「新しいようで古典的」TALK TO ME トーク・トゥ・ミー kozukaさんの映画レビュー(感想・評価)
新しいようで古典的
A24が北米での配給権を獲得し、大ヒットしたホラー映画。
オーストラリアの人気ユーチューバー、ダニーとマイケル・フィリッポウの双子の兄弟の初監督作品。
日本でのコックリさんのような、所謂憑依遊びが題材でホラーとしてはやりつくされた感のあるテーマなのでどうかなと思いつつ鑑賞。
近年のネオホラーはただ怖いだけではなく、社会性のある題材で重層的なストーリーが時流だと思うが、今作はヴィジュアル重視の古典的なホラー映画だ。
一部のホラー映画ファンはテーマ性など無いひたすら怖いのがホラー映画の醍醐味だと考えているかもしれない。
そうした人には今作はストライクかもしれない。
確かにビジュアル的にはスタイリッシュでクオリティも高い。
ただ、「呪いの手」の背景については掘り下げれば面白いと思うのだが、ほとんど触れていないし、主人公のミアは母親を亡くし、その母親が憑依で現れたことで、惨事に発展するのだが、このあたりは古典的すぎるのではないか。
憑依遊び自体は若者のドラッグの比喩だろうが、そこから深くは展開しない。
ラストのアイデアは面白いがなにも救いがないのはどうなのだろうか。
正直、YouTubeの延長のようなアイデア勝負の映画だと思う。
コメントする