「Z世代向けの良質ホラー」TALK TO ME トーク・トゥ・ミー Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
Z世代向けの良質ホラー
A24発の"憑依系"ホラー。過去作「ヘレディタリー 継承」や、ノオミ・ラパス主演の「LAMB/ラム」に比べれば王道を行く直球型ホラーに思える。評価面や興行面でも好調だった本作だが、テーマは若年層向けになっている。SNSを使った「〇〇チャレンジ」をモチーフにしており、本作では曰く付きの手の剥製(この手の正体もまあまあ不気味)を使い、90秒間の憑依チャレンジを行うという若者のバカ騒ぎがエスカレートした様なものである。
主人公は暗い過去を抱えており、それが後々に影響を与えてくるのだが、じわりじわりと狂気さと不思議さを帯びてくる演出は中々怖い。
また、誰が自分に憑依するのかが分からない状態、指名制度は勿論無い形である。霊界を彷徨う霊魂をあの様な形で誘い出してしまうと絶対に良くない事が起きるだろうが、近年の人々によくある、承認欲求を満たす為に次々と憑依チャレンジを行ってしまう。
遊び半分で心霊スポットに行ってはいけないだとか聞くが、彼らもそれと同じで、半分自業自得の様な気分で鑑賞していた。
皆それぞれ背負うものがあるのは承知しているが、「結局面白半分で参加した自分が悪いのでは?」という気持ちが勝ってしまい、いざ事が起きてから霊から驚かされ、どつき回されてもイマイチ感情移入が難しいという難点はあった。
それも踏まえて考えるとあのラストは上手く回収していたと思うし、必然な形の様にも思える。
何がともあれ、「絶対に霊と接触するな!」これが本作の最大の教訓である。
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