市子のレビュー・感想・評価
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幸せになれるまで、何度でもリセットする⁉️
最後までハラハラドキドキしながら観ていた。逃げて逃げて逃げまくって、何度も罪を犯して、人生リセットしまくって、いったい何処に行ってしまうんだろう。最後のシーンの、若干勝ち誇ったかのようなふてぶてし気な市子の表情(私にはそう見えた)‥強っ‼︎だてに修羅場をくぐり抜けてないわ‼︎っ。メンタル最強。もう一度やり直しよ⁉︎。違うか??。杉咲花の市子役は良いなー。一見、何処にでも居そうな容姿に見えるけど、実際には滅多におめにかかれない。手が届きそうで届かない。口数少なくて煩く無い。話し方が良い。声が良い。ミステリアス。薄幸な影を纏っている。いつもは無表情なのに笑うとめっちゃ可愛い。魅力をあげればキリがない。気がついたら市子だけを必死で追っていた。好きだわー。魔性の女???。
杉咲花の演技力
良く分からないし具合が悪くなった!!
同年公開の「法廷遊戯」で杉咲さんの演技が良かったので、こちらも観ましたが微妙に感じました。戸籍のない女性が、難病の妹の戸籍を乗っ取って生きる話、かと思ったらそうでも無かったので、良く分からなかったです。また、北君の存在と喋り方がウザく、「ナイトクローラー」(2015年の洋画)的にこのキャラは間違い無く死ぬ!!と思ってそれが的中したようなのですが、演技派の杉咲さんを起用したのに殺害シーンが省略されていて、かなりガッカリしました。映画のクライマックスだと思うのですが、省略っておかしくないですか。戸籍を売りに来た?女性も死んだのでしょうか。ラストは長谷川との楽しかった過去のシーンが続き、結末がどうなったのか良く分からないし、まともな登場人物もあまりいないので具合が悪くなる映画でした。作家性を出そうとして気持ち悪い内容になったと思いますが、杉咲さんもメンヘラ演技専門になってしまうなら何か残念です。久しぶりにユナイテッドで観たのですが、立体音響で良かったです。
粗はあっても演技で持って行く力技
杉咲花という女優は、結構小さいときからテレビで見ていた記憶がある。子役あがりとまではいかないけど、それに近い印象。だから、大人の女性として恋したりセックスする役柄を演じているのを観ると複雑な気持ちになる。娘が(いたら)彼氏といちゃついているのを見てしまったときにこんな感情になるのかもしれない。
本作ではプロポーズされた翌日に失踪する市子を演じている彼女。穏やかな話し方で家庭的だった印象が、過去のエピソードとともに徐々に塗り替えられていく。なかなか壮絶な人生。でも、周りに振り回されながらも自分の人生を生きようとする姿がとても清々しかった。たとえ許されないことをしていたとしても。杉咲花だから醸し出せる雰囲気かもしれない。北くんのように魅了されて人生を狂わされてしまうのも少しだけわかってしまった。
杉咲花だけでなく、他の俳優たちもとても上手なので、あの世界観につい引き込まれてしまった。自分があの世界で疑似体験している気分。刑事が聞き込みに一般人(しかも重要参考人の恋人)を連れて行くわけがないといった脚本上の粗があったことはたしか。でも、そこまで嫌悪感を覚えるものではなかった。元々は芝居の脚本なら、そんな展開もあり得るかと妙に納得する。ただというか、だからというか、スッキリする終わり方ではない。観る者の判断に委ねる部分もかなりある。とてもつらいことが待ち受けている予感はあるが、市子の未来に少しでも幸せがあればと願うだけだ。こんなことを感じてしまうのだから完全に世界観に浸っている証拠。
杉咲花の女優としての凄みを存分に感じることのできる本作。確実に彼女の代表作の一つになるばだ。
果たして市子は悪魔なのか
つい最近たまたま市子のような人たちの記事を読んだばかりで、なんとなく途中で市子の境遇が想像出来たので、あまり衝撃的でなはかった。
だけどこれまでの市子の人生は、なかなか過酷だった。
月子を見下ろす市子と、市子を見上げる月子。おそらく衝動的ではない姉妹の覚悟のような視線。
そして、その後の『市子ありがとう』はぎゅっとなった。市子もお母さんもしんどかったんだなぁ。
逃げる市子と、市子の人生を辿る長谷川君、なんかずっとイラついてるように見える北君。それぞれまっすぐなのに、どこか不安定。
演じる3人は若いけどキャリアは長いから、安定感があって良かった。
ラストで市子と北君が、どういうやりとりがあったのか気になる。
市子とは
想像していた以上に壮絶で生々しい1人の人間の人生の一部を垣間見たようだった。
市子は1日1日をどんな思いで生きていたのか。
彼女の笑顔と涙が頭から離れない。
笑顔と涙の裏側にはいったいどれほどの葛藤や孤独、苦しみがあったのだろうか。
当たり前に存在するものが当たり前ではなく、細やかな幸せが細やかではないのだということ、忘れてはいけないなと思う。
最後まで市子という人物が掴めなかった。
けれどその掴めなさこそが、人間の真の姿なのかもしれない。市子という人物、市子の人生について、想像することはいくらでもできるけれど、きっと想像には及ばない。
他人から目に見えるものなんてきっとほんの一部で、それさえも正しいといえるのだろうか。この人はこうだ、こうに違いないと想像することはいくらでもできるが、他人が簡単に決めつけて言い表わしてしまっても良いのだろうか。
きっとこの世界には、まだまだ自分の想像も及ばないような人間がいて、物事があるのだろうと思う。
杉咲花さん素晴らしかったです。圧巻でした。
市子は誰よりも力強く確かにそこに生きていました。
映画.COM 等での評価が高いので鑑賞しました。
市子は「ただ幸せになりたい」だけなのに、
日本の!"戸籍制度" から、産まれた闇の中で、彼女は生きる為に もがき、苦しむ。
年齢を感じさせない 杉咲花さんの演技力と存在感が素晴らしく
本作は彼女の良さを最大限に引き出せた映画となった。 <主演賞>
撮影、脚本も素晴らしく、鑑賞者を 素直に推理させず、翻弄させる小ワザも多く埋め込んでいる脚本は傑作だ。
その脚本で、映画の最後は「ありがとう」と、結んだ。<脚本賞>
観客に臨場感を与える為に、撮影は ほぼ全部 三脚を使わずにハンド撮影 演出された微妙さは絶妙だった。<撮影賞>
印象的なのは序盤にある"トンネルのシーン"だ。
このカットこそが この映画を投影する 全てだった。
また、学生時の雨のシーンでのことば「みんな、流れてしまえ」と、彼女が口付ざさむ“虹になる曲(題名わからず)”は、彼女の中の深層心理を うまく表現できていると、思います。
この映画を観たら、「ある男(2022)」を観るといいでしょう。
結局は何も話せない自分を観ている
結婚しようとしたら突然失踪する彼女
映画は彼女の過去を追っていく
戸籍のこと、障害者の介護、性暴力
こういうことが存在するにしても、盛り上げすぎるように感じる
主演女優は素晴らしいし、終盤彼女を探し求める男との暮らしに辿り着く構成も納得できる
しかしもどかしさが拭えない
こう生きるしかない今の肯定に、絶望しかないからか
微妙な人間関係
市子の出生の秘密と、彼女の人生に関わってきた人間との微妙な人間関係のうえに生きてきた市子。そうせざるを得ない状況とは言え、彼女の犯した事を認められない部分もあります。全体的には、展開や人物設定などは良かったですが、最後はどうかと思います。市子に最後の展開が何かあっても良かったのでは?
思ったほどでもなかった
考えさせる白夜行?
新作映画選択の参考としている日経新聞電子版のレビュー評価が以外に普通だったが、キャストと内容から期待を持って映画館へ。
本作のストーリーもそうだが、主人公を好きになってくれる人達は登場してくるが、逆に彼女の孤独を感じる作品となっており、人の他者との関わりについて考えさせるものになった思う。主人公の過去が行きつ戻りつするので、少し分かりにくいところもあるが(パンフにある年表が確認には便利)、ラストも含め観客に委ねるところもあり、いやミスとも違う味わいが残る。「考えさせる『白夜行』」というところか。細かいツッコミどころはあるだろうが、主人公には、どこかで焼きそばと味噌汁を味わっていて欲しいと思わせる作品でした。
悪魔のような女?
「長谷川さんこれ誰なんですか?」「市子です。」「そりゃどうも。存在せえへんのですよ。」
訳あって、なりすます物語。最近だと「ある男」とかと同類の物語。共通するのは、なりすました人間が悲しいサガを抱えていること。自分自身では抗えない人生を生きてきたこと。そして、そんななかでも幸いなのは、わずかでも味方になってくれる人間がいたこと。そして、残念なことに、なりすました人間は結局幸せをつかむことができないこと。
「みそ汁の匂い。幸せそうな匂い。憧れの匂い。」
「うちな、花火好き。」
「嫌いな人おらんで。」
「でもな、みんなが上見てるとき、うち安心すんねん。」
「最高や。全部流れてしまえ。」
なりすましと分かったうえで頭から見ていれば、市子のひとつひとつのセリフが全部フラグになっている。初めから人生を諦めてる市子のテンションは終始低く、ときに夢を見る気持ちが芽生えたときに見せる笑顔が反動で切なく見える。その絶妙な熱量を杉咲花が好演している。長谷川役の若葉竜也もよい。二人ツーショットの写真が飾られている本棚には、サニーデイのCD。そのセンスがまた、いい。
ただ、北君と自殺志願(?)の女はなぜああいうことに?市子がそうしたのか?もしくは、市子を守るために二人がその行為を選んだのか?それによっては市子に対するこちらの気持ちはずいぶんと変わってくるな。
ふと思う。世の中、これだけの人が生きている。例えば年間自殺者の数はかつては3万人といわれた(近年は若干減少したようだが)。そこに意識が行きそうだが、じつは失踪者の数においては8万人ちかい。その8万人がすべて自分の意思で消えたわけではないだろう。何人か、いや何割かはこれと似た状況での失踪(市子だけでなく、北君や自殺志願者含めて)であると思えなくもないな。
23-145
自分としては生きられない
時系列が行き来する中で、“市子”という存在が朧気に象られる。
市子は何故、プロポーズの翌日に姿を消したのか。
長谷川ならすべてを話しても一緒にいてくれたように思うが、そこまで信じられなかったのか。
あるいは、無戸籍による負担や過去の罪を背負わせたくなかったのか。
本作は、市子の“外”からしか描かれないため、彼女の真意は分からない。
キキの元を去ったことや、北のところに身を寄せることになった経緯など空白も多い。
それにしても、相変わらずこういう映画に出てくる男は漏れなくクズですね。
宗介は逃げずに受け止めろ、北は押し付けがましい。
逆だったら、ヒーロー気取りの北は受け止めただろうし、チキンの宗介ならストーカー化しなかったと思うと皮肉。
月子と小泉の件は同情も擁護もするが、最後の(冬子はまだしも)北のことはサスガに非難したい。
そこまで追い詰められ、タガが外れたのか。
高校卒業後から“市子”を名乗り続けていた彼女が、自分として生きるのを諦めたことも辛い。
聴き込みに同行させるなど有り得ないので、市子を追うのは刑事だけでよかったとは思う。
あるいは長谷川の職業を記者にするとか。
他にもツッコミどころはあるが、杉咲花の圧巻の演技がある程度相殺してくれた。
最初に逃げ出す時、荷物は先に落とせばええやん…とか言ってはダメですかね。笑
市子の子役が、見た目も声もミニ前田敦子に見えた。
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