「演奏場面の圧倒的な説得力」マエストロ その音楽と愛と sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
演奏場面の圧倒的な説得力
監督・脚本・主演のブラッドリー・クーパーから目が離せなかった。完成までの間、どれだけバーンスタインを自分に乗り移らせてきたのだろう。
比較するのもおこがましいと思うが、これまで自分が観てきた邦画やドラマで指揮者やクラシックが扱われていた時に感じた嘘くささが、この映画には微塵もない。
例えば、終盤近く、学生に指揮を指導する場面など、彼の手の動き一発で、観客の誰もが納得させられたのではないか。
映画の序盤から中盤まで、演奏場面は必ずしも多くない。それがある意味フリになって、クライマックスである、後半のオーケストラの演奏場面の長尺が生きてくる。
ここが本当にすごい!
この演奏場面の圧倒的な説得力により、我々観客は、それまで、夫と共に歩み続けることから降りようとしていた妻が、改めてバーンスタインに引き寄せられていくその変化を納得させられてしまう。
妻役のキャリー・マリガンも素晴らしい。プロミシングヤングウーマンの彼女だと後で知り、印象の振り幅に驚いた。
若い頃から、晩年までが違和感なく感じられる、カズ・ヒロの特殊メイクの自然さも指摘したい。
加えて、回想シーンを、時代に合わせて白黒からカラーへとスタンダードサイズで表現する手法もよかった。ワンカットワンカットが、まるで一枚の絵の様に美しく見えたのも、まるで人の思い出というもの自体を表しているかのようだった。
ところで、
余談だが、登場人物たちが余りに喫煙するので、つられて自分も久しぶりに一本だけ吸ってしまった。禁煙中の人には、ツラい映画です…。お気をつけ下さい。笑
カズヒロさんナイスでしたよね!
最初、出てきてびっくり!ブラッドリーに見えなかったですもん。
これは、まさか、と思ったら
やっぱりカズヒロさん!
ほんま凄いです。m(_ _)m
勿論、ブラッドリーは最高でした。
やっぱり監督はこだわりが大事!
ここまで徹底できるなんて、
本当に凄いことです!^ ^
イーストウッドの後に続く役者兼監督になれそうな気がします!