劇場公開日 2024年7月5日

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「わかるやつにはわかる濃ゆい映画」フェラーリ まるこきあすさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0わかるやつにはわかる濃ゆい映画

2024年7月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

難しい

イタリアが舞台なのに英語?はさておき。
この映画、エンツォ・フェラーリの激動の人生の「ごく一部」だけに焦点を当てた、いわゆる「深堀り」系映画となっている。
見る前までは(予告編すら見ていなかったので!)もっと広い時間軸での話かなと。
ディーノはもちろんの事、チェザーレ・フィオリオとか、チョイ役でフェルッチョ・ランボルギーニとか、ニキ・ラウダも出てくるかなぁ・・とか思ってたら。もっと極点的な深堀系だった。
しかし、コレが見ごたえある。
経営難、家族問題、レースの実績、それらの難題が一気に降りかかり・・・フェラーリのロッソ・コルサは「血の赤」か??魔性の赤か?カンパネラ・ランパンテは死を呼ぶ馬か?エンツォ、あなたは人か怪物か?神か魔物か?そこまで業を背負うか?と言う重々しくも濃ゆい内容。
そして、知ってる人なら思わず「ニヤリ」とする細かい描写。
何年か前に「フォードVSフェラーリ」があったと思うけど。
この映画、そのちょっと前の話。
あのシーンのあの話が後にああなってこうなって・・・なるほど・・・繋がるのね・・。
この映画の終盤が、期せずしてあの映画の序盤につながるのかと思うと胸熱展開・・。
ディーノも出てたし。(映画内ではお亡くなりになってたけど)
ディーノの存在のデカさは、ディーノ246でもお分かりのとおりだし。
そして、1957年ミッレミリア。あ~~~これかぁ・・・・。悲劇のミッレミリアかぁ・・・
知ってる人ならそうなる。
が、しかし。
それはフェラーリの歴史知ってる人だけがわかる事。予備知識あると「あぁ~なるほどねぁ~」ってなるけど。
わからない人にはひたすら「???」だろう。
だから、☆は三つ。
わかる人なら☆五つ。
知らない人がいきなり見ると☆一つ。
間とって☆三つとした。

ちなみに、その時の車社会全体を知ってる人ならさらに胸熱なのがミッレミリア中にちょいちょい移るあの300SL。
後の世に度々フェラーリの地位を脅かす「ベンツ」が出てきてる。
そして一切映っていないけど、フェラーリ開業の翌年、シュトゥットガルトで後の世に「巨人」と謳われるポルシェが生まれている。
日本では、後にF1界で常勝無敗を誇ったホンダが時同じくして開業。
この映画の時間軸は、まさに群雄割拠の大戦乱の幕開けにもなる年だったと考えるとさらに胸熱・・・は、余談である。

まるこきあす