羽田圭介 : ウィキペディア(Wikipedia)
羽田 圭介(はだ けいすけ、1985年10月19日 - )は、日本の小説家。東京都生まれ。明治大学商学部卒業。
経歴
幼少時に交通事故に遭い自動車に轢かれたが、奇跡的に命が助かったという経験を持つ。高校時代は毎日放課後に40km、自転車で走りトレーニングをしていた。自転車で北海道まで走破したこともある。将来の夢として自転車の実業団選手を目指しており、ツール・ド・フランスに出場する事を真剣に考えていた『ダ・ヴィンチ』2004年12月号より。
明治大学付属明治高等学校在学中の2003年、高校生と中学生の兄弟が憎み合い、「家庭内ストーキング」を繰り返すさまを独特の表現で描いた「黒冷水」で第40回文藝賞を受賞。17歳での文藝賞受賞は堀田あけみ、綿矢りさと並んで当時3人目で、当時最年少だった。
その後は明治大学に進学し、アナウンサー研究会に入る。2006年、「不思議の国のペニス」を『文藝』に発表。2008年同誌に「走ル」を発表、芥川賞候補作となる。大学卒業後は一般企業に就職するが、1年半で退職し専業作家となる。
2010年、第4作「ミート・ザ・ビート」で第142回芥川賞候補。2012年、「ワタクシハ」で第33回野間文芸新人賞候補。2013年、「盗まれた顔」で第16回大藪春彦賞候補。2014年、「メタモルフォシス」で第151回芥川賞候補、第36回野間文芸新人賞候補。
2015年、「スクラップ・アンド・ビルド」で第153回芥川賞を受賞。お笑い芸人の又吉直樹の小説『火花』との同時受賞や本人のキャラクターが話題となり、その後はテレビ番組などマスコミへの出演が激増。2017年にはNHK新春スペシャルドラマ『富士ファミリー2017』に出演し、俳優デビューも果たした。
2018年、自身のYouTubeチャンネルを開設。YouTuberとしても活動しており、デビュー作『黒冷水』の朗読動画、他の作家の作品のレビュー動画、オートバイでのツーリング動画など、様々な動画を配信している。
2020年12月21日、女優の中神円(なかがみ えん)との結婚が報じられる。
人物
- TBSラジオ『コサキンDEワァオ!』(小堺一機・関根勤)のヘビーリスナーである。『王様のブランチ』内の本のコーナーにおいて、スタジオにいる関根にコサキン本を披露した。以後、何度か同番組内でハガキを読まれているTBSラジオ編 『コサキンの中二の放課後』 興陽館、2005年8月5日、282頁「コサキン年表」2003年12月3日。デビュー作『黒冷水』の冒頭にも「コサカイさん」の名前が登場する。
- 明治大学在学中に、当時TBSで放送されていた「爆笑問題のバク天!」のコーナーに動画を投稿して採用され、5回ほどオンエアされた経験もある。なお、この時期にはすでに作家活動を行っていたが、動画を投稿する際には作家という経歴は出さず「埼玉県、羽田圭介」と名前だけで出していたという。
- 久保田利伸、CHEMISTRY、山下達郎の大ファンである『月刊ソングス』2007年12月号より。
- 2004年に大学近くのレコード店で偶然CDを購入して以来、聖飢魔IIの信者(ファン)となり、2015年には芥川賞受賞の連絡を待つ間も、銀座のカラオケボックスで先輩の芥川賞作家・長嶋有と悪魔メイクでカラオケを楽しんでいた。受賞会見では「受賞したら聖飢魔IIの『WINNER!』を歌おうと決めていた。X JAPANやオジー・オズボーンを歌って疲れてきて、ちょうど誰も歌っていないときに電話が鳴りました」と語っている。同年10月19日の30歳の誕生日には聖飢魔IIの地球デビュー30周年記念ツアー東京公演に招待され悪魔メークでデーモン閣下らと対面し、メンバーからケーキで祝福された。
作品リスト
単行本
- 黒冷水(2003年11月 河出書房新社 / 2005年11月 河出文庫) - 初出:『文藝』2003年冬季号
- 不思議の国のペニス(2006年10月 河出書房新社 ) - 初出:『文藝』2006年夏季号
- 【改題】不思議の国の男子(2011年4月 河出文庫)
- 走ル(2008年3月 河出書房新社 / 2010年11月 河出文庫) - 初出:『文藝』2008年春季号
- ミート・ザ・ビート(2010年2月 文藝春秋 / 2015年9月 文春文庫)
- 「ミート・ザ・ビート」 - 初出:『文學界』2009年12月号
- 「一丁目一番地」 - 書き下ろし
- 御不浄バトル(2010年7月 集英社 / 2015年10月 集英社文庫)
- 「御不浄バトル」 - 初出:『すばる』2010年3月号
- 「荒野のサクセス」(「黒くなりゆく」改題) - 初出:『すばる』2010年5月号
- 「ワタクシハ」(2011年1月 講談社 / 2013年1月 講談社文庫)
- 隠し事(2012年1月 河出書房新社 / 2016年2月 河出文庫) - 初出:『文藝』2011年冬季号
- 盗まれた顔(2012年10月 幻冬舎 / 2014年10月 幻冬舎文庫)
- メタモルフォシス(2014年7月 新潮社 / 2015年11月 新潮文庫)
- 「メタモルフォシス」 - 初出:『新潮』2014年6月
- 「トーキョーの調教」 - 初出:『新潮』2013年9月号
- スクラップ・アンド・ビルド(2015年8月 文藝春秋 / 2018年5月 文春文庫) - 初出:『文學界』2015年3月号
- コンテクスト・オブ・ザ・デッド(2016年11月 講談社 / 2018年11月 講談社文庫)
- 成功者K(2017年3月 河出書房新社 / 2022年4月 河出文庫)
- 5時過ぎランチ(2018年4月 実業之日本社 / 2021年10月 実業之日本社文庫)
- ポルシェ太郎(2019年4月 河出書房新社) - 初出:『文藝』2018年秋季号、冬季号
- 羽田圭介、クルマを買う。(2019年7月 集英社) - 雑誌『週刊プレイボーイ』で2017年から続く連載の単行本化。自家用車購入のため、数十台もの車の試乗を繰り返すドキュメンタリー・エッセイ。
- Phantom(2021年7月 文藝春秋 / 2024年9月 文春文庫)
- 滅私(2021年11月 新潮社 / 2024年7月 新潮文庫) - 初出:『新潮』2020年9月号
- 三十代の初体験(2021年11月 主婦と生活社)
- タブー・トラック(2024年8月 講談社) - 初出:『群像』2023年3月号 - 11月号
アンソロジー
- 村上春樹への12のオマージュ いまのあなたへ(2014年5月 NHK出版)「みせない」
- 20の短編小説(2016年1月 朝日文庫)「ウエノモノ」(初出:『小説トリッパー』2015年夏季号)
- 1と0と加藤シゲアキ 競作企画「渋谷と○○」(2022年9月 KADOKAWA)「渋谷と彼の地」
単行本未収録作品
小説
- 「グリーンゾーン」(『紡』 Vol.7 2013年2月 実業之日本社)
- 「飢える虚像」(『紡』 Vol.9 2013年8月 実業之日本社)
- 「テキサスの風」(『群像』2010年4月号 講談社)
- 「迂回」(『文學界』 2015年8月号 文藝春秋)
- 「成功者Kのペニスオークション」(『文學界』 2015年9月号 文藝春秋)
- 「〇.〇〇…」(2016年夏・サントリー「オールフリー」キャンペーン用)芥川賞作家・羽田圭介の新作オリジナル小説、全3編が“絶対もらえる”!? 。対象商品の「オールフリー」にちなんで「ダイエット」がテーマになっている note、2016年12月2016年夏 サントリー社オールフリーキャンペーンで書いたオリジナル小説 note掲載
- 「シリコンの季節」(note、2017年12月 )Web小説サイト『note』掲載
- 「厳しさ」(『父の日スペシャル「RÉMY MARTIN XO × 直木賞作家 羽田圭介」コラボレーションスペシャル企画!』2019年5月28日からWebで公開)RÉMY MARTIN XO 期間限定 ここでしか読めない直木賞作家 羽田圭介、描き下ろし短編小説を公開 レミーマルタン
エッセイ
- 「私のたからもの」(『月刊 J-novel』2011年6月号、実業之日本社)
- 「読み取り強要」(『文學界』2014年8月号、文藝春秋)
- 「AgeX」(『月刊 J-novel』2015年12月号、実業之日本社)
- 「プロムナード」全24話(『日本経済新聞』夕刊、2016年1月 - 6月)プロムナード note掲載
- 「私の東京物語」全10話(『東京新聞』朝刊、2016年3月17日 - 3月30日)私の東京物語 note掲載
- 「羽田圭介 三十一歳の初体験」(『週刊女性』2017年4月24日 - )羽田圭介、本人がやってみたい物事に体当たり初体験する連載エッセイ。年齢を重ねる毎にタイトルも変化、現時点(2019年8月)のタイトルは「羽田圭介 三十三歳の初体験」 主婦の友社
- 「羽田圭介の首都高ライフ」(フリーペーパー『首都高じゃらん』2019年6月10日 - )首都高NEWS - 羽田圭介の首都高ライフ 首都高速道路株式会社
鼎談
出演
バラエティ番組
- 『真夜中のニャーゴ』(2015年4月1日 - 2017年3月31日、フジテレビ系ホウドウキョク) - 準レギュラー
- 『タイプライターズ〜物書きの世界〜』(2015年9月26日ゲストとして出演。・2018年4月7日 - 、フジテレビ・BSフジ) - レギュラー
- 『ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z』(2017年3月25日 - 2022年8月20日、テレビ東京) - レギュラー
- 『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(2017年4月 - 2020年3月28日、朝日放送テレビ) - 週替わりレギュラー月1回程度出演。
- 『水バラ』 ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅(2021年12月29日、テレビ東京) - 河合郁人チーム
- 『開運!なんでも鑑定団』(2023年1月10日、テレビ東京) - 出張コメンテーター
- 『水バラ』 1歩1円!ウォー金グ対決旅(2023年1月10日・5月17日、テレビ東京) - バス旅Zチーム
テレビドラマ
- 『富士ファミリー2017』(2017年1月3日、NHK総合) - テッシン 役
ラジオ
- 『羽田圭介のオールナイトニッポンGOLD』(2015年10月16日、ニッポン放送)
- 『吉田照美 飛べ!サルバドール』(2017年1月5日、文化放送) ※パーソナリティ・吉田照美年始休暇時の代行パーソナリティ
- 『ACTION』(2019年4月4日 - 2020年9月24日、TBSラジオ) ※木曜パーソナリティ
CM
- Android「声で自由に」編 (2015年、Google)
ミュージカル
- 『スコア!』(2017年8月17日 - 20日、全7公演、三越劇場) - ルート(アルゴの父) 役
コンサート
- K & K concert『オモコン』(2017年12月6日、山野学苑 27階)出演:羽田圭介(ボーカル)、池谷京子(ボーカル)、塩谷翔(ピアノ)
メディア・ミックス
- テレビドラマ
- 『スクラップ・アンド・ビルド』番組エピソード 主人公に励まされ、応援したくなる【挑戦ドラマ特集】 -NHKアーカイブス(2016年12月17日、NHK総合、主演:柄本佑)
コラム連載
- 「作家・羽田圭介 資産運用で五億円の豪邸を買う。」(週刊プレイボーイ、集英社)
注釈
出典
外部リンク
- 羽田圭介 公式サイト
- 羽田圭介(@keisukehada) - note
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/10/10 14:05 UTC (変更履歴)
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