「延命措置についての同意に関する姿勢の変化」大いなる不在 てつさんの映画レビュー(感想・評価)
延命措置についての同意に関する姿勢の変化
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観るかどうか迷っていて、再上映に架かったので、観ることにした。序盤はわかり難く、人物設定が理解できなかった。施設で卓が夕季とともに陽二と面会する場面から、少しずつ事態が飲み込めてきた。どんなに立派な施設でも、多少は不自由を感じて刑務所にいるような感じを受けるのは仕方のないことなのだろう。森山未來氏も藤竜也氏も、これまでの役柄と比べて違和感なく演じていたが、真木よう子氏は、終始大人しかった。
突然、陽二の家で卓が食事を食べることになったり、直美が出てきたりで、戸惑った。日記に綴じ込まれている恋文が卓や直美によって繰り返し読まれ、その度の陽二の反応が違っているが、観客にはだんだんとその意味がわかるようになっている。
卓が直美の連れ子正彦と会い、話し合いをもち、その後、正彦の話に疑念をもち、直美の行方探しを始め、妹の朋子とは会うことができ、裏づけは取れたようだった。
施設での延命措置についての同意に関して、当初は責任回避の姿勢をみせていたが、終わりには終身刑のように妄想に取り憑かれる時間を長らえる途を指示していたように感じた。
北九州ナンバーの車から、ロケ地の多くがその辺りだったようだ。九州工業大学の研究室も出てきて、利重剛氏が陽二を慕う大学教授を演じている。海に続く電柱の列が、干潮で道路である場面が出ていたが、近場では熊本県宇土市にあるようだ。
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