「『そうじゃないだろ』と思うことが多くて不満が残る」星つなぎのエリオ サイレンスさんの映画レビュー(感想・評価)
『そうじゃないだろ』と思うことが多くて不満が残る
後半はいい場面もある。
しかしとにかく
キャラの感性がズレている点が目立つ。
特に主人公はあまりに酷く見てられない。
ラストになると人格が変わったかのように良い子になるが
とにかくこの主人公、『子供の悪い所』を煮詰めたような
ネジ曲がった性格に出来上がっている。
悪態をつき、ウソをつき、見栄をはり、人を嫌う。
完全に『子供』ではなく
『嫌な子供』として描かれていて
後半まともになってもイマイチ感情移入出来ない。
悲しい過去があるというキャラ付けをしておいて
ちっとも可哀想と思えない。
ジュブナイルものの気持ちいい部分である
『冒険を通しての成長』の振れ幅を大きくしたのだろうが
あまりに嫌な子供すぎて好きになれない。
そしてなによりもタイトルに書いた通り、
『今はそれじゃないだろ…』
とため息をつきたくなる場面があり辟易とする。
例えば…
●エリオがヘマをやらかしつつも
宇宙人に救われてポータルから地球に戻される場面。
エリオはここで一言つぶやくのだが、
なんと『置いてかないで』と漏らし、めそめそ泣きだす。
ここで主人公がまず口にしなきゃいけないのは
『僕のせいだ』といった反省や
『みんなを助けなきゃ』といった成長のはず。
●黒人の友達(?)、最初はエリオに非があるとはいえ
金髪のガキ大将と一緒になってエリオを多対一で殴る。
そのクセ次に話す時にはエリオに謝る。
謝るのはいい。問題は
『アイツ(金髪)ふざけんなよ…』といったように
責任を金髪一人に押し付けて
自分は大して悪くないかのように軽く謝るのがクズすぎる。
しかも金髪はそのあと物語に一切出てこないので
単に『あの金髪が悪いよね』と〆られていて
見てて非常に不愉快。
ほかにもいくつかそんな場面はあったが
とりあえず書くのはここまでにしておく。
※あとで追記するかも。