「Sora」メカバース 少年とロボット ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Sora
シンガポール映画って記憶に無いなー、しかもロボット映画だなんて全てが新鮮だなーとワクワクしながら鑑賞。特典はステッカーでした。
ロボットのデザインやCGはかなり迫力があって良かったのですが、肝心の物語の薄さや、監督が殆ど演じ切ったキャラクターの悪い意味でのクセな強さが足を引っ張りまくってあまりのめり込めませんでした。
オープニングではいきなりの空中戦争が展開され、ド派手に撃ち合いまくっており、状況はよく分かりませんが危機に陥ってる感じも良かったですし、主人公の父が戦いに向かっていく今生の別れも、ベタですが導入としては見事だなと思いました。ただここがピークでした。
物語は王道成長もので、父と母の後を追って訓練所で操縦士として育っていくものでした。主人公は筆記が満点で体力テストはギリギリというのはよく見たことある設定だなと思いました。
肝心のロボットに乗り込んだ辺りから監督と自分の面白さのズレが起きてしまったなという印象です。Gに耐える訓練とかは根幹からいくスタイル良いなと思ったら、出るキャラ出るキャラゲロを吐いていくので、そこで不快感が出てきました。
キャラ付けも濃いものばかりで、擬音筋肉バカはまだしも、なんでも1番取りたがりボーイは1番!と言うだけの役割でしたし、潔癖ボーイは空気でしたし、あと一人は陽キャといちゃもんつけてくるくらいの印象の薄さでした。
チーフは何故か吹替では語尾が上がるのが謎でしたが、飴と鞭を使い分ける良い師匠的ポジションにギリギリ収まっていたかなと思いました。後からやってきた同僚はテンション高いなくらいでした。
モジャモジャ頭は主人公に過去に会ったことある人で、何かキーパーソンになる存在なのかなと思ったら、食べ方の汚さに全部持っていかれて、この時点でこの映画には期待以上のものは出てこないなと思いました。
全体的にギャグなのかどうかアンバランスなものが多く、謎の間だったりゲロ連発だったり、笑えるシーンを用意していたんだと思うんですが、笑えはしませんでした。
終盤の戦いも空中でうまいことロボットに乗るというなんだかよく分からないもので、その際に敵に襲撃されて急遽戦う事になるという展開の焦りっぷりも乗れず、一体何がなんだか分からないまま決着がついてしまう置いてけぼりにされた感じでした。
目覚めた後に仲間がやんややんややってるのもギャグのはずなのに興醒めしてしまいました。
エンディングで未来に飛ぶのかと思いきや、まさかの過去の回想に行くという今までにないやり方でしたが、だからどうしたという感じの映像ばかりで、オチの付け方もぶつ切り感が否めませんでした。
無骨なデザインやスタイリッシュなデザインのロボットが素晴らしく、特にチーフのパーツ合体しまくりロボットが最高にイカしていました。何故か火星のロボットは武将スタイルでしたが、日本のロボット以外でこういうデザインを見れたのは儲けもんでした。
吹替陣は本職オンリーなので問題無しでしたが、完全に客寄せパンダとして起用されていたなと思いました(自分もそうですが)。
もっとこう…ドンパチやってくれるのかと思いきや、滑り倒したギャグや謎すぎる映像のぼやかし方だったり、ロボットで稼いだ長所を一気にかき消してしまったのが残念でした。
監督が殆どを制作したというのは凄いと思うんですが、それ故のクセの強さが合わなかったです。んーもったいなかったです。
鑑賞日 11/18
鑑賞時間 10:40〜12:25
座席 L-9