「散漫」市子 みみずさんの映画レビュー(感想・評価)
散漫
予告編はかなり既視感のあるものだったが、
だからこそどう落とすのか気になって足を運んだ。
だが、早々にほぼ結論ありきでサスペンス性は乏しく、
想定を超えるような展開はほぼなかった。
また、各々のエピソードに深みがなく、
十分に咀嚼しないままで回収されずモヤモヤが残った。
ラストも然り、こういうのがゲージツなのだろうか。
さらには杉咲花の熱演には魅入られたが、
違和感や稚拙さを感じてしまう共演者も散見され、
映画に没入できない要因のひとつとなった。
これらが相俟って少々ウトウトしてしまう場面もあった。
映画とは関係ないが、
派手さのない作品のせいか観客がすべて中高年のお一人様だった。
整然と適度な間隔を空けて席を取り、
上映中はもちろんその前後もほぼ余計な物音はなく、
エンドロールが終わって明るくなるまで誰一人席を立たなかった。
実に理想的で快適な空間だった。
観賞者たるものかくありたいものよと映画より感銘を受けた。
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