サム・ハーディ : ウィキペディア(Wikipedia)
サムパーティ(Sampāti, )は、インドの叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する巨大な鳥の王。老齢の禿鷹で、ヴィンディヤ山の山頂に棲む。カシュヤパ仙とヴィナターの息子アルナと阿部知二訳、p.135。『マハーバーラタ』3巻263章1行。シュエーニーの子で、ジャターユの兄阿部知二訳、p.240。『マハーバーラタ』3巻266章47行-49行。。透視の能力を持つ阿部知二訳、p.241。。
神話
兄弟の挑戦と太陽
『ラーマーヤナ』によると、かつてサムパーティとジャターユは、天に昇ってインドラ神を征服しようとした。しかし太陽に近づきすぎて、ジャターユがその熱で弱ったので、サムパーティは自分の翼の下にジャターユをかばった。そのためサムパーティの翼は燃えてしまい、ともに別々の場所に落下した。『マハーバーラタ』によるとジャターユとサムパーティはどちらが先に太陽神スーリヤの集会場に着くかを競ったが、サムパーティの翼は燃えて、ジャターユの翼は燃えなかったという。
サムパーティが落ちたのはヴィンディヤ山であり、死を決意したが、聖者ニシャーカラはいずれこの地にラーマ王子の使いが訪れるときがあり、そのときに再び翼が再生して力が回復するだろう、と予言したため、死を思いとどまった阿部知二訳、p.239-242。。
翼の再生
その後、ヴィンディヤ山にヴァナラ(猿)の一行が現れたとき、サムパーティはこれを喰らおうとした。しかし彼らがジャターユの死を口にしたため、驚いて何者であるかを訪ねた。彼らは連れ去られたラーマの妃のシーターの捜索隊であると告げた。サムパーティは兄弟の死にひどく落ち込んだが、聖者の予言を思い出し、透視の力によって、シーターを連れ去ったのはラークシャーサの王ラーヴァナであり、その居城はランカー島にあることを教えた『マハーバーラタ』3巻266章50行-55行。。するとサムパーティの翼は予言通りに蘇り、新しい赤い羽毛に覆われ、サムパーティは天に飛翔した。
このサムパーティの教えによって、ハヌマーンは海原を飛び越えてランカーに忍び込んだ。
参考文献
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2021/10/07 03:10 UTC (変更履歴)
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