アレックス : ウィキペディア(Wikipedia)

アレックス () は、カプコンの対戦型格闘ゲーム『ストリートファイターIII』シリーズなどに登場する架空の人物。

概要

『ストリートファイターIII』(以下『ストIII』)で初登場。従来の『ストリートファイター』シリーズの主人公であるリュウに代わる、新世代(ニュージェネレーション)の主人公として誕生した。『ストIII』における「New Generation」「You can't escape!」などのサブタイトルやキャッチコピーは、アレックスを象徴するキーワードでもある。

かつて大ヒットした『ストリートファイターII』(以下『ストII』)シリーズの正統な続編として「まったく新しいストリートファイター」を目指して開発されていた『ストIII』では、開発当初、プレイヤーキャラクターにリュウやケンを登場させるつもりはなく、プレイヤーキャラクターは全員新キャラクターを起用する予定だった。その中でもひと目で格闘家とわかる体格のアレックスが主人公だと決まっていたのだが、開発が難航した結果、最終的にはリュウやケンを脇役に設定した上での主人公として登場することとなる。また、元々はベーシックなキャラクターになる予定だったが、事情により別の投げキャラクター(ヒューゴー)が次回作に持ち越されたため、アレックスのイメージが現在のものとなったゲーメストムックVol.75『ストリートファイターIII』P94より。。

なお、アレックスが正式に主人公として設定されているのは『ストIII』シリーズだけであり、それ以降のシリーズ作品の主人公に関しては別キャラクターが設定されている。

キャラクターの設定

アメリカ合衆国出身、ニューヨーク・マンハッタン在住。鍛え抜かれた逞しい肉体を持つ若き格闘家で、レスリングを主体とするパワフルな打撃と投げ技を得意とする『タツノコVS.CAPCOM』キャラクター紹介より。。長く伸ばした金髪と、頭に巻いた赤いバンダナが特徴。

『ストリートファイターIII』1作目(以下『1st』)と『ストリートファイターIII 2nd IMPACT』(以下『2nd』)では、父の親友でトレーナーも務めるトムが金髪の男(ギル)に倒され重傷を負い、その男を追うためにストリートファイトに身を投じることになる。

『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』(以下『3rd』)では(『1st』『2nd』での経験で)ストリートファイトの奥深さに魅せられ、まだ見ぬ強敵たちを求めて再びトムのもとを飛び出してゆく。

物事をはっきり言う性格。そのためそれがトラブルの原因となることも多いが、真面目で格闘に対しても真摯である。年齢は若いが、言動は落ち着いている。大きな体躯から繰り出されるパワフルな投げ技とパンチ力を武器とした格闘スタイルで戦う。とある大会において『ストII』シリーズに登場していたマイク・バイソンをロングフック一撃でKOするなど実力も高いカプコン『シークレットファイル#10』、1997年。

トムとその娘であるパトリシアと3人で暮らしており、パトリシアからは「アレク」の愛称で呼ばれ、彼女のことは「パット」と呼んでいる。また、『CAPCOM FIGHTING Jam』ではデミトリのミッドナイトブリスを受けるとパトリシアの姿に変わることがある。

『ストIII』より前の時代設定となる『ストリートファイターV』(以下『ストV』)ではSeason1の追加キャラクターとして公開されている。ニューヨークステージ「City in chaos」では背景に登場し、車の修理をしている様子が見られ、2ラウンド目以降は車の修理を諦めて試合を観戦している。試合が終了すると楽しそうに拍手をする。なお、「City in chaos」でプレイヤーがアレックスを選択すると背景からアレックスが消えている。

『ストV』のストーリーモードでは、トムの家に暮らしていて、今はトレーラーハウスに暮らしているが住所変更をしていないため招待状などは全てパトリシアが届けてくれている描写がある。ある日、昼食を食べて昼寝をしたアレックスは目を覚ますと謎の研究施設(シャドルー基地)に攫われて、シャドルー実験体222222号とF.A.N.Gに名づけられ「ASシミュレーション」でダン、E.本田、ハカン、バーディー、春麗、リュウのコピーと闘わされる。出口が見当たらない実験室であり、ファイターとの戦いで実験室自体を破壊しようとしたためF.A.N.Gに強制的に返された。その後、「基地での活躍」という名目でラシードの友人の研究員から王冠の形をしたトロフィー(制御キー)を贈られる。

『ストIII』では肩に赤いペイントがあるが、『ストV』では肩にサスペンダーを通したデザインに変更されている。アートディレクターの亀井敏征は、「『ストIII』のペイントは修行時代のサスペンダーの名残りだと解釈してデザインした」と語っている。

ディレクターの中山貴之によると、「『ストV』のデザインメモには年齢は17歳と書いてあったりするが、実際にはもう少し年上」だという。また、オリジナルの『ストIII』のデザインが完璧だったため、『ストV』ではそこから逆算したデザインにしたと語っている。

他キャラクターとの関係

『2nd』のオープニングデモではヒューゴーとライバルキャラクターのように描かれている。対戦前には、身体が密着するほど近付いてにらみ合う演出が入る。

ギルとの対戦後のストーリーである『3rd』では、リュウとの対戦を希望するようになる。

『CAPCOM FIGHTING Jam』のエンディングでは、『ファイナルファイト』シリーズのマイク・ハガーとも対戦している。

『タツノコ VS. CAPCOM』に登場した際は、様々なキャラクターたちと交流し、親交を深めた。エンディングでニューヨークに戻ってきた後も、その実力を見込まれてガッチャマンの敵対組織「ギャラクター」の勧誘を受けている。初めは彼らを相手にしていなかったが、隊員の一人にリュウとその生き方を侮辱されると態度が一変し、相手を殴り倒して戦いを挑んでいる。家庭用版での追加ムービーでは、銃弾の雨の中をかいくぐり「フラッシュチョップ」でバズーカを切り裂くなど、超人的な強さでギャラクターを圧倒する姿を見せる。また、ヤッターマン1号のエンディングでは緑の覆面の「ヤッターマン5号」として登場している(この時は日本語で自己紹介をしている。照れ気味なリュウとは対照的に乗り気な様子だった)。

関係者

トム
ニューヨークでジムを経営するアレックスのトレーナー。軍を退き総合格闘家として活躍していたが、ある事件をきっかけに引退して現在に至る。
『1st』『2nd』のエンディングではギルとのストリートファイトに敗れ、アレックスとパトリシアに看取られている時、アレックスにストリートファイトの世界を見てこいと言い、静かに眠るも、数日後怪我が治った。『3rd』でのエンディングではキャンプの約束を破ってまでリュウとの参戦を望むアレックスの手紙を読み、アレックスにライバルが見つかったことに安心した。
身長は189cm。体重は79kg。血液型はA型。誕生日は7月29日。好きなものはトレーニング、パトリシア、クロワッサン。嫌いなものは排気ガスとネズミ。
パトリシア
声 - 桑原由気(ストV)
トムの一人娘。父であるトムのことは「パパ」と呼んでいる。髪型はオレンジ色のロングヘア。一人称は「わたし」。性格は人懐っこく少しお節介。得意料理はサンドウィッチ。ホラー映画は苦手だがついつい見てしまう。アレックスのことは「アレク」と呼んでいる。ただし、『1st』『2nd』のエンディングでは普通に「アレックス」と呼んでいた。
服装においては『1st』『2nd』のエンディングと『ストV』のストーリーモードではスカイブルーを基調としたワンピースとブーツ、『3rd』のエンディングでは緑色のトップスと白いカーゴショートパンツである。
身長は162cm。体重は「ひみつ」と表記されている。血液型はA型。誕生日は9月14日。好きなものはトムと料理。嫌いなものは怖い話と飛行機。

その他

  • アレックスの登場するステージではテーマ曲に『JAZZY-NYC』が使われることが多い。『1st』では(underground edit)、『2nd』では(NY house mix)、『3rd』では(JAZZY-NYC '99)、そして『タツノコ VS. CAPCOM』でも「JAZZY-NYC」のアレンジバージョンとなっている。
  • 中平正彦の漫画『RYU FINAL』では最終話に登場し、物語を締めくくるキャラクターとして描かれる。
  • 『スーパーストリートファイターIV』で『ストIII』シリーズのキャラクターが登場した際に『ストIII』の主人公であるアレックスについて、プロデューサーの小野義徳に「主人公なのに、出してほしいという声をまったく聞かなくて。やっぱりなと思いました(笑)。まぁ『タツカプ』(『タツノコ VS. カプコン』)で復活できていたからよかったんじゃないかなと」と言及されている新キャラってどんなヤツ!? ワロスコンボまだあるの!? 『スパIV』の小野Pを直撃! - 電撃オンライン
  • 『ストV』の再登場については「北米ではダントツの人気」という理由である週刊ファミ通 2016年1月7・14・21日号、P110「ストリートファイターV 杉山Pがカプコンカップを語る」。

登場作品

担当声優

  • マイケル・サマーズ(『1st』〜『2nd』)
  • パトリック・ギャラガン(『3rd』、『CAPCOM FIGHTING Jam』)
  • 安元洋貴(『タツノコ VS. CAPCOM CROSS GERENRATION HEROES』)
  • 浅沼晋太郎 (『ストリートファイターV』日本語ボイスCAPCOM:STREET FIGHTER V 公式サイト アレックス 2016年9月10日閲覧)
  • マーク・ウィッテン(『ストリートファイターV』英語ボイス)

注釈

出典

参考文献

関連項目

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