上田信 : ウィキペディア(Wikipedia)
上田 信(うえだ まこと、1957年9月28日『現代日本人名録』2002年- )は、日本の歴史学者、立教大学文学部教授。専門は中国史・アジア社会論。東京都出身。
中国史の領域では、主に明清時代(西暦14~19世紀)を研究、アジア社会論の領域では、ワールドミュージックなどの視点からアジアをどのように見るべきか、などの論議を展開している。
略歴
東京都に生まれる。1980年 東京大学文学部東洋史学科を卒業。1982年 同大学大学院人文科学研究科東洋史学専攻修士課程修了、東京大学東洋文化研究所助手(-1987年)。1983 - 85年 中国・南京大学に留学。1989年立教大学文学部史学科専任講師。1990年助教授。1997年教授。
人物
- 一般に「七三一部隊細菌戦被害国家賠償請求訴訟」と呼ばれる10年間にも渡った裁判は、2007年5月9日に終わり、訴訟は原告側の敗訴で幕を閉じた。この裁判において、上田教授は被害を受けた地域の社会(主に中国浙江省義烏市崇山村)を入念に現地調査し、原告側の証人として鑑定書を作成し、2000年11月15日には東京地方裁判所において証言を行い、細菌兵器使用・細菌人体実験といった日本軍の戦争犯罪が中国の現地社会、特に浙江省義烏市崇山村などに与えた悪影響を強く訴えたという。
- NHK高校講座の世界史講座のゲスト講師の1人[https://www.nhk.or.jp/kokokoza/library/tv/sekaishi/intro.html [注釈2]][https://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/sekaishi/archive/chapter014.html [注釈3]][https://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2019-11-29&ch=31&eid=13663&f=3075 [注釈4]][https://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/sekaishi/archive/resume017.html [注釈5]]であり、主に中国史とモンゴル史を担当。
- 同姓同名の著名な人物にイラストレーターの上田信がいる。
- 専門は中国史(明・清代)だが、ユーラシア大陸全体の歴史への造詣も大変深い。研究範囲も中国史にとどまらず、ヨーロッパからアジア(東南アジア含む)まで多岐に渡る。
- 「モノ・ヒト・イミ」という3つの位相に基づき、調査・研究を行うことをモットーとしている。
著作
単著
- 『伝統中国――〈盆地〉〈宗族〉にみる明清時代』(講談社選書メチエ 1995.01)
- 『森と緑の中国史――エコロジカル・ヒストリーの試み』(岩波書店 1999.04)
- 『トラが語る中国史――エコロジカル・ヒストリーの可能性』(山川出版社 2002.07)
- 『中国の歴史(9)海と帝国――明清時代』(講談社 2005.08)、新版・講談社学術文庫 2021.03
- 『東ユーラシアの生態環境史』(山川出版社[世界史リブレット] 2006.04)
- 『風水という名の環境学 気の流れる大地』(農山漁村文化協会 図説・中国文化百華 2007.06)
- 『ペストと村 七三一部隊の細菌戦と被害者のトラウマ』(風響社あじあ選書 2009.10)
- 『大河失調 直面する環境リスク』(叢書・中国的問題群 岩波書店 2009.08)
- 『シナ海域蜃気楼王国の興亡』(講談社 2013.09)
- 『貨幣の条件 タカラガイの文明史』(筑摩書房 2016.02)
- 『歴史を歴史家から取り戻せ!-史的な思考法-』(清水書院 2018.08)
- 『死体は誰のものか 比較文化史の視点から』(ちくま新書 2019.05)
- 『人口の中国史 先史時代から一九世紀まで』(岩波新書 2020.08)
共編著
- (木村靖二)『地域の世界史(10) 人と人の地域史』(山川出版社 1997.12)
訳書
- 陳盛韶『問俗録 福建・台湾の民俗と社会』(小島晋治・栗原純共訳、平凡社東洋文庫、1988)
- ロイド・イーストマン『中国の社会』(平凡社、1994)
出演
- NHK 高校講座 世界史
- 中国王朝 英雄たちの伝説「権力者の素顔 残虐な農民皇帝・洪武帝」
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2022/04/06 15:53 UTC (変更履歴)
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