公野勉 : ウィキペディア(Wikipedia)

公野 勉(くの つとむ、1967年8月1日 - )は、日本の事業家・映画プロデューサー・映画監督である。日本大学講師と文京学院大学教授。元東京大学大学院情報学環特任准教授 。日本映画監督協会所属。

プロフィール

山口県生まれ。SFX映像とキャラクタービジネスの老舗円谷プロダクションにおいて、ウルトラマン等のマーチャンダイジング映像を中心に、特撮テレビコンテンツの製作・事業運営に従事し、版権利用を事業の特徴とする実業家。映画プロデューサー。

映画プロデューサーとして、配給会社ギャガ・コミュニケーションズの製作・配給部門に在籍時代、製作作品の全国配給・単館配給のロードショー事業を行い、流通と製造の両面を管掌した。

また後進育成のために2005年から2008年度まで東京大学大学院情報学環において「映画産業論」の特任准教授として講義を行っていたほか、現在も日本大学で「メディア・ビジネス論」、文京学院大学で「コンテンツプロデュース論」他の教鞭を取っている。

略歴

  • 日本大学卒業後、1993年に同大学院を修了。在学時に日本テレビで助監督をし、岡本喜八の内弟子であるNTVのドラマ演出家石橋冠に師事。
  • 1993年、円谷プロダクション入社。同年、同根の円谷映像へ移籍。
  • 1994年、劇場用作品『エコエコアザラク』でプロデューサー補、1995年にはプロデューサーに昇格。
  • 1995年、東北新社へ移籍、『目を閉じて抱いて』(内田春菊原作)、『紅色の夢』(花村萬月原作)、『キメイラ』(アニメ)、『イノセントワールド』(竹内結子安藤政信主演)、『冷たい血』(青山真治監督)、『鮫肌男と桃尻女』(浅野忠信主演)等を製作。
  • 1999年、ギャガ・コミュニケーションズに移籍。ギャガでの製作作品は『A・LI・CE』、『Malice@Doll』、『BLUE REMAINS』等のCG映画、および『19』、『infinity∞波の上の甲虫』、『Soundtrack』、『真夜中に交わした約束』、『月のあかり』、『RED HARP BRUCE』、『NOEL』、『八月のかりゆし』等の音楽映画と全国公開作品『バトル・ロワイアルII』。
  • 2002年、当時、同系資本だった日活へ転籍、2005年には映像開発本部本部長・配給部長兼製作部長に着任した。日活での製作作品は2004年12月東映系全国公開の『レディ・ジョーカー』(高村薫原作、渡哲也主演)と、2007年公開の巨匠&話題・新人監督の混成作品『ユメ十夜』。
  • 2004年、日本大学法学部新聞学科『メディア・ビジネス論』『情報メディア演習』講師となる。
  • 2005年、東京大学大学院情報学環『映画産業論』『映画ゼミ』特任准教授に着任(2008年度まで)。
  • 2006年、当時の親会社ナムコの資本移動に伴って日活の役員を退任、離脱後、GDHにおいて『アフロサムライ』などのデジタル映画配給事業を支援。
  • 2009年、玩具メーカー・タカラトミー社において映画事業を中心にコンテンツのスーパーバイズを行い(2014年まで)、同社子会社である竜の子プロダクションの取締役に就任。(2010年退任)。
  • 2010年、文京学院大学経営学部『エンタテイメント・ビジネス論』『コンテンツ・マネジメント論』『知的財産権』特任教授に着任。竜の子プロダクション取締役を退任。
  • 2011年、映劇株式会社社外取締役に着任。
  • 2012年、株式会社ランドックスタジオ社外取締役に着任。
  • 2013年、沖縄県産業振興公社アドバイザリーボードに着任。
  • 2014年、株式会社白組コンテンツ・スーパーバイザーに着任。

特徴

公野には映画事業者として大きく4つの特徴がある。

  1. 『紅色の夢』『infinity∞波の上の甲虫』『Soundtrack』『真夜中に交わした約束』『NOEL』『八月のかりゆし』などは、通来の邦画の作風とは赴きを異にして、伝統的な特撮や先端デジタル技法を用いた作風が目立つ(現在では普通に使用されている HD-camによる全編撮影は彼の作品が世界初となるCGWORLD 2001年8月号 Vol.36

。またデジタル上映機(DLP)による日本初の商業上映は公野の作品によって行われている) 。

  1. 一方で新人クリエイターの育成に腐心しており、常に新人クリエイターに商業作品へ参加させることを志向している。これが公野の第4の特徴と言える。またこの特徴の発展的ケースとして、公野は東京大学大学院において、「映画産業論」の講義を行い(2005年~2008年度)現在も日本大学、文京学院大学において講師を務めている 。

フィルモグラフィ

  • 1999年 『鮫肌男と桃尻女』渋谷シネセゾン動員記録/ロッテルダム国際映画祭正式招待
  • 2000年 『A・LI・CE』フル3DCGアニメ作品 日本初DLP興行作品
  • 2001年 『infinity』 アテネ国際映画祭/ベルリンβ映画祭正式招待 世界初全編HD-cam24P撮影
  • 2001年 『19』 サラエヴォ映画祭新人監督特別賞受賞/トロント国際映画祭ほか10カ国映画祭招待
  • 2001年 『soundtrack』セマナ国際ファンタスティック映画祭最優秀撮影監督賞・最優秀脚本賞。SUGIZO柴咲コウ主演
  • 2002年 『記憶の音楽 -Gb-』 SOPHIA、松岡充主演
  • 2003年 『NOEL』 平良とみ主演 HD-cam24P撮影作品
  • 2003年 『バトル・ロワイアルII 鎮魂歌』 全国東映系公開作品
  • 2003年 『八月のかりゆし』 松田龍平主演、村山富市(第81代首相)出演
  • 2005年 『レディ・ジョーカー』 高村薫原作、渡哲也主演、全国東映系公開作品
  • 2006年 『輪廻』 優香椎名桔平香里奈主演 全国東宝系公開作品
  • 2006年 『笑う大天使』 上野樹里主演 シネリーブル系全国公開作品
  • 2007年 『ユメ十夜』 東京国際映画祭正式招待
  • 2008年 『Blue Symphony』 東京国際映画祭正式招待
  • 2009年 『劇場版デュエル・マスターズ 黒月の神帝』&『劇場版 ペンギンの問題 幸せの青い鳥でごぺんなさい 』全国東宝系公開作品
  • 2010年 『劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール 幻影の覇者 ゾロアーク』
  • 2012年 『お焼香』都内単館配給作品
  • 2012年 『瞬間少女』都内単館配給作品
  • 2015年 『GAMBA ガンバと仲間たち』全国東映系公開作品
  • 2018年 『維新烈風 天狗判官』劇場配給作品 監督作品
  • 2022年 『HARDBLUE 蒼穹』劇場配給作品 監督作品

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/07/20 22:52 UTC (変更履歴
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.

「公野勉」の人物情報へ