「あれ?面白かったけどなぁ、、」ある閉ざされた雪の山荘で winter1000さんの映画レビュー(感想・評価)
あれ?面白かったけどなぁ、、
WEST.重岡くんの演技は教場Ⅱで見たことがあって、そのときもいい演技をするなぁと思っていたが今回も好演していた。
田所に急に当たりが強くなるところは毎回笑えたし、関西人だけあってシリアスとコメディの使い分けが上手い。
間宮祥太朗に戸塚純喜、岡山天音と実力派たちが脇を固め、三者三様のヒロインたちが華を添えていてバランスも良かった。
森川葵の演技がどうしても浮いてしまった印象だが、役どころ的にセーフか。
雅美の話が出た時点で、その子が何らかの事情で亡くなったか演技をやめることになったかで、その原因となった人物を殺すために審査を装って集められたのだろうなと推測はできた。
彼氏か片想いか、いずれにしても首謀者は男だろうからその時点で容疑者は4人。
あの手この手で審査という部分に信憑性を持たせて山荘から誰も出て行かないように誘導していた本多が一番怪しいが、嘘のない人に見えたので信じたい気持ちが強かった。
二日目のアリバイで容疑者から消えたことでホッとしてしまったが、これがミスリードだった。
結局私の推察は近からず遠からずだったが、本多の告白のあとの展開は予想外だった。
真の首謀者は雅美本人であったこと、殺人はフェイクだったこと。
雅美のセリフ運びがあまりにも舞台調でキツイな…と思ったところで舞台上の場面に切り替わり、あぁそういうことかと納得させる演出はよかった。
最後まで疑問だったのは、結局久我が選ばれた理由はなんだったのか。雅美が覚えてたと言っていたので、光るものがあったのか…
久我がその場にいる違和感が終始拭えなかったので、いっそのこと雅美の演技に感化されて才能が開花し、その場にいる全員に強烈な印象を残していたぐらいの設定が欲しかった。
それともう一つ、8人はどうやってこの脚本を劇団で舞台化するところまで持ち込んだのだろうか、と考えてしまった。
先生にはどこまで真実を話したのだろうか。
有名な劇団で無名の脚本家と未経験の演出家の舞台をやれるのかな…等と関係のない方向に疑問が浮かんでしまった。
原作では舞台のくだりはないと知って納得した。
多少の疑問は残りつつ、映画としては最後まで面白く観れたので、低評価の嵐に少し驚いている。