曽根圭介 : ウィキペディア(Wikipedia)
は、日本の小説家。
略歴・人物
静岡県生まれ。静岡県立沼津東高等学校在学中には空手道部に所属し、NHKアナウンサーの佐々木彩は部の後輩であった。高校卒業後、1浪を経て早稲田大学商学部へ進学するが、後に中退。「25歳まではブラブラするから」と親に宣言し、アルバイト生活を続ける。25歳になった時にいよいよまずいと思い始め、池袋のホテルに正社員として就職。サウナ部門で5年間、漫画喫茶の店長など4店舗の統括運営管理者として5年間、計10年間働いたが、4週間で休みは6日という日々に消耗し、退職。36歳で無職になるが、貯金があったため毎日図書館で本を読むという生活を1年続ける。しかし読むだけの日々にも飽きがきたため、一度書いてみるかと執筆を決意。完成に5か月かかった初めての作品「蟷螂之斧」を江戸川乱歩賞に応募したところ、1次審査を通過する。のちに振り返っても、この時が1番嬉しかったという。
その後「沈底魚」を執筆し、完成するもストーリー展開が気に入らず鬱々とした日々を過ごす。気分転換にと別の短編作品「鼻」を書いたところ、2007年の第14回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞。その後「沈底魚」を改めて書き直し、同年、第53回江戸川乱歩賞を受賞した。受賞時のペンネームは曽根狷介(けんすけ)。2009年、「熱帯夜」で第62回日本推理作家協会賞短編賞を受賞。2021年「藁にもすがる獣たち」が韓国で映画化された。
趣味は山登り。
受賞・候補歴
- 2007年、『鼻』で第14回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞。同年『沈底魚』で第53回江戸川乱歩賞を受賞。
- 2009年、『熱帯夜』で第62回日本推理作家協会賞短編賞を受賞。
作品
単著
- 『沈底魚』(講談社) 2007年8月、のち講談社文庫 2010年8月
- 『鼻』(角川ホラー文庫) 2007年11月
- 収録作品:「暴落」「受難」「鼻」
- 『あげくの果て』(角川書店)2008年10月 、のち改題『熱帯夜』(角川ホラー文庫) 2010年10月
- 収録作品:「熱帯夜」「あげくの果て」「最後の言い訳」
- 『図地反転』(講談社)2009年9月、のち改題『本ボシ』(講談社文庫) 2012年8月
- 『藁にもすがる獣たち』(講談社)2011年8月、のち講談社文庫 2013年8月
- 『殺し屋.com』(角川書店)2013年8月 、のち改題『暗殺競売』(角川文庫) 2017年2月
- 『TATSUMAKI 特命捜査対策室7係』(講談社) 2014年11月、のち講談社文庫 2016年11月
- 『工作名カサンドラ』(朝日新聞出版) 2015年7月、のち朝日文庫 2018年2月
- 『黒い波紋』(朝日新聞出版) 2017年6月
- 『腸詰小僧 曽根圭介短編集』(光文社) 2019年8月 、のち光文社文庫 2022年8月
::収録作品:「腸詰小僧」「解決屋」「父の手法」「天誅」「成敗」「母の務め」「留守番」
アンソロジー
「」内が曽根圭介の作品
- 「熱帯夜」(講談社、『ザ・ベストミステリーズ 2009 推理小説年鑑』)2009年7月、のち分冊改題『Bluff 騙し合いの夜 ミステリー傑作選』(講談社文庫)2012年4月
- 「衝突」(河出文庫、NOVA 2 書き下ろし日本SFコレクション) 2010年7月
- 「老友」(講談社、『ザ・ベストミステリーズ 2010 推理小説年鑑』) 2010年7月、のち分冊改題『BORDER 善と悪の境界 ミステリー傑作選』(講談社文庫) 2013年11月
- 「天誅」(光文社カッパ・ノベルス、『現場に臨め』) 2010年10月、のち光文社文庫 2014年4月
- 「義憤」(講談社、『ザ・ベストミステリーズ 2011 推理小説年鑑』) 2011年7月、のち分冊改題『Shadow 闇に潜む真実 ミステリー傑作選』(講談社文庫) 2014年11月
- 「腸詰小僧」(光文社、『宝石 ザ ミステリー 2』) 2012年12月
- 「妄執」(講談社、『ザ・ベストミステリーズ 2013 推理小説年鑑』) 2013年4月、のち分冊改題『Esprit 機知と企みの競演 ミステリー傑作選』(講談社文庫) 2016年11月
- 「解決屋」(光文社、『宝石 ザ ミステリー 2014冬』)2014年12月
- 「留守番」(光文社、『宝石 ザ ミステリー Red』) 2016年8月
- 「留守番」(講談社、『ザ・ベストミステリーズ 2017 推理小説年鑑』) 2017年5月
- 「母の務め」(講談社、『ザ・ベストミステリーズ 2019 推理小説年鑑』) 2019年6月、のち改題『2019 ザ・ベストミステリーズ』(講談社文庫) 2022年4月
- 「尋問」(小学館文庫、『超短編! 大どんでん返し』) 2021年2月
- 「母の務め」(朝日文庫、『ミステリーアンソロジー 大逆転』) 2023年2月
- 「鼻」(角川ホラー文庫、『日本ホラー小説大賞《短編賞》集成 2』) 2023年11月
出典
関連項目
- 日本の小説家一覧
- 怪奇小説作家一覧
- 推理作家一覧
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2025/11/07 06:49 UTC (変更履歴)
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