「わかった人には超傑作だろう」けものがいる kurakoさんの映画レビュー(感想・評価)
わかった人には超傑作だろう
ネタバレはしませんが、これから見る人で予断さえも嫌な人には、途中でここから読むなサインを出します。
抽象性が高く、思わせぶりな映像、セリフ、演出があまりに多くて、一般的には掴めない人は多かったのだと思う。自分も解説してもらうまで、わからないことが多かった。初見ではあまりにごちゃついてわからないものが多く残ってしまうという感想を持ってしまうので、一握りの理解者に傑作なものにとどまりそうなのがもったいない。上映後、多くの人が解説ポスターに群がっていたのも、わかりづらかったからだろう。
でもAIに支配されるようなテーマの映画はもう何十年もある中、この映画のテーマの描き方は少なくとも自分は見たことがない方向性で斬新だった。演技、設定、テーマ、素晴らしいものだと思う。
これから、少しでも見る人がわかりづらくないよう、ネタバレでない範囲で掴みやすくするためのヒントを出しておきます。予断も嫌な人はここから読まない方がいいです。ただ、これを先に知ってるとこの映画の弱点がなくなり面白いと個人的に思う。
いろんな時代設定や場面や映像は出てきますが、中心の視点は2044年で彼女は感情を消す作業をしているということです。なぜ、感情を消す作業がいるのか、彼女にはどういう感情が過去にあって、どういう感情の記憶に過去になっているのか(それが前世であれ、夢想的世界であれ)。この中心軸を持って、カオスを見てほしいなと思います。
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