「繊細な心理描写を言葉にしない美しさと品の良さ」彼方のうた サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)
繊細な心理描写を言葉にしない美しさと品の良さ
2024年劇場鑑賞23本目 良作 63点
2024年No.1見返したい作品かもしれない
風の噂に聞いていた、同監督作品の春原さんのうたが傑作らしく、登場鑑賞の機会を逃してしまった身としては、配信もされないであろうことも相まって杉田作品を堪能しようと少々浮き足で劇場に足を運んだのを覚えている
前述した通り、見れば見るほど理解が深まりより楽しめ愛が深まる、そういった作風な為まだ1/3も染み込んでいないと自覚がありながらも2024年も2/3が終わった今レビューを書きながら記憶を巡っている
さぞ杉田協士監督は繊細で奥ゆかしい感性の持ち主で、この人の生の声を聞いてみたい、深く共感するに違いない
あぁ面白いなぁと思えるシーンの数々ですが、あえて上げるなら物語冒頭の通りすがりの人を選定して店に案内してもらう所謂映画としての掴みの部分から興味をそそられた
大概の映画やドラマは最初の15分や1.2話で全体のエピローグというか、説明と惹きつけを行う掴みの部分でのめり込むし、作り手も意識するだろうけど、今作のそれは、悪くマジョリティな言い方をしたら"不思議な始まり"で、良くマイノリティな言い方をしたら一音一音聴き込む様な静かさの中に間と表情で人となりや歩んできた道を言葉以上に映像表現として伝える心理描写の美しさと品性に、洋画とはまた違うし、国外映画賞を取りやすい作風の濱口竜介や黒沢清などに通ずるも、また違った感性で妙に惹きつけられる
またどこかで、選びに選んび紡いだ台詞ひつとひつとを聞き入れ頭を翻弄させたい
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