「期待よりは下」僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト にろちさんの映画レビュー(感想・評価)
期待よりは下
映画館で予告を見たきりでしたがSNSで話題だった為鑑賞をしました。
どの作品であれ基本は原作派なので普段、原作にないシナリオの映画は行かないタイプです。
そのため前3作は未鑑賞なのですが、ユアネクストを見てから他3作の評価を見て少し後悔しました。これなら他3作のときに見に行くべきでした。
結構がっかりして、このためにアカウントを開設しました。
まあ一旦アニメでもそうですが、流石に劇場版、ボンズの作画はきれいですね。
どんなときも顔も頭身もほぼ崩れませんし、他アニメと比べて派手な戦闘シーンでも見やすいパキッとした絵と動きです。
止めの画も上手いと思います。
OPの映像に入るバイクのシーンは良かったですが、正直主題歌が「ホムンクルス」って……。
だって「ホムンクルス」って錬金術師が作り出す人造人間、ですよね?
悪役であるダークマイト、適応者を作るのはアンナの能力で、脳無もどき(?)は彼が作っていたと思いますけど、「人造人間」か?まああれがそうなのか……。
ダンジョン内の敵は魔法使いおじさんが出しているイメージですし、割と印象薄いです。
どちらかというと、アンナの能力暴走によって人ならざる化物の核にされた、という感じなので、映画の主題とホムンクルスとは私は大して関わりを感じません。
ヒロアカ好きであるVaundyがヒロアカに捧げた曲、というのを見かけましたがサビでホムンクルス連呼されるので、うーーーん………??
EDも正直印象が薄いです。ジュリオとアンナに向けた歌詞なのかな、と思いますが映画館の音響も良くないシアターで、なかなか歌詞も聞き取れず。二人の悲劇的と言えなくもない経過に寄り添っていたメロディだとも思いませんでした。
Vaundyの他の曲の方が好きです。アニメならチェンソーマンはすごくすごく良かったです。
OPすべての中でも上位に入るほど好きです。
ジュリオとアンナのキャラデザは内面外面含め「夢溢れた作品だなぁ。カッコイイガジェットもりもりいかつバイク!元孤児拾われ片目眼帯義眼泣きボクロ義手義足ハイパーギザ歯手袋燕尾服執事(CV:宮野真守)(長髪下ろし髪ver.もご用意アリ!)が大事に持ち歩くは、燃え盛る屋敷から唯一持ち出した金髪碧眼個性強お嬢様の写真!最後は抱き合ってキッチリくっつくEND!くぅ〜〜!」がざっくり全てですかね。
バラが荒れ狂う中それにそれを抱かせて自分の無力を嘆く号哭をさせる、がしたい!というパッションはすごく感じました。
割と使いふるした要素かつぽっと出のキャラなので、私はキャラの感情の変化についていけず冷めたまま見ていた感じですが……。
尺の関係で仕方がありませんし、ジュリオがデクに少し心を開くきっかけは作中きちんと描かれますが、限界近いとはいえ見ず知らずの他人にあんな急にキレられても……、といったふうに、神(視聴者)の視点では思わざるを得ません。
単純な描写時間不足よりも、納得に足るほどの感情の重さを作中からは感じられませんでした。力量不足か、私が不感症の冷血漢かのどちらかです。
しかし他の執事や使用人なども焼死していそうですが、あれは相続人であるお嬢様の身柄を捜索中の為管財人から資金を得ているのでしょうか、ジュリオ。
荒廃した地で紅茶を淹れる、というのは彼の生き様やバックグラウンドにふさわしいワイルドさと優雅さが同居しておりいい要素だと思います。
敬語や一人称の粗雑さ、隙も同じくですね。私は全部盛過ぎてそこまで……という感じですが。
アンナ声優の生見愛瑠は普通に下手くそですがゲスト声優というのはそういうものだとコナン映画が教えてくれていますので、悪いのは製作陣ですね。
そこまでしないと集客できないコンテンツではないし、そもそも彼女が呼べる客の数なんてタカが知れ……ゲフンゲフン。
アンナの不可解ポイントの一つとして。
作中でゴリーニファミリーに能力を使われると髪色の変化が進んでいき暴走に近づくのに対し、回想内では能力を使わないことで体内に溜まり髪色が変色、暴走に近づいていっていた。つまり……程々に使わないとってことかにゃ?はにゃ?DSクッキングママの料理判定ゲージみたい……(?)
だからこれアンナパパの最適解は、モブにお給金を出して「ちょっとチクってします☺💘」と毎日アンナに能力を使わせつつ適応者を探して、適応者がいたらそいつをこそ世話人にしたり、飼い殺しにして毎日能力吸わせるべき、ということになるのでしょうか。
娘の生活や笑顔のために財力は行使するべきかと思います。
それか相澤先生と同居するか、個性消失弾を使うかです。
しかし二人の愛の障害、全部都合良く燃えたな…………。
後は七つの大罪モチーフ(?)の未消化が気になります。
ダークマイトが「怠惰!それは七つの大罪の一つだよキミィ!」とか言ってたし、2万人?のマフィア構成員の中で8人しか適応者が〜みたいな話があったので、ダークマイト+七大罪ということなのか……?
最初のヴィランが暴食の能力ではありましたが。
もしかして映画って説明省いてる?
ヒロアカユアネクストのノベライズ読んだ人は教えてください。
他のヒロアカ映画もそうかもそれませんが、オリキャラ映画+キャラの掛け合いサービス映画なのでストーリーは全体的にそこまでって感じですね!
轟焦凍くんさんの無限月詠がおつらすぎて本筋関係ないとこでウワァ……とはなりました。つらい。それに比べて八百万百、おまえはなんだ。幸せそうだな☺可愛かったです。
セメントスの足場づくりも本当に助かる〜って感じでしたね。ヤマト隊長(NARUTO)と同じで街の大復興に物理的に役立ちそうな良個性です。廃材は全て13号に吸わせましょう(脱線)
映画はこう言うオールキャラが丁寧に描かれる良さはありますね。
突然ジュリオに話しかけてくるA組は何やねんという感じもありましたが……。その点別に協力者の事情に斟酌する気のなさそうな爆豪はこの映画では◎です。それはそう。
まあ爆豪勝己、初めから話を聞いていたら「知るかよ、ボケ」とは言いつつ背中を押してくれそうですが(脱線)
映画あるあるではありますし気持ちいい悪役を用意して勧善懲悪、悪かぁないんですが個人的には種自由くらい行き過ぎてほしいのと、結構ヒロアカも超火力ばかばかで後半目も疲れてくるのと、更には時系列としてこれから最終決戦てのが。
正直これが一番悪いまでありますね。
デクの能力フルで描ききれるのは楽しいですけど……。本試の展開もありますし。
そもそもダークマイトも冒頭のシーンからして、オールマイトに敬意を持つ心は本物であって欲しかったです。
脚本がデクと敵対させるために取ってつけた設定、というのが丸出しなせいで、そこにも深みがありません。翻って、オールマイトが製作に蔑ろにされているように思います。
せめて、今のあなたはあなた自身の理想にふさわしくない形骸となってしまった。それを私が手にかけ、跡を継いでみせましょう、とかならわかりますが、雄英を落そうとする理由付けもろくな説明がなされず。
脚本もダークマイトもなんかノリで動いているのですかね?父親を射殺やオールマイト模倣など。
それと初期の頃の授業やインターンなどで、街をなるべく破壊せずにヴィランを捕縛するべし、とか言われてた気がするのですが。
映画時系列ではもう東京は荒廃しているからいいんでしょうかね()
ばかすか壊すもんで、とても気になりました。
しかし原作で……なキャラが元気に動いている新規映像が増えたのは本当に良いことですね。
そこ+OPオリジン組や最終バトルの3人組のカット、轟・爆豪の背中合わせ共闘+高速戦術共有、エンデとオールマイトの通信、鳥師弟のシーンなどはファンサかつ公式のやりたい箇所!という感じがありました。
個人的には最初にダンジョンが出たときから(ダークシャドウの活躍にはもってこいの場所……)と思ったため、後にそれが回収されて嬉しかったです。
デクVS常闇の個人戦好きだったので、ここでデクが常闇を信頼して任せられる感じは好きです。原作でも何度か描写がありますが。
後こういう非人間無限湧きヴィランにかっちゃんの能力はむきすぎていますね。逆に言えば普段火力高すぎて。調整しているとはいえ今日も念能力と瞬間移動のヴィランが即火葬かと心配しました。
ワンピースのウタのように、アニメで今後ジュリアンの匂わせ登場などは有り得そうですかね。
最後のシーンは、「ジュリオさん、笑顔になってますよ、気づいてますか」段階だとまだあまり笑顔ではないので、それよりも「結局僕の力で二人を笑顔にすることはできなかったな」→ジュリアンのハグ→ジュリオがデクに目線寄越して満面の笑み、などのほうが流れが綺麗だったかも?
そしてなんの事情も知らないままなんとなく大団円を迎えた空気を察する空気読み検定1級のA組ね。仕方ないけど。