「いったいどちらなんだ⁉️」市子 グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
いったいどちらなんだ⁉️
どうしても『ある男』との違いを考えてしまう。
かなり大雑把に言うと、
①『ある男』は、過去の自分を無かったことにするために別の男の過去ごと手に入れた。
②『市子』は、法律上、無の存在である自分に未来をもたらすために別の女の過去を塗り替えて引き継いだ。
①は不当な手段を用いており、〝違法〟
②はもちろん法律違反であるが、反社会的行為(ここでは暴力団等に限定した意味ではなく社会に不安を招くという広義の意味)である殺人まで犯しているので〝不法〟
たぶん、辞書的には違法と不法とで、それほど明確な相違はないが、敢えて自分なりの感覚で①と②の違いを表すとすれば、そういうことになる。
法律を違える(たがえる)ことと法律を無いものとして否定することはやはり違う。
ある男へは一定の共感性が生じるのに、市子には不運や不幸への憐憫の情は強いものの、共感性は湧かない。
杉咲花さんの鬼気迫る演技に気を取られていると、重いけれどどこか深くまで沁みてくる映画のように勘違いしてしまいそうになるが、冷静に眺めてみるとなんとも不可解で捉えどころがないだけの凡作にも見えてくる。
いったいどちらなんだ⁉️
最終的にアレするしかなかったのは、心を持ったからと思いましたが、正直言って「法廷遊戯」の杉咲花とダブって見えました。
鬼気迫る演技でしたが、どっちもなかなかのぶっ飛び具合でしたね。
我に帰ると、取り返しのつかないことを自発的にしているのは明らか。
人を惹きつけながら、自分を生きている。それは彼女の素性なのか、長い逆境で培った生きのびる術なのか。
観客席でたしかに勘違いを起こす私がいました。
たくさんのひとを惑わすような最高の演技をみせてくれた杉咲さんがすばらしい〜。
グレシャムさん、共感ありがとうございます。
山梨に移り住んで三年、とうとう映画館一件になりました。泣。市子も東京に出たついででやっと観れました。いつもグレシャムさんのレビュー参考にしてます。
femme fatalさん
コメントありがとうございます❗️
市子ちゃん、確かに強い‼️
鼻っ柱の強そうな花ちゃんを通しての市子は、〝運命に翻弄されて〟とか〝宿命からは逃れられない〟という類いの受け身なタイプではなくて、法律とかはどうでもいい、生きてく道は自分で切り開くしかない❗️という独力で歩いていける強さがありました。
自分のことは自分で守ってましたね。
こんにちわ!
映画自体が凡作とは思いませんが、女性の私からは何守ってあげたいなんて言っちゃってんの?とは思います。(笑)ある男はひたすら重かった。あっちこそ幸せになって!守ってあげたいと思いますが、こっちの市子ちゃんはちゃんと戦えていますよね?