エルンスト・シュレーダー : ウィキペディア(Wikipedia)

フリードリヒ・ヴィルヘルム・カール・エルンスト・シュレーダー(、、 - )は、ドイツの数学者。主に分野で活躍した。数理論理学史における重要人物であり、ブールや、ド・モルガン、、パースの作品の要約と拡張に貢献した。シュレーダーの3巻から成る不朽の書籍 Vorlesungen über die Algebra der Logik{{Efn|日本語訳は『論理代数学講義』、『論理の代数講義』、『論理の代数学講義』、『論理の代数学の講義』など。}}(1890 - 1905)では、今日の形式論理学の様々な体系を整えることによって、20世紀の時代に数理論理学を独立の分野として体現させる基底を築いた。

経歴

オットー・ヘッセ、グスタフ・キルヒホフ、フランツ・ノイマンらの下に、ハイデルベルク大学、ケーニヒスベルク大学で学んだ。数年間を教育活動に費やし、1874年にダルムシュタット工科大学に移動した。2年後、カールスルーエ工科大学の数学科に職を得て、晩年をここで過ごした。生涯、結婚することがなかった。

功績

シュレーダーの形式代数学と形式論理学における初期の作品は、ジョージ・ブールとオーガスタス・ド・モルガンの作品を知らずに書かれたものであった。代わりに、オームやハンケル、ヘルマン・グラスマン、らの作品を参照していた。その後、チャールズ・サンダース・パースの包摂や量化などの概念を自身の論文に加えた。

シュレーダーは代数学、集合論、束論"The Algebra of Logic Tradition". Stanford Encyclopedia of Philosophy.、順序集合と順序数の分野にも貢献している。1898年、ベルンシュタインの定理(カントール–ベルンシュタイン–シュレーダーの定理)を発見したが、シュレーダーの証明には誤りがあった。その後、が博士論文にて正しい証明を発表した。

は、代数学と論理学におけるブールのアイデアを簡潔に紹介している。 この論文によって、ブールの作品がヨーロッパ大陸中に広まった。シュレーダーはグラスマン兄弟、とりわけの Formenlehre に影響を受けていた。また、ブールと違って、シュレーダーはを十分に評価していた。ジョン・ベンとはシュレーダーのこの短い書籍を細かく引用している。パースはジョンズ・ホプキンズ大学の講義にシュレーダーのこの著作を使用した。

1890年から1905年までに執筆された、3巻からなる連作 Vorlesungen über die Algebra der Logik は、シュレーダーが自費で出版を賄った。19世紀末までのの歴史を包括的かつ学術的に調査して、20世紀に数理論理学が独立の分野として現れる際に大きな影響を与えた。関係の合成を積として捉え、ブール代数を関係の計算へと発展させた。

Vorlesungen は作品として非常に長大であり、その一部が英語に訳されている。 には Vorlesungen 全体の議論とともに掲載されている。

影響

述語論理の初期の発展におけるシュレーダーの影響は、主にパースの量化の作品によって広められ、フレーゲやペアノらの作品ほどの大きさを誇った。『プリンキピア・マテマティカ』に普及した関係性の概念は Vorlesungen に多大な影響を受けた。 Vorlesungen は『プリンキピア』の序文や、バートランド・ラッセルのに引用されている。

フレーゲは、シュレーダーの研究を見逃し、その後の歴史的議論では、フレーゲを先駆者とする意見が優勢となった。

著作

  • 、1966年に、Chelsea、2000年に Thoemmes Press が再販している。
    • Vorlesungen über die Algebra der Logik (Exakte Logik), Volume 1,
    • Vorlesungen über die Algebra der Logik (Exakte Logik), Volume 2, Abt. 1
    • Vorlesungen über die Algebra der Logik (Exakte Logik), Volume 2, Abt. 2
    • Algebra und Logik der Relative, der Vorlesungen über die Algebra der Logik 3, Volume 3, Abt. 1

訳書

注釈

出典

参考文献

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2025/06/12 14:13 UTC (変更履歴
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