ローラ・リップマン : ウィキペディア(Wikipedia)
ローラ・リップマン(Laura Lippman、1959年1月31日 - )は、アメリカ合衆国の推理作家。
経歴
1959年、ジョージア州アトランタに生まれ、メリーランド州ボルチモアで生まれ育った。父はの記者として知られるテオ・リップマン・Jr、母は公立学校の元司書マデリーン・リップマン。メリーランド州コロンビアの高校を卒業。
その後、サン・アントニオ・ライト紙やボルチモア・サン紙のリポーターとなった。ボルチモアを舞台とした彼女の代表シリーズの主人公テス・モナハンは、元記者の私立探偵という設定である。同シリーズでアガサ賞、アンソニー賞、エドガー賞、ネロ・ウルフ賞、ガムシュー賞、シェイマス賞など数々のミステリの賞を受賞した。2007年に刊行された『女たちの真実』(原題:What the Dead Know )はニューヨーク・タイムズのベストセラーリスト入りし、英国推理作家協会のゴールド・ダガー賞にノミネートされた。また、2003年に刊行された『あの日、少女たちは赤ん坊を殺した』(原題:Every Secret Thing )は、アカデミー賞女優フランシス・マクドーマンドが映画化の権利を獲得し、2014年に『シークレット・デイ』のタイトルで映画化された。
現在は、ボルチモア南部の町フェデラル・ヒルに住んでおり、近所のコーヒー・ショップで執筆作業をすることも多々ある。また、郊外にあるリベラルアーツ・カレッジ、ガウチャー大学で教鞭を取っている。
夫はボルチモア・サン紙の元記者で、HBOで放送されていたテレビドラマ「THE WIRE/ザ・ワイヤー」のエグゼクティブ・プロデューサーのデヴィッド・サイモン。「ザ・ワイヤー」の第1シーズン第8話で女性キャラクターの1人がリップマンの作品を読んでいるシーンが登場し、ラストシーズンで彼女はボルチモア・サン紙の記者として働いているという演出がされた。
作品リスト
テス・モナハン シリーズ
# | 邦題 | 原題 | 刊行年USA | 刊行年月Japan | 訳者 | Japan 出版社 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ボルチモア・ブルース | Baltimore Blues | 1997年 | 2000年5月 | 岩瀬孝雄 | 早川書房 |
2 | チャーム・シティ | Charm City | 1997年 | 1999年3月 | ||
3 | スタンド・アローン | Butchers Hill | 1998年 | 2000年11月 | 吉澤康子 | |
4 | ビッグ・トラブル | In Big Trouble | 1999年 | 2001年7月 | ||
5 | シュガー・ハウス | The Sugar House | 2000年 | 2002年8月 | ||
6 | ストレンジ・シティ | In a Strange City | 2001年 | 2003年9月 | ||
7 | ラスト・プレイス | The Last Place | 2002年 | 2004年11月 | ||
8 | ロスト・ファミリー | By A Spider's Thread | 2004年 | 2005年12月 | ||
9 | No Good Deeds | 2006年 | ||||
10 | Another Thing to Fall | 2008年 | ||||
11 | The Girl in the Green Raincoat | 2011年 | ||||
12 | Hush, Hush | 2015年 | ||||
- 短編
- Orphans' Court (1999) - 編 "First Cases: Volume 3" 収録
シリーズ外
長編
# | 邦題 | 原題 | 刊行年USA | 刊行年月Japan | 訳者 | Japan 出版社 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | あの日、少女たちは赤ん坊を殺した | Every Secret Thing | 2003年 | 2005年10月 | 吉澤康子 | 早川書房 |
2 | 永遠の三人 | To The Power of Three | 2005年 | 2008年7月 | ||
3 | 女たちの真実 | What the Dead Know (米)Little Sister (英) | 2007年 | 2008年2月 | ||
4 | Life Sentences | 2009年 | ||||
5 | I'd Know You Anywhere (米)Don't Look Back (英) | 2010年 | ||||
6 | The Most Dangerous Thing | 2011年 | ||||
7 | And When She Was Good | 2012年 | ||||
8 | After I'm Gone | 2014年 | ||||
9 | Wilde Lake | 2016年 | ||||
短編集
- 心から愛するただひとりの人 Hardly Knew Her: Stories (2008) 【短編集】
- 野放図な女たち Part 1: Girls Gone Wild
- クラック・コカイン・ダイエット The Crack Cocaine Diet (2005)
- 彼が必要だったもの What He Needed (2002)
- 拝啓 さま(第一稿) Dear Penthouse Forum (A First Draft) (2005)
- ベビーシッターのルール The Babysitter's Code (2005)
- 知らない女 Hardly Knew Her (2007)
- 魔性の女 Femme Fatale (2006)
- 心から愛するただひとりの人 One True Love (2006)
- ほかの街。自分の街ではなく Part 2: Other Cities, Not My Own
- ポニーガール Pony Girl (2007) 「現代ミステリ傑作選 18の罪」収録
- ARMと女 ARM and the Woman (2006)
- ミニバー Honor Bar (2006)
- 不始末の始末 A Good Fuck Spoiled (2006)
- わたしの産んだ子がボルチモアの街を歩く Part 3: My Baby Walks the Streets of Baltimore
- お茶の子さいさい Easy as A-B-C (2006)
- ブラックアイドスーザン Black-Eyed Susan (2006)
- ロパ・ビエハ Ropa Vieja (2001)
- 靴磨き屋の後悔 The Shoeshine Man's Regrets (2004)
- 偶然の探偵 The Accidental Detective
- 野放図な女たち Part 1: Girls Gone Wild
- 女を怒らせると Scratch a Woman
短編
- Like a Charm: A Novel in Voices (2004) - カリン・スローター編アンソロジー集
- Family Man - アンソロジー"Twilight Zone: 19 Original Stories on the 50th Anniversary" 収録
受賞
タイトル | 年 | 賞 | 結果 |
---|---|---|---|
ボルチモア・ブルース | 1998年 | シェイマス賞 新人賞 | |
チャーム・シティ | 1998年 | エドガー賞 ペーパーバック賞 | |
マカヴィティ賞 新人賞 | |||
シェイマス賞 ペーパーバック賞 | |||
アンソニー賞 ペーパーバック賞 | |||
スタンド・アローン | 1998年 | アガサ賞 長編賞 | |
1999年 | マカヴィティ賞 長編賞 | ||
アンソニー賞 ペーパーバック賞 | |||
ビッグ・トラブル | 1999年 | アガサ賞 長編賞 | |
2000年 | アンソニー賞 ペーパーバック賞 | ||
シェイマス賞 ペーパーバック賞 | |||
シュガー・ハウス | 2001年 | ネロ・ウルフ賞 | |
ラスト・プレイス | 2003年 | シェイマス賞 長編賞 | |
あの日、少女たちは赤ん坊を殺した | 2003年 | ハメット賞 | |
2004年 | アンソニー賞 長編賞 | ||
バリー賞 長編賞 | |||
ロスト・ファミリー | 2004年 | アガサ賞 長編賞 | |
2005年 | エドガー賞 長編賞 | ||
アンソニー賞 長編賞 | |||
永遠の三人 | 2006年 | ガムシュー賞 最優秀ミステリ賞 | |
アンソニー賞 長編賞 | |||
No Good Deeds | 2007年 | アンソニー賞 長編賞 | |
女たちの真実 | 2008年 | ゴールド・ダガー賞 | |
マカヴィティ賞 長編賞 | |||
アンソニー賞 長編賞 | |||
バリー賞 長編賞 | |||
ガムシュー賞 最優秀ミステリ賞 | |||
女を怒らせると | 2009年 | マカヴィティ賞 短編賞 | |
I'd Know You Anywhere | 2011年 | エドガー賞 長編賞 | |
アンソニー賞 長編賞 | |||
After I’m Gone | 2015年 | アンソニー賞 長編賞 | |
関連項目
- Tart Noir
- Katy Munger
出典
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/02/15 22:59 UTC (変更履歴)
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