フラッシュオーバー 炎の消防隊のレビュー・感想・評価
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火災の勢いや爆発シーンは大迫力だった しかし危険物勢揃いの工場は一...
火災の勢いや爆発シーンは大迫力だった
しかし危険物勢揃いの工場は一体何の工場?最新鋭の消火マシーンもいつもギリギリで到着 人命救助が最優先なのは分かるけど、最初からそこが防御のキモだったんじゃぁ...と思ってしまった。
誕生日の件にはうるっときたけど、そのようなメッセージは残さないと思うのですが...なんだか手放しで凄いと思ったり感動出来ないお話だった。
んんん??という展開も多々あるものの…。
今年347本目(合計997本目/今月(2023年10月度)12本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
地震が契機になって発生する工場爆発の消火活動を描いた、中国映画でときどきあるタイプの映画です。とはいえ、「当局」のご意向なのかある程度美化されすぎ…という部分は一応あります。
まずかなりの方がひっかかるのが、「マグニチュード3.1」でいいのか?ということです。
マグニチュードによる計測は国際標準で、気象庁ほかのサイトによれば「マグニチュード3程度は微小地震~小地震」とあります(震度の目安までは示されていない)。ただ、日本ではおよそ震度2~3がそれに該当しますが、日本が地震大国であると同時に、中国も「ある程度」はそうであり(地学的なお話)、「震度2~3程度であれほど災害がおきるの?」というかなり変です(映画自体の字幕も「3.1」となっているのを確認済み。しかし、余震も描かれるが、こちらは日本でいえば震度5弱はあるんじゃないかと思える、家の中の家具が飛び出すレベルの描写になっていて、何が本震なのかも怪しい??)。
この映画はまずその部分がかなり謎なので、そのあとの展開も結構謎だったりします。
ストーリー的にはその「程度が謎の」地震のあおりで大爆発・炎上を起こしている化学工場に取り残された人を救助し、また消火するというストーリーで、一応、中国映画でも中国本土の視聴者層向けのサービスというか、「恋愛パート」も一応入っているのですがそれはおまけ程度で、実際のところ「中国の消防行政はすごいですよ」という何かの宣伝的なにおいがかなりします。
ほか、妙なまでに視聴者層が困る部分もあり、実質理系の方向けなのかなという気がします。メタノールやベンゼン程度であれば(これらは出る)まだ高校理科の範囲ですが、そこにさらにシアン化水素だのアジ化水素だのといったハイレベルな語を出してくるので(その割には水素だの塩素だのといった中学理科のことも出てくる)、かなりの方が「シアン化水素?」とかという点でハマります。
※ なお、この爆発は何らかの化学反応が関与したものとみることもできますが、出てくる情報が極端に少ないので、化学反応式を思いつくことすらできない(大学の化学(ばけがく)科を出ていればできるの?)というところです(少なくとも大学の理系共通の教養程度では何もできない)。
どうしても映画の趣旨的に「お家の宣伝的な部分」が出てしまうのは中国特有の事情もあり仕方がないかなという気はしますが、日本ではこうした映画は「映画としてでも」作成のハードルが高く(消防行政に関する各種取締りの関係)、日本で作ろうと思うとCGだらけになってしまうところ、この映画も「ある程度は」CGなのだろうとは思いますが、かなり大規模でどれが本物でどれがCGかは見分けがつかないです。
今週、3連休はいろいろな作品が入っていますが、「アジアものが見たい」ならおすすめの一作です(ただ、やっている映画館が極端に少ない…。シネマート系列くらい?)。
採点は以下のようにしています。ちょっと厳しめかな。
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(減点0.2/マグニチュード「3.1」が本当に正しいのかが謎??)
多くの方が触れている通りで、「8.1」とか似た数字と勘違いしたのかなぁ…という気がします(公式サイトはともかく字幕もそうなっているので本当に謎。理科的な考証が雑な部分はある??)。この点かなり珍妙です(震度2、3程度の地震なら日本であれば毎日とは言わないものの、騒ぎにならないレベルであり一般的なものです)。
(減点0.1/「あとは行政に連絡するだけ」)
この「行政」が何を指すか…は、「行政」書士の資格持ちは混乱する文脈です。
日本や日本の影響を受けた韓国、また日本の行政法はもともとドイツですが(戦後はアメリカの影響も受けています)、日本で「行政」というのは「国家のいろいろな事柄から裁判所(司法)と国会(立法)を除いたすべて」という「引き算形式」を取るのが普通です。一見適当なようにみえますが、「ゴミ出し、市営バス、落とし物をしたら警察へ…戸籍行政…いろいろ…」をひとまとめに定義できる語が実はないのです。ですから「裁判所と国会以外がやることは全部行政」という、いってみれば「控除形式的定義」は現在でも学問上でも実務上でもよくとられています(まぁ、実務でこの話が出るのはレアだとは思いますが…)。
ただ舞台は中国であり、中国だと国のシステムがまったく違うので、「行政」がどういう語の意味で使われているかはやや微妙な部分もあります(まぁ、この点、学問上の行政法を国際的にみるという、行政法と比較法学のクロス論点になるし、映画の主軸の話題でもないので、一応指摘はしますがこのくらい)。
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スイッチ、スイッチ、スイッチ…
地震により発生した化学工場の爆発事故に対峙する救助隊&消防士の話。
とりあえず地震で発生した崖崩れに巻き込まれた被災者の救助から始まって行くけれど、M3.1でこれは流石のチャイナクオリティ?とか思っていたら、なんだか映像が見難い。そして隊長のレベルが…。
ストーリー自体は悪くはなさそうだけれども、それ以前に下手したら1カット1秒に満たない間隔で映像がスイッチするはアップを多用しまくるはで、状況は入って来難いし臨場感は無いしで全然作中に没入出来ず。
エピローグの映像閲覧でも画角が変わりまくるのはどういうこっちゃ?
よほど素材が悪くないのなら、映像を再編集するだけでも劇的に面白くなりそうだけれど、これはあまりにもひど過ぎた。
中国らしくセルフサクリファイス&ヒロイック要素高め
消防隊が主役の映画といえば真っ先に『バックドラフト』が浮かぶが、消防士の兄弟関係を主軸に、謎の放火犯を追うサスペンス仕立ての『バックドラフト』に対し、こちらは純粋に(?)、化学工場の火災に端を発した大規模爆発(フラッシュオーバー)鎮火に挑む消防士達が描かれる。
身を挺して消火・救出に当たる仲間達の熱き友情、男女の淡い恋愛・家族愛要素は『バックドラフト』にもあったが、こちらはより自己犠牲的、かつヒロイックに描かれているあたりが、いかにも中国映画らしい。ただストーリーの展開的に幾多の困難を消防士達がどうくぐり抜けるかというパターンの天丼になっているため、ちょっと散漫になったきらいがある。恋愛要素も予想通り中途半端…というか、災害パニック物に必ずついて回るこの要素にはゲンナリさせられる。ドラマを盛り上げるために付け足しているのだろうけど、蛇足以外の何物でも無し。
火災や爆発のCG演出が、相変らず邦画を凌駕していたのだけは評価したい。
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