「タイトルが秀逸」大いなる不在 ニョロさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルが秀逸
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最初に感じたのは、あれほど愛していた人のことも認知症は忘れてしまうんだなぁと切ない気持ちになった。
この映画、父と息子の物語でもあり,男と女の物語でもあり、いろんな要素が盛り込まれて,でもちゃんとまとまりのある深い映画になっていた。ひとえに役者の力量だろう。森山未來,藤竜也,そして原日出子。この人たちの静かな演技は、言葉一つ一つが観てる側に丁寧に届けられて、深く刻まれる感覚だった。
インテリで偏屈で理屈やの男が、愛する人が去って行くその時に見せるしぐさ、深い愛情に涙が出た。そして、息子も自分を捨てて出て行った父親の生き様を知る中で,最後に施設の人にできるだけ長生きさせてあげてと静かに語る。実は深い愛情の持ち主なんだと知る。
登場人物はそれぞれにとっての大いなる不在を抱えて生きてきたんだなぁ。良い映画でした。
ただ、出てきてないが、対して好きでもないのに結婚して出産して捨てられるって、息子の母の女性にしたら最悪だなあと、正直ちょっと思った。
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