佐藤奈々子 : ウィキペディア(Wikipedia)
佐藤 奈々子(さとう ななこ、1955年12月17日 - )は、東京都中野区出身の歌手・写真家。慶應義塾大学文学部卒業。
略歴
叔母が体操の元オリンピック選手で3歳頃より体操を仕込まれる。高校生の時にはインターハイに出場するまでになっていたが、練習中に頭から落ち、一時、記憶が無くなるほどの怪我になり、断念2003年momenインタビューより。
大学在学中に佐野元春と出会い、歌や詩を書くことを教わる。大学主催の女性シンガーソングライターコンテストに出場し、「綱渡り」で最優秀作詞賞受賞。このコンテストを機に1977年6月、佐野との共作によるアルバム『Funny Walkin’(ファニー・ウォーキン)』で日本コロムビアよりデビュー。
1979年までに4枚のソロアルバムをリリースし、ムーンライダーズや加藤和彦などの作品に参加、楽曲提供するなど、活動の幅を広げる。
1980年 岩倉健二・戸田吉則・永田裕らとニュー・ウェイヴ・バンド「SPY(スパイ)」を結成。加藤和彦プロデュースによるアルバム『SPY』をリリース。
その後、多重露光の幻想的な写真を撮るようになり、プロの写真家として広告、雑誌などで活動を始める。Coccoや細野晴臣のCDジャケットなども手掛けた。
1986年 日産海外向けのカレンダー撮影が、世界のカレンダーコンテストで金賞受賞。
1987年より5年間パリに移住。
1993年 帰国後15年ぶりに音楽活動を再開し、アルバム『Fear and loving』をリリース。以後はnanaco名義で活動することが多くなる。
1996年 アルバム『LOVE IS A DRUG』をイギリス、アメリカ、日本でリリース。タイトル曲シングルは、日本人歌手で初めてNMEのシングル・オブ・ウィークに選ばれる。
1998年 イギリスのコクトー・ツインズのレーベルBella UNionより、アルバム『Luminous love in 23』をリリース。
2001年 Mark Bingham(REMでグラミー賞を受賞) のプロデュースにより、アルバム 『Sisiters on the riverbed 』 をリリース。
以後も、日本のみならず世界的に幅広く音楽を発信している。独特のコケティッシュなウィスパー・ヴォイスは、渋谷系の元祖とも言われた。
ピチカート・ファイヴの「Twiggy Twiggy」(作詞・作曲。野宮真貴の1981年のデビューアルバム『ピンクの心』への提供曲)は世界的ヒットとなった。同曲は2014年、セルフカヴァーで配信リリース。息子であるjanがベースを担当、野宮もコーラス参加。
オランダ人の元夫との間に生まれた息子jan(ヤン)は、2012年に活動を再開したGREAT3にベーシストとして正式加入。janはギター・ボーカルのキャリアもあり、しばしば奈々子のバックも務める。
ディスコグラフィー
アルバム
- Funny Walkin'(1977年6月25日、日本コロムビア/BLOW UP、LX-7016)- 1993年10月21日/2006年12月20日再発
- SWEET SWINGIN'(1977年12月25日) - 1995年2月21日再発
- Pillow Talk(1978年10月25日)- 1995年2月21日再発。小坂忠プロデュース
- Kissing Fish(1979年7月25日)- 1995年2月21日再発
- SPY(1980年10月21日)「SPY」名義。-2009年1月18日再発。再発盤は未発表音源を14曲収録した2枚組CD。加藤和彦プロデュース
- 佐藤奈々子(1991年11月21日)ベスト・アルバム
- Tears of ANGEL(1994年5月21日)ベスト・アルバム
- Fear and loving(1995年1月21日)日向敏文プロデュース
- Love is a Drug(UK盤1~6曲目までのミニ・アルバム・1996年6月。日本盤フルアルバム1996年7月24日)「Nanaco」名義。日向大介プロデュース
- Luminus love in 23(UK盤1998年8月、日本盤1999年3月25日)サイモン・レイモンド(コクトー・ツインズ)プロデュース。イギリスでもベラ・ユニオンよりリリースされる。
- sisters on the riverbed(2001年7月25日)マーク・ビンガムプロデュース
- old angel(2013年3月27日)「佐藤奈々子+カメラ=万年筆」名義。
- Golden Remedy(2018年6月20日)「Nanaco + Riki Hidaka」名義。
- Radio Moon and Roses 1979Hz(2022年8月3日)「ムーンライダーズ+佐藤奈々子」名義 - ライブアルバム
シングル
- ストリート・コーナー・ベティ/土曜の夜から日曜の朝へ(LK-36-A 1977年6月)
- フェアウェル・パーティー/イヴの月の下で(LK-61-A 1977年12月)
- ふらりさよなら/フラミンゴの夜(LK-70-A 1978年6月、再発VSEP-81 1996年1月)
- ブラック・ペッパー・ジェラシー/ミスティ・マジック(LK-85-A 1978年10月)
- ファースト・クラス・ハネムーン/ダディズキッス(VIHX-1520 1980年10月21日)※SPY名義
- Love is a Drug(UK盤1996年3月)※以降nanaco名義
- 1.Love Is A Drug (Album Version)/2.Love Is A Drug (Hyper Mix) /3.Woodstock
- Lick Your Footsteps to Clean My Room(UK盤1998年)
- 1.Lick Your Footsteps To Clean My Room (Edit) / 2.Luminous Love Trance (Jonjo Mix)/ 3.Lick Your Footsteps To Clean My Room (Mitsuo 'Jean-Michel' Tate Mix) / 4.Red Crystal (Bombay Mix)
- Twiggy Twiggy(配信限定シングル 2014年10月15日)※長田進プロデュースのセルフ・カヴァー
参加作品
- 加藤和彦『パパ・ヘミングウェイ』(1979年)
- レイジーガール(コーラス)
- ムーンライダーズ『MODERN MUSIC』(1979年)
- バーレスク(コーラス)
- 加藤和彦『うたかたのオペラ』(1980年)
- ルムバ・アメリカン/ラジオ・キャバレー/ケスラー博士の忙しい週末/ソフィーのプレリュード(コーラスとサイドヴォーカル)
- ムーンライダーズ『カメラ=万年筆』(1980年)
- 幕間(作詞・作曲・歌)
- ハルメンズ『ハルメンズの20世紀』(1981年)
- 趣味の時代(歌)
- 大瀧詠一『NIAGARA CM SPECIAL Vol.2』(1982年)
- レモンのキッス(歌)※1980年サントリー・レモンCM未発表曲。CMでは同曲アパッチ版を採用。
- オムニバス『ウッドストック・ブリーダーズ』(1994年)
- ウッドストック(歌)
- オムニバス『BORDER - A Tribute to Motoharu Sano -』(1996年)
- 99ブルース(歌)※自らが発案者となった、佐野元春トリビュートアルバム。
- オムニバス『Sweeter than suite Compilation』(1996年)
- フラワーズ・オブ・ヘル(歌)
- オムニバス『かしぶち哲郎トリビュート・アルバム~ハバロフスクを訪ねて』(2014年)
- トラベシア(歌)
- オムニバス Studio Mule『BGM』(2019年)※Studio Muleによる日本のシティ・ポップ、ニュー・ウェイヴの名作カヴァー・アルバム
楽曲提供
- ムーンライダーズ『MODERN MUSIC』(1979年)
- 鬼火(作詞 鈴木慶一との共作)
- 高見知佳『ペーパームーンに腰かけて』(1979年)
- チープ・ショット(作詞・作曲)
- 中村雅俊『Shy Guy Masatoshi』(1979年)
- Better Days Love (作詞・作曲)
- スーザン(1980年)
- 24,000回のキッス(作詞)
- 桑江知子『Mr.Cool』(1980年)
- Mr.Cool(作詞)
- 野宮真貴『ピンクの心』(1981年)
- 17才の口紅/ツイッギー・ツイッギー/絵本の中のクリスマス(全て作詞・作曲)
- ムーンライダーズ『MANIA MANIERA』(1981年)
- Kのトランク(作詞・コーラス)/檸檬の季節 (作詞)
- 杏里『哀しみの孔雀』(1981年)
- 異国の出来事/FACE FACE FACE/セシルカット/リビエラからの手紙/シルエット・オブ・ロマンス/哀しみの孔雀(すべて作詞)
- PANTA『KISS』(1981年)
- 涙にさようなら/ラジオと貝殻/霧の中の恋人たち /裸足のボニータ/真夜中のパーキング・ロット/想い出のラブ・ソング(すべて作詞)
- PANTA(1982年)
- 見知らぬ男の肖像(作詞)
- 大森隆志『真夜中のギター・ボーイ』(1982年)
- グッドバイ・ハードボイルド (作詞)
- 小森みちこ『リメンバー』(1983年)
- ひとり遊び(作詞)/昼顔(作詞)
- JUST A GIGOLO(作詞・作曲)
- 渡辺未央『MIO』(1995年)
- 2人だけの秘密(作詞・作曲)/イカルスの影(作詞)
- 渡辺未央『クレイジー・ラヴ』(1996年)
- クレイジー・ラヴ (作詞・作曲)/アイ・ラヴ・ユー、ボーイ(作詞 渡辺未央との共作)
- Dr.StrangeLove『WayOut』(1995年)
- Naked Voice (作詞)
- Dr.StrangeLove『Escape』(1997年)
- Angel's Rock(作詞)
- Dr.StrangeLove『THE RIVER OF BLUE BLOOD』(2004年)
- Burning spear(作詞)/The sky is too blue to make me cry over you(作詞)/ESCAPE2004(作詞 長田進との共作)/The apple tree song(作詞)
TV出演
- 洋楽倶楽部 カーペンターズ ゼン&ナウ(2019年3月31日、NHK BSプレミアム) - 案内人
CM出演
- 日立製作所「パディスコ(ラジカセ)」(1978年)
- ヘーベルハウス ヘーベル君の声「ハ~イ!!」を担当。
写真集
- 石田えり写真集-勝手に、TOO LATE(集英社 1984年3月)
- The Bird (河出書房新社 2004年4月)7曲入CD+写真集
- 光の旅ー釈迦如来MANDALA(NHK出版 2006年9月)
- 8・15OKINAWA Cocco(NHK出版 2006年12月)
- 大丈夫であるように-Cocco 終らない旅(ポプラ社 2008年12月)
その他
- 具島直子『miss.G』() - アルバム・ジャケット写真
関連項目
出典
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/03/20 10:50 UTC (変更履歴)
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