恋脳Experimentのレビュー・感想・評価
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ハイアートでもなくコマーシャルアートでもなく
「監督は芸大出身なんだな」と観てて思うの。
芸大エピソードが満載なのもそうなんだけど、なんか意味不明なシーンがあって、そう感じるの。
主人公は「かわいい」の呪にかかっているというか、「かわいくいることを強要されることで、本当の自分を生きられない」みたいな感じなんだよね。
そしてそれを、自身の創作能力で救う。
出てくる作品が「なるほど芸大」なんだよね。
確かに面白い。しかし「こういうの散々、観たな」という面白さなの。
だから、救えないと思うよ、あの作品では。
そこが難しいね。
祷キララはすごいね。
ホームパーティーでは上半身の服に赤・青・黄が入ってるんだけど、違和感なし。「さすがモデル」と勝手に思ってたけど、モデルじゃないんだ。すごい。
中島歩はミニシアターになくてはならない存在だね。
作品ごとに芸に磨きがかかってる。
最初から最後まで佐伯くんはいい。
「芸術家気取り」という設定だけど、最後は芸術家になってるからね。気取りじゃない。
演じた平井亜門も良かった。
ラストは棺桶の中から「かわいいね」と言ったシーンで切って良かった気がしたな。
PFFスカラシップで撮ったということだけど、2時間の尺にしなきゃいけないっていう縛りがあるのかな。
中学のときのエピソードも長すぎた気もするしね。
かわいく生まれるとかわいいの呪にかかってしまうの大変だなと思ったけど、そりゃお前、自分でなんとかしろよと思ったな。主人公はなんとかしたよっていう話だと思うけど。
SHIGUSA EXPERIENCE
平井亜門と中島歩が揃ったら観るしかない。
綺麗になりたくて彼氏をつくる、という通常とは逆の論理展開をする主人公がユニーク。
しかし、相手のぽっちゃり君もその先で出会う男たちも、主人公ですら、恋愛絡みのキャラが皆ろくでもない。
どいつもこいつも自分勝手で、そりゃ上手くいかんわ。
そんな様子をコミカルかつシニカルに描いており、特に中島歩パートは突出していた。
しかし、テーマとなる“呪い”に関して表現できてるとは言えない。
ポスターに『「恋を、しなければ。」の呪いを解き放て』とあるが、そもそも仕草にそんな様子あった?
綺麗になるためだったり、芸術に転化したり、常に恋を“糧”にしてるように見えたよ。
たまに変わったこともするが突飛とまでは言えず案外フツウで、正直どっちつかずな印象は拭えなかった。
大学時代にいきなり「ヤグ」と呼ばせたのは最悪。
仕草だと確定してヤ(まだし)グ(さ)の略だと気付いたが、別人か親が離婚かなど無駄に考えてしまった。
個人の感覚では、周りからあんなにカワイイカワイイと言われる感じに見えないのも違和感。
主人公以外の視点は要らなかったし、ラストに結論を台詞で言っちゃうのも残念かなぁ。
演劇人としても人間としても成長した佐伯は好きだし、中島歩の新しい引き出しが見られたのも収穫。
幼少の仕草役の、アップになった目の芝居は凄かった。
祷キララは、伊藤万理華や河合優実に続く『サマーフィルムにのって』第三の刺客になれるかと期待したが…
まだ惹きつけるものまでは感じなかったです。
栗原の気持ち悪さに嚥下音を使ったり、センスと面白さは感じたので、監督には期待したい。
おそらく新しい試みのPFFスカラシップ作品
アニメーションで実績のある若手女性監督が、初の実写映画を撮ったとのこと。
PFFスカラシップ作品を観たのはかなり久々だったので、今どきの多様性を受け入れる時代に撮られたという意味では非常に興味深い作品ではあった。
アニメパートはほんの一瞬でした。
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