僕はキャプテンのレビュー・感想・評価

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5.0難民問題をどう考える? この映画を見たら話し合って!

2024年10月21日
PCから投稿

これも機内で見たフランス映画。セネガルのダカール(Dakar)の二人の青年(いとこ同士?)が新天地イタリアに向かって、マリ、ニジェール、サハラ砂漠のあるリビア、そして、リビアの港町、トリポリと難民の旅を続ける。そこで起きた数々の非情な人間ドラマ。

好きなシーン:
金銭不足で、セイドゥ(セイドゥ・サール)は自分で船を運転しなければならない。セイドゥは未成年であるが、船の操縦方法を教わり、北へシチリア島まで航行する方法を習う。乗客の出産・喧嘩など、過酷な航海だが、セイドゥは乗客全員シチリア島の方向へ。数マイル沖合で、船の上空にイタリア沿岸警備隊のヘリコプターが停止状態になるが、なんとも不自然な状態で、止まっている。

セイドゥは喜びで自分はキャプテンだと叫ぶが、ヘリコプターの反応はない。船の乗客も喜び、大声で叫ぶが、上空の反応はない。船上の人々は果たして、イタリア政府によって救われるのだろうか。それともという不確かさに直面してこの映画は終わる。

難民に対して、特にアフリカ系難民に対しての風当たりの強さ、イタリア自国(EU)の難民過剰での行き詰まりなどなどの理由が、世界各国先進国の難民事情の代表のようにこの結末は描かれていて、我々、人一人に難民問題をどう判断するかを投げかけている形で映画が終わっているのがいい。

日本国も1981年に難民条約を批准している。 条約では日本国民と同一待遇を与えるわけだが、現実問題は全く同じ待遇にはなっていない。これからの日本政府や日本人もこの映画の結末のように不確かな状態である。

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Socialjustice

4.0移民のサハラ横断や搾取シーンは出色だが...

2024年5月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:その他

これまでランペドゥーサ島など移民の上陸地の事情については多少とも報道や映画でも伝わっているが、この映画に描かれているように地中海を越える前にサハラ砂漠を超えてくる移民は多い。地中海までの過程、密航業者やマフィア、各国警察からも搾取される姿の映像化は出色だが、現実はもっと酷い(映像化できないくらい)ことも私たちは知っており、商業映画として最後はハッピーエンドでないといけないことは理解しつつも、ただ見てよかったという気持ちにはなれないのである。

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Boncompagno da Tacaoca