「自分としては生きられない」市子 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
自分としては生きられない
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時系列が行き来する中で、“市子”という存在が朧気に象られる。
市子は何故、プロポーズの翌日に姿を消したのか。
長谷川ならすべてを話しても一緒にいてくれたように思うが、そこまで信じられなかったのか。
あるいは、無戸籍による負担や過去の罪を背負わせたくなかったのか。
本作は、市子の“外”からしか描かれないため、彼女の真意は分からない。
キキの元を去ったことや、北のところに身を寄せることになった経緯など空白も多い。
それにしても、相変わらずこういう映画に出てくる男は漏れなくクズですね。
宗介は逃げずに受け止めろ、北は押し付けがましい。
逆だったら、ヒーロー気取りの北は受け止めただろうし、チキンの宗介ならストーカー化しなかったと思うと皮肉。
月子と小泉の件は同情も擁護もするが、最後の(冬子はまだしも)北のことはサスガに非難したい。
そこまで追い詰められ、タガが外れたのか。
高校卒業後から“市子”を名乗り続けていた彼女が、自分として生きるのを諦めたことも辛い。
聴き込みに同行させるなど有り得ないので、市子を追うのは刑事だけでよかったとは思う。
あるいは長谷川の職業を記者にするとか。
他にもツッコミどころはあるが、杉咲花の圧巻の演技がある程度相殺してくれた。
最初に逃げ出す時、荷物は先に落とせばええやん…とか言ってはダメですかね。笑
市子の子役が、見た目も声もミニ前田敦子に見えた。
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sow_miyaさんのコメント
2024年3月12日
共感ありがとうございました。
> 最初に逃げ出す時、荷物は先に落とせばええやん…とか言ってはダメですかね。笑
これ、全く同感です。そこまで慌てていたのかもしれませんが。