノミネートされた。
2013年にの『Race 2』でサイーフ・アリー・カーン、ジョン・エイブラハム、ディーピカー・パードゥコーンと共演した。同作はラジーヴ・マサンドから「くだらない小説と同レベルの映画」と表現されている。ジャクリーンはファム・ファタールのオミーシャ役を演じ、役作りのためにフェンシングとアクロバットを学んだ。同作は興行的に大きな成功を収め、国内興行収入は10億ルピーを超えた。一方、批評面では酷評され、ニューデリー・テレビジョンのサイバル・チャテルジーはジャクリーンとディーピカーについて、「着飾っているが何処にも行かず、周囲を動き回るロボット」と批評している。同年にはの『Ramaiya Vastavaiya』でアイテム・ナンバーを務めた。
2014年以降
2014年にの監督デビュー作『Kick』でサルマーン・カーンと共演した。これまでジャクリーンの声は吹き替え処理が施されていたが、同作で初めて吹き替えなしで彼女の声が用いられた。スネーハー・メイ・フランシスは彼女を「信じられないほど華々しく、魔法のように動いた」と賞賛したが、Rediff.comのラジャ・センは彼女の台詞運びを「残念なものだった」と批評している。同作の興行収入は37億5000万ルピーを記録し、当時のボリウッド映画歴代興行成績第4位となった。また、同作の成功によりジャクリーンは「ボリウッドで最も人気のある女優」の一人として地位を確立した。
2015年に『Roy』に出演したが、同作は批評家サリタ・A・タンワルから「非常につまらなく、退屈でこれ見よがしな映画」と評された。ジャクリーンは2役を演じ、からは「彼女のこれまでの中で最高の演技」、ラジーヴ・マサンドからは「ミスキャストだったように思う」と批評されている。同作は興行的に失敗した。同年には『Bangistan』にも出演している。の『』でアクシャイ・クマール、シッダールト・マルホートラと共演した。ジャクリーンは子供に苦労させられる母親ジェニーを演じ、役柄について「挑戦的」「強烈」「難しい」ものだったと語っている。彼女はこの役を演じたことで、それまで演じてきたグラマラスな女性キャラクターのイメージからの脱却に成功した。のドーリティ・シャルマはジャクリーンについて「ストリートファイターの妻としての素晴らしいキャラクターに説得力を持たせている」、は「限られた役柄の中で素晴らしい感情的な撮影を行った」と批評している。同年には『Definition of Fear』で主演を務め、ハリウッドデビューを果たした。
2016年に『』でアクシャイ・クマールと共演した。ジャクリーンの演技はファーストポストから酷評され、「視覚的な見栄え」以上の扱いがされていないと批評された。同作は批評家から酷評されたものの、興行収入は18億8000万ルピーを記録した。同年に出演した『Dishoom』も興行収入15億ルピーを記録し、ダンスショー番組『Jhalak Dikhhla Jaa season 9』では審査員を務めた。2017年にの『A Gentleman』でシッダールト・マルホートラと共演したが、同作は批評家から酷評され、興行的にも失敗している。同年にはの『Judwaa 2』でヴァルン・ダワン、と共演した。同作は『踊るツインズ』のリメイクであり、興行的な成功を収めた。2018年にの『According to Matthew』で主演を務め、デビューを果たした。当初は2017年4月公開予定だったが、2018年に延期され11月に公開された。同年にはの『Race 3』ではサルマン・カーンと共演している。2019年にスジートの『サーホー』でアイテム・ナンバーを務め、Netflix配信の『』ではスシャント・シン・ラージプートと共演した。
人物
2008年からバーレーン王家のハサーン・ビン・ラシド・アル・ハリーファと交際していたが、2011年に破局している。2011年には『ハウスフル2』撮影中に監督のサジード・カーンとの交際を始めた。メディアからは結婚間近という報道が出たものの、2013年5月に破局している。
ジャクリーンは複数の慈善団体を支援している。また、動物の保護運動にも参加しており、2014年に動物の倫理的扱いを求める人々の会から「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれている。この他にコンサートツアーも開催しており、2013年にはシャー・ルク・カーン、ラーニー・ムカルジー、マドゥリ・ディークシットと共に「Temptations Reloaded」を開催し、オークランド、パース、シドニーを巡った。2014年にはライブ・タレントショー『Got Talent World Stage Live』にシャー・ルク・カーン、プリヤンカー・チョープラー、ヴァルン・ダワンと共に出演した。同年7月にはスリランカの料理人と共同でコロンボにレストランを開業した。2018年7月にはアクティブウェアを取り扱うブランド「Just F」を立ち上げた。
メディア
2008年と2011年にが選ぶ「世界で最もセクシーなアジア人女性」の第12位にランクインした。2013年と2014年にはザ・タイムズ・オブ・インディアが選ぶ「最も好まれる女性」の第3位にランクインし、過去3年間でそれぞれ第8位、第7位、第14位にランクインしている。2013年にRediff.comの「ボリウッド・ベスト・ドレス・アクトレス」の一人に選ばれた。2014年にはフォーブス・インディアのセレブリティ100で第62位に選ばれた。
2013年にのブランド大使に任命され、同年にはがデザインしたフォーエバーマーク・ダイアモンドのスポークスパーソンになった。また、ムンバイのFOREVER 21のオープンイベント、ジレットのシェービング・システムのイベントにはアルバーズ・カーン、アディティヤ・ロイ・カプールと共に出席している。
ジャクリーンのキャリアについて、インディアTVは「ゆっくりと、だが確実にジャクリーン・フェルナンデスは成功の梯子を登っている。ジャクリーンは女優がやるべき仕事のあらゆる部分を把握しており、それに応じて結果を出している」と批評しており、インディア・トゥデイのチャル・タークルはジャクリーンの演技力を酷評したものの「グラマラスな役柄を積み重ねることで、ボリウッドでの居場所を見つけた」と批評している。
フィルモグラフィー
- アラジン 不思議なランプと魔人リングマスター(2009年)
- Jaane Kahan Se Aayi Hai(2010年)
- (2010年)
- Murder 2(2011年)
- (2012年)
- Race 2(2013年)
- Ramaiya Vastavaiya(2013年)
- Kick(2014年)
- Roy(2015年)
- Bangistan(2015年)
- (2015年)
- Definition of Fear(2015年)
- (2016年)
- Dishoom(2016年)
- フライング・ジャット(2016年)
- A Gentleman(2017年)
- Judwaa 2(2017年)
- タイガー・バレット(2018年)
- According to Matthew(2018年)
- Race 3(2018年)
- サーホー(2019年)
- (2019年)
- (2020年)
- Attack(2022年)
出典
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/09/25 00:22 UTC (変更履歴)
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