「このような社会派を装った駄作を持ち上げる事こそ日本の闇」市子 モンブランさんの映画レビュー(感想・評価)
このような社会派を装った駄作を持ち上げる事こそ日本の闇
やたら絶賛されていたので鑑賞したが、何でも他人のせい、"日の当たらない場所に光を当てている自分"に酔った人間が作ったとしか思えない非社会派ダークファンタジーとでもいうべきか。まさかジョーカー、半地下の家族のような知性のない駄作が日本でも作られ絶賛されるとは…ただただ呆れるばかり。少し考えれば、おかしい事ばかりなのだが。
そもそも子どもの権利は?
終始カメラの揺れが酷すぎて酔った。こんな酷い物をお金を貰って人に見せようとする神経が理解出来ない。お金を貰っても見たくない。観客を馬鹿にしている。
ここからはネタバレあり。
まともに取材してないのがまるわかりな駄作。
この妹は障がい者手帳を貰ってないのか?
福祉サービスも一切なしであの医療器材はどうやって調達維持したのか?
重度の障害を持っているはずの子供が学校に健常者として通ってばれないのか?
病名だけ提示して雑な作りで病気を軽々しく道具として扱うことに躊躇もない作りで社会派ぶった作品。
市子は杉咲さんの作品選びの信用を失墜させた。今まで杉咲さんの作品はわりと見たが、それがなかったら二度と見たくない俳優になっていた。
先日杉咲さんが次の作品のインタビューでその事について話していたが、考えを改めたということだろうか。
3年も一緒に暮らして嘘をつかれてたわけでもなく素性を知らなかったのも、そんな相手にプロポーズするのも気持ち悪い。誘拐犯の心理みたいなものだろうか。
そもそも3年一緒に暮らしてる感じが全然しないのは演技力の問題なのか俳優同士の相性が悪いのかわからないが全く説得力がないと感じた。
市子が泣いたのはちょろい男と住んでたが、また1からやり直さなければという涙なんだろう。それにしても逃げようとしてるのに次の日テレビを見る余裕っぷり。長谷川が帰って来てから慌てるのも不自然。
警察が一般人にペラペラ話し行動を共にしたり、長々と戸籍の説明をし同情を誘っていたが、違和感しかない。
宣伝文句で市子を宿命としていたが、全くもって宿命ではない。子供の時の戸籍がない事も宿命ではなく、悲劇程度。親が出生届を出さなかっただけでいつでも改善出来ただろう。実際宿命は病気を患い自身の自由が効かない妹に使うべき言葉だ。一度は戸籍を取得しようとした時点で逃げたのは自分の意志。
そもそも、夫に居場所がばれない為に出生届を出さないという知識があるのが違和感なくらい何も考えずだらしない母親で矛盾を感じる。夫に問題があるなら通報し、戸籍は子供の当然の権利として取得、事実婚の相手が本当に家族として受け入れるなら養子に出来そうだが。役所が使えないと言いたいのかはわからないが、この母親がそこまでの努力をしていないように感じるが、子供の権利まで奪って役所に相談せずにいた理由はなんなのか。たしか妹は3歳違いだったはずだが、妹の戸籍は取得。せめてその時点で相談しないのはなぜか。不幸な可哀想な母娘演出と法律を無視する母親の選択をまさかの法律から抜け落ちたかのような演出に辟易する。小学校で誰もが習ったはずのこどもの権利条約すら忘れて書いてるのか?法律は守りません。でも権利は主張します。というような活動家の映画だろうか。まぁそういう人間もいたとしよう。その責任も当然親が負うべき事だが。
日本で子供が学校に行かなければ一般的に不審がられる。妹になりすますまで声も出さず、外にも出ずだったのか?
母親が申請しなかったとはいえ、妹になりすまし外の世界を知っているなら殺人が問題だとわからないわけはない。演出では介護が大変だったように見せようとしていたようだが、さして介護をしているような演技ではなかった。杉咲さんは過去作で介護を担う役を演じてそれなりに見えていたが、本作では普段から介護らしい介護はしていなかったようにしか見えなかった。逆にそういう演出ならば、介護苦での殺人というよりただ邪魔だからということになる。
窓開けておいて市子が襲われそうになってるのをわかりながら外から見ているのも気持ち悪い。インターホンなり大声で忘れ物!とでも叫べば状況変わるぐらい出来そうなのにしない。無理やり気が利かない男にしてそのシーンを見せるのも気持ちが悪い。殺人への持っていき方も雑。
北が気持ち悪いストーカーのように扱われていたが、むしろ長谷川の方がより気持ち悪いなよなよストーカーにしか見えなかった。それを良い人のように見せようとするせいで尚更気持ち悪い演出だと思った。
若葉さんの演技も演技に見えない自然な演技というよりただやる気がないように見えた。泣きそうな顔してるだけ。よく考えたら若葉さん出演作品いくつか見たことがあったが全部内容もなくだらだらと気持ち悪かった。そこで気づくべきだった。
病気の妹は雑に扱いながら中盤の無駄に長いキスシーン。この監督はこれが撮りたかっただけなんだろう。ただ気持ち悪いだけだったが。わざわざ見せなくても学生時代からそういう子だったことはいくらでも見せられる。
実際に題材になっている状況下にいる人に対して、あまりにも無礼で、フィクションだから何をしてもいいという驕りを感じた。
唯一森永さんはいい俳優だと思った。杉咲さんと森永さんの無駄遣い。同じ題材でも中学生ですらここまで酷く書けないだろう。
無理やり良い点をあげるなら見た感想でその人の犯罪傾向がわかることくらいか。
馬鹿みたいに騒ぐ頭空っぽ映画の方がずっとマシ。★0.5もつけたくない邦画史上最低な駄作。