「ファムファタルを描きたいのか、社会派に寄りたいのか、複雑なプロット...」市子 sugsyuさんの映画レビュー(感想・評価)
ファムファタルを描きたいのか、社会派に寄りたいのか、複雑なプロット...
ファムファタルを描きたいのか、社会派に寄りたいのか、複雑なプロットで観ている方に投げかけるのは映画的な深みとは思えない。「キリエのうた」と類似する部分が多いが、凡庸なストーリーを誤魔化すためにいたずらに時系列シャッフルするのはいかがなものか。主演女優の力量をもっと信じろ、それだけで映画として成立しているだろう、と言いたくなるのも共通する。杉咲花が終始素晴らしい(首筋に滴る汗の艶めかしさよ、あんな同級生がいたら男子高校生なんてダース単位で人生破滅させられる)だけに周りの男どもの愚鈍さが一層腹立たしく(そこで泣いてんじゃねーよ!とか高校時代のイケメン彼氏はどこ行ったのかとか)、あと10人くらい殺して血河屍山を踏み越えて幸福になる結末だったら満点だったと思う。
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