「キャラが活かしきれていない」僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト どぅさんの映画レビュー(感想・評価)
キャラが活かしきれていない
冒頭のデクのカッコ良さからのOPは最高にワクワクしたし、全体を通して戦闘シーンは流石のクオリティ。
ミリオの登場も頼もしく要所要所に魅力的なシーンはあるものの、脚本はあまりにもツッコミどころが多すぎる、、
その中でも特にヴィランのキャラ付けが弱すぎる。
話の流れも無理矢理感が強く、観ればみるほどただのぽっと出のうっすいヴィランという印象だった。
突然現れ、直ぐに覆面を外し(ならなんで顔隠してた?)、オールマイトに似ていることによるドラマも無く、深い思想も無くただただ力ずくで迷惑を掛けまくる小者集団でした。
せっかくオールマイトに顔を似せてるなら、表向き社会の為になる行動をとり大衆の支持を集めつつ裏では凶悪な思想を実現する為暗躍(ダークマイト本人はそれが社会の為に必要で犠牲も厭わない的なスタンスで)してる方が良かったと思う。
ストーリー的にもあれだけ社会が疲弊しきった状況でオールマイトの見た目でヴィランを薙ぎ払ってくれる人物が現れれば「オールマイトの再来」として歓迎され、大衆がダークマイトを信用しきって策にハマっていく流れになっても違和感が無い。
デク達やヒーロー側も表向きは社会貢献をしていて大衆の指示を得ているダークマイトに対し当然偽物だと胡散臭く感じていながらも表立って否定も出来ない状況のなかで、A組だけがダークマイト達の裏の顔を知る事で事件に巻き込まれていく、、とか、コテコテのテンプレではあるがこの方がオールマイトに顔を似せたことに意味を持たせられると思う。
本編では自分が新たな象徴になるとか言っておきながら登場早々大衆を危険に晒し、大量誘拐を行うなど顔を似せてる意味まるで無しだが、上記の流れならむしろ進んでダークマイトの甘言に乗せられる人が大量にいても不思議ではないから展開上無理が無くなると思う。
また敵幹部についても、8人もいるのだからA組メンバーで数人のチームで分かれて各個撃破しても良かったのでは?
結局ほとんどデク爆轟だけで片付けてしまい、その他のA組は避難誘導とザコ狩りといういつも通りの微妙な役回り、、せっかく最後の映画なのだからいつもは見られない組み合わせでA組全員が活躍するところを見たかった。
ダークマイトがわざわざ大衆を誘拐してまで有能な手駒(適合者)を集めようとしてるのに、少しの失敗でそれを切り捨ててしまっているのにも違和感があった。2万分の8でしょ?!適合しても素直に従ってくれる保証もないのに??(ギンジには裏切られてますやん)もったいなくない??
ダークマイトの冷酷さを表現したかったのかもしれないけど、うーん、、、
また敵の中で能力被りがいるのも気になりました。
浮かす個性と念動力は分ける必要あった?
ダークマイトも兵隊錬成出来るのにダークマイトが作った兵隊より弱い兵隊を作る個性の幹部は必要あった?(結果1番雑に退場させられいなくなっても全く同じ役割をダークマイトがやっていた)
などなど、前作が非常に良かったので期待していたぶんガッカリな部分が多い印象。
冒頭のデクのカッコイイとこだけは見る価値ありだと思います。