市子のレビュー・感想・評価
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あとを引く感覚がすごい
もちろん杉咲花は素晴らしい。こんなに悲しくて苦しくて切ない役を完璧に演じています。若葉さんや他の俳優さんたちも皆さん素晴らしいです。何時間でも観てられます。このようないろんな時間軸で行ったり来たりしてると何か訳分からなく事になったりする事もありますが、本作は出てくる役者さんたちのメリハリが効いた芝居や演出が素晴らしく完璧です。最後の方に出てくる自殺願望の人やストーカー的な森永さんも最後そうなるんだ!という感じでした。最近ハピネットファントムスタジオは素晴らしい作品を送り出しますね。たしかバンダイ系のおもちゃ問屋さんから始まってテレビゲーム流通で大きくなり、ミニシアター系の洋画の配給からはじまり今や映画界のメインプレイヤーになりつつあり、キノフィルムもそうですが新興勢力が邦画界を盛り上げてくれて嬉しい限りです。
無題
鼻歌と静かに流す涙
私も終映後しばらく動けなかった
秘密を知るものだけが味わう苦痛
余韻に浸りたかった
市子の笑顔が可愛いだけに守ってあげたくなる
友達も良い子ばかりだった
きっと母親も綺麗なだけに色々苦労したんだろうな
あの時も母親は鼻歌を歌っていた
顔はあまり見えなかっただけに想像して自分が涙する
この親子はお互いにちゃんと愛情はある
表現が少し苦手なのかな
"法廷遊戯"では恐怖を感じましたが
こちらは静かに絶望感
3月公開の"52ヘルツのクジラたち"も楽しみです
杉咲花さんの演技に圧倒される秀作
失礼ながら、杉咲花さんは見た目も演技も子供みたいで、これまで全く魅力を感じませんでしたが、本作の彼女はすごいです
無戸籍児として自らのアイデンティティを否定され、不幸な家庭環境で絶望の淵で生き続ける主人公 川辺市子という到底 一般人には理解できない超難解な役を演じる杉咲さんの渾身の演技だけでも見る価値のある作品だと思いました
日本には市子のような無戸籍者が一万人ぐらいいるそうで、その人達が皆、このような辛い思いをしているかと思うと心が痛みます
それでも一生懸命生き続け、なんとか自分で幸せを見つけそっとしておいて欲しいのに、人の人生は残酷でとんでもない方向へ転がっていく、という顛末には驚愕を覚えました
市子はただただ幸せを願い、ようやく若葉竜也さん演じる長谷川くんと出逢いプロポーズまでされたのに、その辛すぎる出自と生い立ちはとんでもない”怪物”を生み出してしまったのか
と、観ていてめちゃくちゃ苦しいエンディングでした
時代が行ったり来たりしながら、市子を追う人々と一緒に彼女の人生を噛み締め、全貌が明らかになっていくストーリー展開が見事、グイグイ惹き込まれ、あっという間の126分でした
そしてそんなエモーショナルでスリリングな物語を彩る俳優陣も素晴らしかった
特に宇野祥平さん演じる後藤刑事が渋かったのと、中村ゆりさんが色っぽくてすごく綺麗でした
なかなか見応えのある良作でした
仕方なかったはありなのか
いくつかの問題を何層にも重ねて描かれている
フィクションとも思えない理不尽な状況に感情移入し、怒りと恐怖を感じ、市子の涙にこちらも涙した
ただし、不幸な境遇に翻弄された女の子をかわいそうだなと思う話しとするほど単純では無かった
市子とはどんな人間だったのか、観る人によってその人物像は様々であるように思う
個人的に、今年いちばん心をえぐられた
ちなみにわかり辛い時系列はパンフレットに年表が添えられている
原作は舞台作品であるという
この内容がどのように舞台上で演じられたのか非常に気になった
映画の興行が成功し、舞台の再上演など企画されたなら観に行ってみたい
正直いって本作は傑作だと思う
ぜひ映画館に観に行って、内容を人と論じて欲しい
以下、ネタバレ
エピソードは様々あるが、
わたしのレビューでは殺人についてのみ論じようと思う
作品の中で描かれた市子の3つの殺人
時系列で並べると、1.妹 2.義父?(修正:福祉課の小泉・パンフレットにて確認) 3.北と女の子
これらの殺人に重い軽いはあるのかが自分の中で引っ掛かった部分だった
状況が市子を殺人鬼にしたのか、元から市子にサイコキラーの素質があったのか
市子を演じる杉咲花がはかなげで、可愛いことがこの状況なら仕方ないよねと思う気持ちを助長したとも感じた
だが、3つ目の殺人で、市子が北もろともクルマを崖に落とす事を選択したことを知った時にハッとさせられ、市子の本性を見た思いがした
これらの殺人は3つとも全てが市子の人生を修正するために彼女にとって必要な殺人であったと思う
だが、限界を迎えていた精神状態での前2件は仕方なくて、3つめの殺人は利己的だと言えるのかは大きな問題点で、人を殺めても法の裁きを逃れ続けてきた人間の狡猾さが3件目の殺人で鮮明に現れたのでは無いだろうか
そんな気分でむかえた市子の鼻歌をバックに流れるエンドクレジットに空恐ろしいものを感じた
今後、市子は新たな名前と戸籍を手に入れてケーキ屋さんになるのだろうか
家族団欒を手にする日が来るのだろうか
そのとき、我々はそれをよかったねと笑顔を送ることが正解なのだろうか、、
市子なんて○○なのに応援しないわけにはいかない。
◆無国籍であることが市子を翻弄する。前日プロポーズされたのに無国籍だから逃げ出す。もちろん「結婚はしないけどずっと一緒にいたい」と市子が言うのも有りだが、市子は逃げることを選んだ。バッグは先に落とさんかい。
市子の思いや考えは分からない。市子が、感情や思考を語ったりしないように脚本を何度も練り直したらしい。 だから、市子の行動と周りの証言から推察するだけだ。
(終わり)
(続き)
◆市子が月子の酸素マスクを外して殺してしまったあと、帰ってきた母親(中村ゆりさん)が言ったセリフが、「ありがとう」。 悲しむより、怒るより前にホッとしたからだと思う。別に母は今まで殺そうと思ったことはないだろう。だけどホッとしたのだろう。
聞いた話なのだが、ガンなどの病気の看病が長く続くと、亡くなった時まずホッとするのが先のこともあるらしい。もちろん悲しいのだけど、なんかホッとするのが先だったりするらしい。
僕は、芸能人がテレビで自分の体験を語ってたのを聞いただけだ。確か対談番組で、ゲストが、身近の者が長い闘病の末亡くなったとき「まずホッとした」と言ったのを受けて、「分かる、僕もそうだった。悲しいんだけどまずホッとした」と司会者が共感したのを見ただけだ。
ところで市子は現在、冬子になって逃亡中。多少同情もするが、市子なんて4人も殺して殺人犯。だけど、逃げろ市子ォ~、と思ってしまった。冬子だけど。
◆時系列で混乱したが、ちゃんと追えたと思う。ん~、たぶん?(^^) 。 パンフレットでは時系列の年譜があるらしい。
(ホントに終わり)
天使と、悪魔と
いやぁ~、今年も終わりかけの時期に問題作を見てしまいましたよ。
本作を見ていると、それぞれの映画にはそれぞれの目指す地平があり、それがどんどんと多岐にわたり、昨今の作品は昔の様に単純には理解や感動を見ている者に与えてくれない作品が増えてきたように感じてしまいます。
本作などはまさにそれで、確実に力作だとは思うのだけど、何か理解できないモヤモヤも残り、その為に単純に絶賛したり傑作だって言われることも拒否している様な気配も感じられました。この辺り、最近の日本映画の力作に共通している要素であり項目かも知れません。
基本的に、サスペンス&ミステリー風味の作品なので、何を言ってもネタバレに繋がってしまい感想が書き難いのですが、別にネタバレ書いても読み手には何のネタバレにもなっていない様な作りにもなっています。要するに答えを用意していない作品であるからです。
“答え”というのは“テーマ”でも“メッセージ”と置き換えて貰っても良いのですが、珍しくもテーマもメッセージもない問題作なのです。
だからと言って、決して空っぽの映画ではなく、非常に濃い密度の作品でもある訳です。なので鑑賞後モヤモヤとしてしまうのです。
モチーフ的には『ある男』に通じる作品で、物語的には主人公「市子」とは一体何者だったのか?を探す旅という部分では同様でした。
しかし過去が明らかになったとしても、結局彼女がその状況下でどのように性格形成されたのかは他の登場人物にも観客にも理解できないし、その行動について(神目線もなく)肯定も否定もせず観客に委ねられるのは、多くの観客にとってはしんどい(というより答えのない)宿題を突き出された気分になるのです。
ナポレオンのキャッチコピーが「英雄か、悪魔か」で、本作のコピーは「本当の彼女を誰も知らない」ってなっていましたが、こちらは「天使と、悪魔と」で良いのでは…
杉咲花の杉咲花のための杉咲花による映画。
テーマは重い。がしかし絶望が支配してはいない。確かに周りの多くが不幸になるかもしれない。不幸が市子を支配し市子は周りを不幸にするかもしれぬが、それでも市子は生き抜いていく。市子の特殊な特性により物語は推進されるが、それでもこの映画、重い映画にありがちな性や暴力はほぼ前面に出ない・・むしろ不幸の中に降り注ぐ市子への一条の光にこそ、そこにフォーカスされる点がこの映画を救っている。そしてこの救いこそが実は現実にこの世界の見えぬところで起こっている真の人々の不幸が、重いテーマとなって観る者にのしかかってくる。それを見事に提示してくれた眞に静かな作品といえよう。主演が杉咲花でなければこの映画は成立しなかったであろう。
色んな問題が詰め込まれてて、誰も幸せにならなくて観てるの辛い。 低...
花ちゃん大人になったね。
杉咲花演じる市子が、突然いなくなる。プロポーズされて嬉しそうだったのになぜ?それから始まる市子探しと、過去の話。小さい頃や学生時代に学生やめてから。苦手な時間の行ったり来たり。過去に戻る時は表示されるが現在に戻る時は、えっ!?の繰り返し。最初に、あれ?って思ったのは初めて月子が出てきた時、この子市子じゃなかったっけ?自分の目が悪いのかと思ったら、あらそうだったのね。それにしても学生時代は自分の真実を隠し続ける嘘つき女子なのにモテまくり。それだけ気遣いをしてたって事なのかな。とにかく市子の事が可哀想で、ずっとウルウルしてました。大人になった同級生の男子も一生懸命探してくれる。なんで?ずっと惚れっぱなしってことかな?そりゃ無いよな。えっ!そこにいたの?でもまた逃げた?良い子の市子、殺人犯だったの?色んな事がハッキリしないでモヤモヤ。ラストはオチ無し?
この話、もう少し法律とのやりとりが欲しかったな。だって現実にこんな人いるでしょ。自分も巻き込まれるかもしれないんだもん。結構重い流れで、市子はほとんど喋らない。けど周囲の人達の優しさに共感。かなり楽しめました。
ひた隠すにも
冒頭から終末まで雰囲気はヘビー級
「市子」タイトルどおり市子の周りで起きる事件を描いたストーリーだが、市子目線で描かれるストーリーはほぼ無し。
基本的には、市子周りのキャスト目線で、市子についてのストーリーが描かれている。
映画を観ていると、市子の仕草や話し方、笑顔が魅力的すぎて観客はどんどんと市子そのものに吸い込まれていったのではないか。
登場人物の全員が市子を救いたい、という切実な思いをもっているがその闇の深さに手が負えない情勢。
さらに主演目線の気持ちは描かれておらず、
市子の気持ちは市子にしか分からない。
つまり観客の感受性に委ねる構図。
ラストシーンまで考えれば考えるほど、私も蟻地獄に落ちてしまいそうな気分になる。
個人的には今年一のヘビー級映画で久々に喰らいました。
俳優陣の演技が光るも評価が難しい
明日、自分がどこにいるかも分からないとしたらどんな希望があるのだろう
映画館告知で少し見てフライヤーのインパクト強く気になったので鑑賞しました
全体的に暗くジメジメっとしたたまにある暗い邦画と思いますが最後までドキドキしました
物語は平坦に進んでいきますが…
説明しすぎないところが良くてプロファイリング的に過去に関わりがあった人の名前だして過去と現在を転換したのが入ってきやすかったです
テーマとしては重いしすぐ解決できるわけではなくヤキモキした気分で映画館を後にしましたがこれはこれで好きなんですよね〜
杉咲花さんのミステリアス感出すの凄いですよね 直近の法廷遊戯でも思いましたが😤
これでもか!ってくらい市子は過去でも現在でも黒い服着てたけどどんな意味合いだったんだろう…
嘘や隠し事が強いほど黒い服になるんかなぁ…
でもそうだとしたら長谷川と写真撮ったとき市子が白い服で長谷川が黒い服だったんだよなぁ…
最後のシーンは不気味だけどそれが良かったです😀
「砂の器」の現代版、今年見た映画の中では最高傑作です
今年見た映画の中では最高傑作です。
笑いがない、勧善懲悪でない、救いを入れない、重たいテーマなのに主張していない、
かつて見た「砂の器」を彷彿させます。
見事な場面は2つ
まず、殺人シーン、殺す方、殺される方の目の表情がすごい、殺す方の目の表情は「2001年宇宙の旅」のHAL9000と同じ、その後の「市子、ありがとう」の言葉が秀逸
次にラスト「結局、どうなったのだろう」と言うところをあえて描かないところがすごい。「あとは見た人が想像しろ、たぶん、そのとおりだ」と監督が言っているような気がしました。
時系列が頻繁に前後するので、映画館でじっくり見ないと分からなくなってしまいます。その意味では、映画らしい映画だと思っています。
他のレビューでも触れられておりますが、杉咲花さんの演技がすばらしい。
幸せになれるまで、何度でもリセットする⁉️
最後までハラハラドキドキしながら観ていた。逃げて逃げて逃げまくって、何度も罪を犯して、人生リセットしまくって、いったい何処に行ってしまうんだろう。最後のシーンの、若干勝ち誇ったかのようなふてぶてし気な市子の表情(私にはそう見えた)‥強っ‼︎だてに修羅場をくぐり抜けてないわ‼︎っ。メンタル最強。もう一度やり直しよ⁉︎。違うか??。杉咲花の市子役は良いなー。一見、何処にでも居そうな容姿に見えるけど、実際には滅多におめにかかれない。手が届きそうで届かない。口数少なくて煩く無い。話し方が良い。声が良い。ミステリアス。薄幸な影を纏っている。いつもは無表情なのに笑うとめっちゃ可愛い。魅力をあげればキリがない。気がついたら市子だけを必死で追っていた。好きだわー。魔性の女???。
杉咲花の演技力
良く分からないし具合が悪くなった!!
同年公開の「法廷遊戯」で杉咲さんの演技が良かったので、こちらも観ましたが微妙に感じました。戸籍のない女性が、難病の妹の戸籍を乗っ取って生きる話、かと思ったらそうでも無かったので、良く分からなかったです。また、北君の存在と喋り方がウザく、「ナイトクローラー」(2015年の洋画)的にこのキャラは間違い無く死ぬ!!と思ってそれが的中したようなのですが、演技派の杉咲さんを起用したのに殺害シーンが省略されていて、かなりガッカリしました。映画のクライマックスだと思うのですが、省略っておかしくないですか。戸籍を売りに来た?女性も死んだのでしょうか。ラストは長谷川との楽しかった過去のシーンが続き、結末がどうなったのか良く分からないし、まともな登場人物もあまりいないので具合が悪くなる映画でした。作家性を出そうとして気持ち悪い内容になったと思いますが、杉咲さんもメンヘラ演技専門になってしまうなら何か残念です。久しぶりにユナイテッドで観たのですが、立体音響で良かったです。
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