ウェイド・デイビス : ウィキペディア(Wikipedia)

ウェイド・アレン・デービスWade Allen Davis, 1985年9月7日 - )は、アメリカ合衆国フロリダ州ポーク郡出身の元プロ野球選手(投手)。右投右打。愛称はウェダー

親戚に捕手としてシカゴ・カブスとアトランタ・ブレーブスでプレーしたジョディ・デービスがいる「タンパベイ・レイズ」『2012MLB選手名鑑全30球団コンプリートガイド』 日本スポーツ企画出版社 22頁。

ライアン・デンプスターと並んで、カブスの26試合連続セーブ成功の球団記録を持つ。

経歴

プロ入りとレイズ時代

のMLBドラフト3巡目(全体75位)でタンパベイ・デビルレイズから指名され、プロ入り。

はA+級ベロビーチ・デビルレイズとAA級モンゴメリー・ビスケッツの2球団合計で27試合に登板で10勝3敗、デビルレイズ傘下1位となる防御率2.50を記録し、デビルレイズ傘下の最優秀投手に選出された。

9月6日のデトロイト・タイガース戦でメジャーデビュー。デービスは7回を1失点に抑え、勝利投手の権利を持って降板したが、チームは5対3で敗れた。この試合でデービスは球団新記録となるメジャーデビュー戦で9奪三振を記録し、以降では史上3人目となるデビュー戦での先頭打者から4者連続三振を記録した。

はアンディ・ソナンスタインとの先発投手5番手争いを制し、開幕から先発ローテーション入りを果たした。7月には新人選手最多の4勝を挙げ、ルーキー・オブ・ザ・マンスに選出された。通年では12勝を記録して、新人王の投票では4位に入った。自身初めてとなったポストシーズンでは、ディビジョンシリーズの第4戦で先発し、5回2失点で勝利投手となったが、チームは5試合の末に敗退した。

3月31日にレイズと総額1260万ドルの4年契約2011年は100万ドル、2012年は150万ドル、2013年は280万ドル、2014年は480万ドル。(2015年・700万ドル、2016年・800万ドル、2017年・1000万ドルの球団オプション付き)を結んだ。

は、先発からリリーフになったことで速球の威力が増し、前年の奪三振率が5.1から11.1へと倍増した。

ロイヤルズ時代

2012年12月9日にウィル・マイヤーズ、ジェイク・オドリッジ、マイク・モンゴメリー、とのトレードで、ジェームズ・シールズ、後日発表選手のエリオット・ジョンソンと共にカンザスシティ・ロイヤルズへ移籍した。

は先発ローテーション4番手だったが不振を極め、8月末にリリーフに配置転換された。リリーフ転向後は7試合(10イニング)で1失点という活躍だった。

はセットアッパーとして自己最多の71試合に登板し、防御率1.00という大活躍であり、109奪三振はリリーフ投手としての球団記録を更新した。6月27日から9月15日にかけて33試合連続無失点も記録した。7回のケルビン・ヘレーラ、8回のデービス、9回のグレッグ・ホランドの必勝リレー「HDH」が注目を集めた。クローザーのホランドも防御率1.44、ヘレーラも防御率1.41と大活躍し、史上初となる同一チーム同一シーズンに防御率1.5以下のリリーフ投手(60イニング以上)が3人いるチームができた。チームにとって29年ぶりとなったポストシーズンでも12試合(14.1イニング)に登板して、自責点がわずかに1と、ワールドシリーズ進出に大きく貢献した。オフの11月3日にロイヤルズが700万ドルの球団オプションを行使した。

も主にセットアッパーして登板し、6月2日に初めて失点するまで22試合連続無失点を記録した。オールスターに初選出された。以後も好投を続け、69試合に投げて防御率は前年より更に優れた0.94という素晴らしい内容だった。シーズン終盤にクローザーのホランドが怪我で離脱したためその代役を務め、ニューヨーク・メッツとのワールドシリーズでは最後を締め括って日本でいう「胴上げ投手」となるなど、30年ぶりのシリーズ優勝に大きく貢献した。ポストシーズン全体では8試合に登板して1勝4セーブ、10.2イニングを投げて無失点、18奪三振の活躍であり、ワールドシリーズではベーブ・ルース賞を受賞した。

も概ね好投を続け、2年連続でオールスターに選出された。7月には右腕の不調で故障者リスト入りしたが、シーズン全体では45試合に登板して2勝1敗27セーブ、防御率1.87、(アメリカンリーグ10位)、WHIP1.13と、クローザーの役割を務め上げた。

カブス時代

2016年12月7日にホルヘ・ソレアとのトレードで、シカゴ・カブスへ移籍した。

はクローザーを任され、オールスターにもカブスから唯一選出された。8月19日のトロント・ブルージェイズ戦でセーブを記録し、ライアン・デンプスターの26試合連続セーブ成功の球団記録に並んだ。最終的には59試合で4勝2敗32セーブ・防御率2.30と新天地でもクローザーの役割を全うした。オフの11月2日にFAとなった。球団はクオリファイング・オファーを提示したが、11月16日に拒否した。

ロッキーズ時代

2017年12月29日にコロラド・ロッキーズと3年総額5200万ドルの契約を結んだ。契約には4年目の2021年に1500万ドルの相互選択オプションが含まれているが、2020年に30試合交代完了した場合は選手側のみの選択権に変更となり、双方の合意に至らない場合は100万ドルを受け取ってFAとなる。

は開幕から抑えに配置され、前半戦を終えて27セーブ、防御率3.72の成績を記録した。最終的には球団新記録となる43セーブを記録し、自身初となる最多セーブのタイトルを獲得。防御率4.13の成績を残した。

は50登板で1勝6敗、防御率8.65、15セーブと深刻な不振に陥った。2015年には平均95.9mph(約154km/h)だった球速が、この年は93.2mph(約150km/h)にまで落ち、42.2回で29四球と制球も良いとは言いづらい内容だった。

も開幕から精彩を欠き、9月19日にDFAとなり、21日にFAとなった。

ロイヤルズ復帰

1月20日に古巣のロイヤルズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった。3月28日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした。

2021年シーズンは4月1日のテキサス・レンジャーズとの開幕戦に登板し、ロイヤルズでは2016年9月28日以来のセーブを記録した。オフの11月3日にFAとなり、24日に現役引退を表明した。

選手としての特徴

最速99.5mph(約160.1km/h、2015年8月16日計測)、平均球速153km/hのフォーシームとツーシーム、平均球速149km/hのカッター、変化球は平均球速132km/hのナックルカーブという4球種で高い奪三振率を誇っていた。

先発投手時代の2011年まではカーブとスライダーを持ち球としていたが、それぞれナックルカーブ、カッターに変えている。また、平均球速138km/hのチェンジアップも武器としていたが、2013年を最後に投げなくなった。ちょうど、リリーフ転向期だった2012~2013年頃から成績が飛躍的に伸びている。

詳細情報

年度別投手成績

TB661102200.50015036.13321310361019153.721.27
2929000121000.545722168.01652462251134077764.071.35
2929101111000.524795184.01902363181056096914.451.38
54000030061.00028470.14852920872020192.431.10
KC312400081100.421618135.11691558241147089805.321.68
71000092333.81827972.0380230310910881.000.85
690000811718.88925167.133320107810870.940.79
45000021270.66717643.133016034740991.871.13
CHC59000042320.66724258.23962813797016152.301.14
COL69000036430.33326165.14382602786031304.131.06
50000016150.14320642.25172902421042418.651.88
500000120.000254.193310320101020.772.77
KC4000000322.00019042.24481902384033326.751.48
MLB:13年55788211635514159.5344199990.189510438911329294604584333.941.30
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

年度球団投手(P)
試合刺殺補殺失策併殺守備率
2009TB650001.000
201029161924.946
2011291118041.000
2012546410.909
2013KC31121312.962
2014714310.875
2015699811.944
20164514001.000
2017CHC5928001.000
2018COL6983011.000
2019502312.833
202050000----
2021KC4022001.000
MLB5577885714.959
  • 各年度の太字はリーグ最高

タイトル

  • 最多セーブ投手:1回(2018年)

表彰

  • ルーキー・オブ・ザ・マンス:1回 (2010年7月)
  • ベーブ・ルース賞:1回(2015年)

記録

  • MLBオールスターゲーム選出:3回(2015年 - 2017年)

背番号

  • 58(2009年)
  • 40(2010年 - 2012年)
  • 22(2013年)
  • 17(2014年 - 2016年)
  • 71(2017年 - 2021年)

関連項目

  • メジャーリーグベースボールの選手一覧 D

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/10/08 10:54 UTC (変更履歴
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.

「ウェイド・デイビス」の人物情報へ