ニッキー・ミナージュ : ウィキペディア(Wikipedia)
ニッキー・ミナージュ()ことオニーカ・タニア・マラージ=ペティー(Onika Tanya Maraj-Petty、1982年12月8日 - )は、トリニダード・トバゴ生まれラッパーおよびシンガーソングライターStarbury, Allen (2009) "Nicki Minaj Wants Fans To Focus On Her Music, Not Her Sexy Image", BallerStatus, May 21, 2009。2009年8月にリパブリック・レコードのヤング・マネー・エンターテインメントと契約。初期の経歴で、3つのミックステープ『プレイタイム・イズ・オーヴァー』『サッカ・フリー』『ビーム・ミー・アップ・スコッティ』を発売。ミックステープ発売後、アメリカのラッパー仲間リル・ウェインに見出され、ヤング・マネー・エンターテインメントと契約。
契約後、デビューアルバムの制作を開始し、『ピンク・フライデー』として2010年に発売、Billboard 200で初登場2位を記録http://www.billboard.com/artist/nicki-minaj/chart-history/998160?f=305&g=Albums#/artist/nicki-minaj/chart-history/998160?f=305&g=Albums。米国でプラチナ認定を受けた。Billboard Hot 100で、自身が参加した7曲が同時にチャート入りするという記録を打ち立てた。2枚目のシングル「ユア・ラヴ」はBillboardホット・ラップ・ソングチャートで首位を獲得。これにより、2002年以降で単独でチャート首位を獲得した初の女性ラッパーとなった。デビュー・アルバム『ピンク・フライデー』発売後、MTVが発表する「今年のホットなMCリスト」に6位となり、女性アーティストとして初めて選出されたhttp://www.mtv.com/specials/hottest/mc/index.jhtml。
生い立ち
1982年、トリニダード・トバゴセントジェームスでオニーカ・タニア・マラージとして生まれた。弟と兄がいる。両親はインド系とアフリカ系であるMcGarry, Kevin (2009) "The New Queen Bee | Meet Nicki Minaj", New York Times, June 4, 2009。両親がニューヨーク市クイーンズで住居を探す間、ミナージュは祖母とセントジェームスで暮らしており、母親は時折セントジェームスの家を訪れた。ミナージュが5歳の時にクイーンズに移り住む。
ミナージュの話によると彼女の父親は酒や薬物を飲んでは暴れて、過去に自宅に火をつけてミナージュの母を殺そうとしたことがあった。エリザベス・ブラックウェル中学校210に通いクラリネットを演奏し、ラガーディア高校卒業。ラガーディア高校は音楽や公演美術などを学べる学校で、ミナージュは演劇を専攻している。かつてブロンクスのレッドロブスターに勤めていた。
ミナージュの父親は2021年2月12日にニューヨーク州内にてひき逃げ事故に遭い、病院に搬送されたが翌13日に死亡。後日、犯人は逮捕された。
音楽活動
2004年 - 2009年:初期のキャリアとミックステープ
ミナージュが制作したミックステープの幾つかが音楽雑誌『XXL』で取り上げられた"FEATURE: Nicki Minaj:Climax", XXL, November 24, 2008。2008年にアンダーグラウンド・ミュージック・アワードで女性アーティスト・オブ・ザ・イヤー賞を受賞し"Nicki Minaj – Beware Sucka MCs", HipHopRuckus, August 28, 2008、2009年4月にミックステープ『ビーム・ミー・アップ・スコッティ』を発表したReid, Shaheem (2009) "Lil Wayne Introduces Nicki Minaj", MTV, May 4, 2009"SoundOff TV: One On One With LowKey & Nicki Minaj", BET, May 1, 2009。
2009年 - 現在:コラボレーションと『ピンク・フライデー』
2010年4月13日、最初のシングル『マッシブ・アタック』を発表した。アレックス・ダ・キッドと共に制作されたこのシングルはショーン・ギャレットをフィーチャリングしている。シングルのミュージック・ビデオはハイプ・ウィリアムスが監督を務め、同年3月26日にカリフォルニア州ランカスター近くの砂漠で撮影が行われた。ギャレットが主演し、モデルのアンバー・ローズがカメオ出演したビデオはBET's & パーク上で初公開された。シングルはアメリカのバブリング・ホット100で最高22位、ホットR&B/ヒップホップソングチャートで65位を記録したが決して成功したとは言えなかったものの、曲自体は流行った。このシングルはミナージュのデビューアルバムには収録されていないNICKI MINAJ, Minaj Live USTREAM (July 29, 2009) Retrieved August 21, 2010。
次にデビューアルバムからの最初のシングルとして『ユア・ラブ』を発表した。ミックステープ『バービー・ワールド』のバージョンが漏らされ、それがラジオで多くのエアプレーがされた後の発売だった。シングルはBillboard Hot 100で最高14位、ホットR&B/ヒップホップチャートで7位、ラップソングチャートで1位を獲得するなど、彼女のこれまでで最も成功したシングルにとなる。また、2002年以来、ソロでチャートの1位を獲得した女性ラッパーになった。リル・Xが監督を務めたシングルのミュージックビデオは7月4日に撮影され、7月21日に初公開された。
デビューアルバムからの2枚目のシングル『ライト・スルー・ミー』はアルバム発売日近くに発表される。ミナージュは自身のTwitterでデビュー・アルバム『ピンク・フライデー』が2010年11月23日に発売されると発表した。
2010年10月、Billboard Hot 100に『ライト・スルー・ミー』『ユア・ラブ』『チェック・イット・アウト』を含む7曲が同時にチャート入りし、同チャートの同時チャートイン最多記録を打ち立てた。
2011年、リリースしたシングル『Super Bass』がBillboard Hot 100で3位を記録。
2019年6月、シングル『メガトロン』を発表。続いて5枚目となる新作アルバムを制作することが伝えられていたが、9月5日に家庭に専念するとして引退を宣言する。その際にファンに対して「私が死ぬまで応援し続けてほしい」、「皆を一生愛している」と呼び掛けたが、翌日には「唐突すぎた」と引退宣言を撤回した。
2020年5月、ドージャ・キャットの楽曲『セイ・ソー』のリミックスバージョンで客演として迎えられ、Billboard Hot 100で初の1位を獲得した。同年6月には6ix9ineとのコラボレーション楽曲『トロールズ』をリリースし、Billboard Hot 100で初登場1位を獲得した。
音楽性とイメージ
イメージ
雑誌『バイブ』でのインタビューで、自身の性的なイメージについて「私は成長していく中で、女性があることをしているのを見たの。そして、私も同じことをしなければならないと思った。私の時代の女性ラッパーはよくセックスについて歌っていたの。彼女たちがそれで成功したから、私も同じことを歌わなきゃいけないと思っていた。でも実際、私はそんなことしなくてもよかったの」と語った。雑誌『インタビュー』とのインタビューで、再び自分の性的なイメージについて語り、「私は性的魅力を意識的に弱くすることで、みんな、特に若い女の子たちに、人生ではセックスアピールがすべてじゃないって知ってもらいたいの。他にも何かがなくてはいけないのよ」と述べた。 奇抜な衣装や髪型が持ち味だが、その装いがしばしばレディー・ガガに似ていると指摘されることがある。しかし本人はあくまで否定している。ABCテレビの「Nightline」のインタビュー内で、レディー・ガガと比較されることについて「もうくたびれる。私はラッパーだし、クィーンズ出身。ガガは素晴らしいアーティストだが、路線が一致することはない」と述べている。
豊満なヒップ
豊満なヒップに定評があり、2015年頃の記事では「空前の巨尻ブームの火付け役」と紹介された破天荒プリンセス ニッキー・ミナージュの大変貌 GO JAPAN 2015年3月16日 (2024年10月26日閲覧)。
分身
ミナージュはいつも両親のトラブルや闘争に巻き込まれることが多く、そういった実生活の問題から逃れる為に自分とは違うキャラクターを作って新しい生活を送ろうとした。雑誌『ニューヨーク』とのインタビューにおいて、「親の問題から逃れるために、私は新しい自分を想像するの。“クッキー”というのが、最初のアイディアだった。次に“原宿バービー”、そして“ニッキー・ミナージュ”という順にキャラクターを作った。ファンタジーは私の現実だった。私はそんな感じのうっとうしい少女だった」と述べた。
彼女はデビューアルバムの為に「ローマン・ゾランスキ」という新たな分身を作った。トレイ・ソングスの『ボトムズ・アップ』の様な曲でラップを歌っているのはローマンで、ローマンは「双子の姉妹」であると主張した。ローマンはエミネムの分身「スリム・シェイディ」と比較された。デビューアルバム『ピンク・フライデー』に収録されている「ロマンズ・リヴェンジ」で、2人はそれぞれの分身を利用して、共同で楽曲を制作した。ローマンには「マーサ・ゾランスキ」という「母」がおりhttp://blogstodiefor.com/2011/01/nicki-minaj-turns-heads-in-london/vodpod.com/.../5073722-nicki-introduces-the-world-to-roman-martha-and- rosa、同アルバムからの曲「モーメント4ライフ」のミュージックビデオで、デビューを果たした。『オール・アイ・ドゥ・イズ・ウィン(リミックス)』の様な曲で歌っているのはニッキーであると述べている。ミナージュはデビューアルバムと当時に彼女のファンがニッキー、ローマン、オニカと「会う」ことになるだろうと語った。
2010年11月18日に、ニューヨーク市のガーデン・オブ・ドリーム・ファンデーションを訪問した際は、「ファンのための治療者」として「ニッキー・テレサ」という分身を装ったhttp://www.rap-up.com/2010/11/18/nicki-minaj-has-healing-powers/。同年12月16日放送回のトーク番組『ロペス・トゥナイト』に出演した際に、スペインでの出来事に感化されて作った「ローザ(綴りは"Rrrrrosa")」という分身を紹介したhttp://www.rap-up.com/2010/12/06/nicki-minaj-introduces-new-alter-ego/。
影響
自身の音楽性に大きな影響を与えた人物としてリル・ウェイン、ローリン・ヒル、ジェイダキス、ナターシャ・ベディングフィールド、フォクシー・ブラウン、リル・キム、モニカの名前を挙げている。
私生活
ミナージュの歌とインタビューには自身が両性愛者であるという含意があると批評された。ミナージュは自分は女性と交際しないし、性交渉もしないと述べた。しかし同性愛専門誌『アウト』のインタビューで「私は男性ともデートしない」と答えている。雑誌『バイブ』のインタビューでは「私はすべての人の生き方を認めているの。誰も悪人だとは言わない。それと、私は女の子たちは美しくて、セクシーだと思う。それを彼女らは言われないといけない。もしそう言う人が誰もいないのなら、私が伝えるつもりよ。みんなは私をこうだと決めつけたがるけど、私はそれがいやなの」と語った。『アウト』のインタビューでも決めつけられることへの嫌悪を繰り返し語り、「重要なのは、誰もが白や黒ではないということ。その間にはとてもたくさんの色があるわ。貴方は彼らがいつそれを言いたいのか、言うことを望んでいるのか、言うのに適した環境であるかを感じなきゃいけない」と述べた。
雑誌『ディテイルズ』2010年5月号のインタビューにおいて、「ヒップホップが同性愛者によりフレンドリーになっていると感じるか」と尋ねられた際に「私は世界がよりゲイ・フレンドリーになってきていると思う。ヒップホップもそうだと思う。しかし、好意的に受け入れられたオープンな同性愛者の男性ラッパーを想像するのは難しいわ。人々は男性の同性愛者には先進性がないって言う。でも私の生きている間には、そういった人が現れると思うわ」と答えた。
ラガーディア高校在学中の18歳当時、1歳年上の先輩と付き合っていた時に妊娠したが、当時の状況でやむなく中絶した。ミナージュはこの時のことを「人生で最も辛いことだった」と語っている。
2015年4月16日に同じくラッパーのミーク・ミルと婚約をしたNicki Minaj Confirms Engagement to Meek Mill With Pic of Giant Heart-Shaped Ring—All the Details on Her 15-Carat Diamond! msn 。
左腕に「上帝與你常在」と中国語(繁体字)のタトゥーを彫っている。意味は「God is always with you」(神はいつでもあなたのそばに)。
ディスコグラフィ
スタジオ・アルバム
- Pink Friday(2010年)
- (2012年)
- The Pinkprint(2014年)
- Queen (2018年)
- Pink Friday 2 (2023年)
受賞とノミネート
- 2008年 アンダーグラウンド・ミュージック・アワード
- 女性アーティスト・オブ・ザ・イヤー(受賞)
- 2010年 BETアワード
- 優秀女性ヒップホップアーティスト(受賞)
- 優秀新人賞(受賞)
- 優秀グループ(ヤング・マネー) - (受賞)
- 優秀新人賞(ヤング・マネー) - (ノミネート)
- 視聴者賞:『ベッドロック』(ヤング・マネー feat. ロイド) (ノミネート)
- 2010年 ティーン・チョイス・アワード
- ブレイクアーティスト - 女性(ノミネート)
- 2010年 MTV Video Music Awards
- 優秀新人賞: 『マッシブ・アタック』(feat. ショーン・ギャレット) (ノミネート)
- 2010年 BETヒップホップ・アワード
- 新人賞(受賞)
- ファッション賞(受賞)
- 視聴者賞(受賞)
- 年間ハスラー賞(ノミネート
- 年間作詞賞(ノミネート)
- 2010年 MOBOアワード
- 優秀国際アクト(ノミネート)
- 2012年グラミー賞
- 最優秀新人賞(ノミネート)
- 2015年MTV Video Music Awards
- 最優秀ヒップホップ・ビデオ賞 - 「アナコンダ」
- 2015年MTVヨーロッパ・ミュージック・アワード
- 最優秀ヒップホップ賞
ツアー
- Pink Friday Tour (2011–2012)
- Pink Friday: Reloaded Tour (2012)
- The Pinkprint Tour (2015–2016)
- Pink Friday 2 World Tour (2024)
関連項目
出典
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/11/13 15:34 UTC (変更履歴)
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