愛を耕すひとのレビュー・感想・評価
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男は去って、女は去らず
歴史ものが好きならお勧め、18世紀のデンマークが舞台で
わかりやすい悪貴族VS開拓者の構図に 三角関係の恋愛要素に 家族愛
てんこ盛りのエンタメ色強い作品ですが、マッツ・ミケルセンの演技力と画力のせいか
1級の映画に仕上がって見ごたえがありました
ラストまでどんな展開になるのか目が離せない
物語の着地がたくさんあって後半はクライマックスの連続です
もうここで終わりかなと思ったら次に次に物語は続いていきます
個人的にはアンマイ・ムスが嫁に行くところで終わっても良かったかなと思いましたが
最後の選択を描いてこそ物語が完結するんだろうなと思いました。
往年の名作「風と共に去りぬ」のスカーレットは愛をなくしても土地を糧に前に進んでいったのですが、ルドヴィは土地を捨てて愛を選んだ
いい映画でした
マッツ・ミケルセンの男っぷり
18世紀デンマーク。
開拓不可能と言われた広大な荒れ地を、苦労の末に開拓しながら、足元を掬われる。
開拓させて成功したら取り上げて自分たちの手柄にしようと目論む政府高官がいたら、いったいどうすればよいのか。
王の権威は地方まで行き届いていないのは明らか、王の土地であるにも関わらず、地方有力者のしたい放題。
特に力あるデ・シンケルは、法などあって無きもの、数々の非道な行いにも関わらず、ひとつの報いも受けないどころか、ますます肥え太って大きくなる。
熱湯刑がひどすぎて思わず声が出てしまった。
デ・シンケルの、腹を刺しモノをちょん切ったアン・バーバラに拍手喝采。
不条理な世界をぐっと我慢して見られるのは、信念を持って黙々とすべきことをする、ケーレン元・大佐の男っぷりと、雄大で厳しく美しい風景、弱い者同士が肩寄せ合って小さい幸せを分かち合う温かさがあるから。
春が来て、蒔いた種芋から新芽が出たところは感動的。大事に見守る3人に、こちらも胸が温かくなった。
アンマイ・ムスは、赤毛のアンに似ている。人生が過酷すぎて、想像力を発揮して夢の世界で生きているよう、おしゃべりなのも似ている。愛に飢えていて、優しくしてくれるアン・バーバラとケーレンに全力で懐いているのが泣ける。そして、なんともかわいい。
彼女が成長して、自分の「一家」を見つけて去って行くのを見送るケーレン、可愛い娘の巣立ちは喜ばしいと思いつつ、自身の孤独には耐えかねたのだろう。
幸せってなんだろう、と彼は考えつくしたと思う。
地位も名誉も富もいらない。すべてを捨てても、力づくでアン・バーバラを取り戻したケーレン、彼女が住みたいと言っていた海の近くに馬を進めるふたりが、幸せを掴めたら良いなと思った。
予想より遥かにスペクタクルだった!!!
何となくイメージ的に、単調な映画なのかな、でもマッツ出るし、見とかなきゃな的に見たのですが…
圧巻でした!めっちゃ悪代官的な悪者出てくるし、マッツのカッコいい戦闘シーンもあり、ドキドキハラハラそして泣かされました。デンマークの大河ドラマです、これは。
成り上がり者だけど、国王に忠誠を誓った誇り高き男の話。そして本当にムカつくんです!あのヘボ領主!ヤツが死ぬシーンはよくやった!本当は熱湯地獄も味わせないとだ!と思いましたが…
ラスト、アンバーバラを迎えに行くシーンは逆に淡々としてたのがよかった✨2人再会の時涙涙なシーンもなく、ただ馬に彼女を乗せて、彼女が言っていた海の見えるところに向かうシーン…静かだけど、いや静かだからこそ、やっと訪れた安息の地、というのがとても表現されていて…
心に残る映画になりました。ありがとうマッツ…
追記:全然映画に関係ないけども、あの牧師さん、ヒューダンシーぽくて思わずえ?ハンニバル?って思っちゃったのはやっぱり私だけですよね
デンマークデンマーク版・大草原の小さな家? ではなかった
デンマークの海沿いの荒地。その美しい風景の中にポツンと建つ「王の家」。家族が(疑似家族なのだが)畑を耕し、少しずつ愛情を育んでいく。まるで『大草原の小さな家』のような開拓物語かと思いきや、もっと複雑で現代にも通じるテーマが見えてきた。
主人公(マッツ・ミケルセン)は25年の軍隊生活を終え、次の人生の目標として開墾を選ぶ。過去に何人も失敗してきた荒地を。そして、成功すれば貴族になれる。
彼は軍隊でも、身分のない者としては最高位まで昇進した意志の強い男であり、目標を決めたら必ず達成するタイプだ。だからこそ、また新たな困難に挑む。
けれど、彼が本当に戦っているのは荒地ではなかった。悪徳封建領主の圧倒的な権力、仕事と家族のバランス、組織作りの難しさ……。開拓は順調に進んでいるように見えても、それだけでは幸せになれない。貴族になれれば自由になれるのか? 成功すれば人生は満たされるのか?
最初は「開拓を成功させて貴族になれば報われる」という話かと思った。でも、残念ながらそうはならない。
目標を達成しても幸せになれないことは往々にしてあるのだ。というか、この主人公は目標を全て達成したけれど、それ以外は空虚な人物でもある。
しかし、ラストの彼の表情には、「目標を達成することだけが人生じゃない」と気づいた人の姿があった。それはまるで、長年「戦う」ことを生きがいにしてきた企業戦士が、ようやく別の価値を見つける瞬間のようだった。
目標達成への努力による自己実現的な価値観の限界、封建社会の理不尽な現代にも通じる権力構造。美しく、見やすい映画だけど、その奥には意外なほど多くのものが詰まっていた。観終わった後も、しばらく考え続けたくなる作品だった。
タイトルなし(ネタバレ)
18世紀のデンマーク。
国土の多くを占めるユトランド半島は荒地だった。
救貧院に身を寄せる退役軍人のルドヴィ・ケーレン大尉(マッツ・ミケルセン)は、王領地の荒地開拓を申し出る。
資金は軍人年金。
開拓の暁には貴族の称号が欲しい、と。
それは、貴族の私生児として生まれた自身の出自、その汚名返上だった・・・
といったところからはじまる文芸映画。
原題の「Bastarden」は「私生児」の意。
彼の名誉を賭けた後半生の物語。
ケーレンが開拓に着手した土地は王領地であるが、近隣の領主デ・シンケル(シモン・ベンネビヤーグ)は、自分の土地と言って譲らず、悪質な嫌がらせを仕掛けてくる。
デ・シンケルは、元々のシンケルの苗字に箔をつけるために自ら「デ」をつけたぐらいの輩。
ケーレンは、シンケルの元から逃亡した小作人夫婦を雇い、また森で暮らす流浪民を雇い、開拓を続けるが、するうち、逃亡小作人夫婦の夫はシンケルに捕らえられて、文字どおり煮え湯を浴びせかけられて殺されてしまう。
流浪民たちもシンケルの企てで去り、ケーレンのもとに残ったのは、逃亡小作人の妻アン・バーバラ(アマンダ・コリン)と、黒い肌から周囲から忌み嫌われる少女アンマイ・ムス(メリナ・ハグバーグ)だけになる。
ケーレンは、シンケルの従姉妹エデル(クリスティン・クヤトゥ・ソープ)から思いを寄せられるが・・・
と展開する。
悠揚とした語り口で、前半はややもたついた印象があるが、ケーレンをはじめ清濁ある人物造形が物語への深みを生んでいる。
強そうだから強い、弱そうだから弱い、という訳ではない人物造形。
ケーレンも、ある種の妥協も引き受ける。
このあたりは、演じる側の力量・魅力も試されるわけで、マッツ・ミケルセンの演じっぷりは堂々としている。
ただし、敵役シンケルやその側近がややステレオタイプか。
これは俳優に魅力がないのか演出が悪いのかはわからず。
登場する女性たちはそれぞれ魅力的。
気丈夫なアン・バーバラはわかりやすい人物像だが、シンケルの従姉妹エデルの役どころはやや複雑。
エデルの出番はもう少し多くてもよかったかも。
物語的には、終盤、着地点が予想出来ず、かなりの面白さ。
納得の終局で、満足の一篇。
日本版タイトルは、やや甘い印象。
「荒れ野を耕すひと」ぐらいでよかったように思えるが、それだと商売にならないかも。
トーマス・ハーディ小説の映画化『テス』『日蔭のふたり』『めぐり逢う大地』が好きなひとは必見です。
執念の開拓
事実に基づいた小説とのことだから、創作も多々あるのだろうけど、なかなかに壮絶。
そもそも誰も成功しなかった開拓なのに、何故そこまで執着するのか理解できん。
お仕置きショーのつもりが、周りをドン引きさせたところで諦めればいいものを、広げた風呂敷を畳めないのか、映画のヒールとしては申し分ない活躍ぶり。
シンケルはザマァな最期を迎える訳だけど『パリタクシー』同様、陵辱された男へ最大の復讐を遂げるアン・バーバラの表情がたまらなくカッコいい。
そして側近の“まぁそうなるわな"とでも言いたげな呆れ顔が滑稽。
アンマイ・ムスの扱いに少し腹が立つも、まあ理解できないわけでもない。
最後は分かりやすく出来すぎな回収かなぁ。
他の終わり方は無いっちゃ無い。
幸せとは何であるかを問われる映画
素晴らしい映画です。
鑑賞後もカラダが震える。
展開のテンポがいいので、2時間とはとても思えないほど内容が濃い。
しかも、心の揺さぶられる回数が半端ない。
不安と安心が常に繰り返される。
安心がとても短い。
そして、悪役がどこまでも悪役。
権力を悪用しまくって弱者をどこまでも追い込んでいく。
この時代は権力が全て。
人権など関係ない。
そんな間違った世の中を見事に開拓していく主人公。土地だけではなく、権力の間違った方向までも。そして彼は初志貫徹する、軸のブレない男。しかし、非常に心が温かい正義感に溢れた人間だ。だから、話が進むに連れて、彼を応援したくなる。常に無理難題が降り注ぐのを見事に切り抜ける。
人生は全てのものが手に入らないことをこの映画は伝えてくれる。
ハッピーエンドの映画は全てが手に入るような映画が多いが。
たくさんの大切なものから、1番大切なものだけを守る。それは欲や名誉ではない。このタイトルが全てを意味している。
場面の展開もよく考えられている。
こんなに完成度が高い作品はなかなか巡り会えないだろう。
トップの画像がおっさんの写真だけだから興味が削がれて、最初の仕分けで対象外として撥ねられてしまうんだろうか(笑)
本当にもう一度観たい秀作である。
人を失い愛を知る
この映画の日本語タイトルは嫌いではない…
この物語りの主人公は私生児として生まれ育ったケーレン。彼は彼自身のアイデンティティを証明する為(ここでは貴族の称号を獲る事)、只々猪突猛進となって不毛と言われた大地を耕す事を目指す。それはある意味、彼自身が自分に課した呪縛であり生きる糧なのである。その過程で擬似家族を体験し人としての温かみを初めて知る。しかし移住民の差別で我が子同然であったアンマイを手放した事でバーバラも離れて行く。そして悪徳貴族のシンケルに捕らえられる。一方バーバラはシンケルによって自分の夫を殺された恨みもありシンケルを殺害し投獄される。この助けがありケーレンは解放される。その後ケーレンは荒地開拓の功績が認められ男爵の称号を得るが、その家には誰も居なくなり…その寂しさからケーレンは食事中ひとり涙ぐむ。。愛を知った瞬間だ‼︎
18世紀中頃のデンマークの荒地を開拓した人物の姿を描いたヒューマンドラマ。開拓者の話に貴族社会の実態や民間信仰の話が加わり、重厚さを感じる作品でした。良作。
この作品の紹介を読んで、開拓者の話と知り内容が気になりま
した。デンマークの作品う観た記憶が余り無いので、その意味
でも興味あり。・_・です。
(デンマークと他国の合作品は観たことあるかも)
そんな訳で鑑賞です。
舞台は18世紀中頃のデンマーク。
開拓不可能と言われ続けていたユトランド半島の荒れ地。
そこを開拓した一人の男の人生を描いたドラマです。
骨太のヒューマンドラマ。
主人公の名はケーレン。年齢不詳。退役軍人。
庭師から軍人になり、25年を経て大尉になった。
身分も財産も無いこの男、開拓に成功したあかつきには貴族の
称号を手にするのが夢らしい。
経歴を考えれば、そこそこの年齢と思われる。
地方領主が使用人に手を出して生まれた私生児。家族なし。
庭師をやっていた経験から、土壌の知識があるようだ。
知識はあれど、とにかく土地が悪い。水が無く岩だらけ。
広大な荒れ地の中を探し回り、水分を含む土地を探しだす。
家を建てなければ。
畑を開墾しなければ。
何をするにも、働き手が必要だ。
教会の神父が、 ” 良い働き手がいる " という。
一緒に行ってみれば、若い男女の夫婦。
…彼らは奉公先を逃げ出した使用人だった。
男の名は…(あれ? CAST一覧に記載がない…)
女の名は、アン・バーバラ。
ワケありだが仕方ない。連れて帰る。
ギリギリ食いつなぎながら、開拓を続ける。
小さな女の子を囮にした盗賊に襲われたが銃で撃退。@△@
この少女、その後何度もニワトリなどを盗みにやってくる
のだが、雇っている者たちは捕まえようとしない。
” なぜ捕まえない? ”
そう問うと、こんな答えが。
” あの娘は南の生まれで呪われている。 関わりたくない”
” … ”
結局はケーレンが捕まえ、少女の住む村に連れて行く。
少女の名は、アンマイ・ムス。
村人たちと交渉。彼女と共に、村の住人たちを開拓要員とし
て連れて帰る。働き手の数は次第に増えていく。
ある日、領主の手の者が逃亡した使用人を探してやってきた。
居ないと答える。と、
” この土地の開拓には領主との契約が必要 ”
と、言い出す。どうやら
王の所有する土地をかすめ取ろうとしているらしい。
厳しい自然環境と戦うケーレンにとって、領主も敵となった。
この領主、「虚栄心の鎧」に「狂気の剣」を装備している。
思い通りにならない事が起きると、暴力をふるう。
分別の無い子供が権力を持つことの危うさ。その典型だ。
直接または間接的に、何人の命が奪われたことか…。@▲@;;
と、まあ
荒れ地との戦いに加えて、ケーレンは理不尽な領主や権威主義の
国の役人(貴族たち)とも戦わねばなりませんでした。
その戦う姿を、荘厳に・骨太に、かつ精彩に描いた物語でした。
事実に基づくお話かと思えば、ほぼ創作らしいです。 ・△・エッ
ちょっとびっくり。(ケーレンは実在の人物のようですが)
お話の骨格が良く練られているためか、リアリティ感じました。
「創作だが小説より奇なり」
そんな歴史大作でした。
観て良かった。満足です。・_・
そういえば
この領主の従姉妹で、政略結婚を迫られている娘(エレル)も
存在感ありでした。(女性の連携、見事です)@△@
◇あれこれ
■18世紀の半ばというと
日本なら、江戸時代の中期。
八代将軍吉宗の時代のあとから田沼意次の時代の前くらいまで?
年表を見ても余り目立った出来事は見当たらなかった気が。
当時鎖国中の日本。交易していた国はオランダですが、
デンマークはオランダより北東に位置します。
分類としては北欧に含まれるのでしょうか?
■デンマークといえば
有名な人としては、童話作家のアンデルセンでしょうか。
というか、それくらいしか知らないのですが…。
コペンハーゲン空港には、昔は童話がモチーフの飾りがあった
ような気がします。やはり、国民的作家なのかも。
(今もあるのかは不明です)
■デンマークの貴族社会
有力領主に劣悪な自然に貴族階級の保身と傲慢と。
日本の貴族と変わらない感じがしました。
退役した軍人に年金が支給される制度が18世紀からあったのが
西洋の国らしいなと感じました。(良く知りませんが@_@;;)
※武士の社会って、退職金支給してないですよね…?
■タタール人
アンマイがそう呼ばれ、仲間うちで爪弾きされていました。
また「南からきた」とか「呪われている」とも…。 ・△・;;
タタール人とはどの辺りの人を指すのか、気になり調べてみたら
「達靼(だったん)人」 聞いたコトある気が…
「モンゴル高原の遊牧民」 そうなんだ
モンゴル帝国のヨーロッパ遠征に同行 侵略者一味だから悪魔?
デンマークからみて南では無いような… はて。
アンマイの肌の色からは、中東(アラブ系?)のようにも思えた
のですが、もっと色々な事情等があるのかもしれません。
(少し調べてみただけで脳内キャパオーバーしました )
■痔のひと(…名前不明)
実は重要人物。・_・;
国とケーレンとの間を、まめに仲介してくれた人です。
単なるお笑い担当の人物と思ってゴメンナサイ。
この人のような人の記録のおかげで、今の人びとがケーレン
の存在を知っているのかなぁ と思います。陰の功労者。
※古今東西、人類を悩ませてきた病気ですよね♪(なぜ音符?)
■開拓といえば
日本の同時期だと印旛沼。 …江戸時代に何回も頓挫。
大自然との戦いの蝦夷地。 …明治期に大量の移住者。
個人で開拓する話は余り聞いたことが無い気がしますが
国から見放された土地だったこともあって、個人での開拓も
できたということなのでしょうか。
■パンフレット
買おうかどうしようか迷いながら売店に。
値段を確認して目が点に。予想の1.5倍。 うわ …@-@
どんな内容なんだろう と、 思わず買ってしまいました。
文章が多く、読みごたえあります。
…ありすぎて、まだ読み切っておりません。 頑張ろう @-@
(パンフレットの文字が小さくて、目がすぐに疲れるのです…)
◇最後に
「愛を耕すひと」のタイトルに寄せて・-・
耕したのは、荒れ地
植えたのは、じゃがいも
実ったのは、家族の絆 と 愛
そんなことを感じさせる邦題なのかも と。
彼の開拓した土地には、その後また新たな開拓者がやってきては
開拓地が広がっていったのではないか
そうだと良いなと想像をしたり ・_・シテマス
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
邦題のイメージとは違うかも
一部にショッキングなシーンもありますし、「愛を耕すひと」というイメージで観るとこんなはずじゃなかったと思う人もいるかもしれません。
歴史好きな人、人間ドラマ好きな人、北欧好きな人、色々楽しめると思います。
ケーレンとデ・シンケルって真逆の存在のようで、本人がこだわってる部分は重なってるよなと感じました。
それが原題の「Bastarden」に繋がるのでしょうか。
Till
マッツの最新作、近年は大作やアクションものが多かったですが、久々に人間ドラマな作品がやってきたのでいざ鑑賞。
思っていたものとは違いましたが、史実に沿った重厚な人間ドラマが味わえました。
ジャガイモ作りに励むケーレン大尉とその土地までに出会った人々とのハートフルものかと思いきや、早い段階から不穏な雰囲気漂う感じで、思った以上に血生臭い展開もあったりとで驚かされました。
ケーレンも良い人なのかなーと思っていたら気難しく、最初は人を道具のようにしか見ない感じでいけ好かなかったんですが、人々との交流を得て人としての成長をしていくっていうシナリオが活きていたなと思いました。
ケーレンと関わりのあった人の死がダイレクトに突き刺さる展開が多く、救いのある展開よりも鬱屈とした展開がオープンで進んでいくので中々に重いのは好みが分かれそうです。
デ・シンケルが底無しのクズ野郎だったのもとても良かったです。
自分に敬称を付けることを要求しながらの登場シーンが嫌なやつだなと思いましたが、煮え湯の拷問シーンの容赦のなさと高笑いでまずフラストレーションが溜まり、怒りのあまりメイドを窓から突き飛ばして殺したり、残飯をわざわざ渡しに行ったりとバカだけど変に頭が回って権力があるから厄介というこの手のドラマ作品の中でも一級品のクソムーブをかましていました。
その分シンケルがアン・バーバラにギッタギタのボッコボコにされるシーンはテンション上がりました。
薬入りの酒を飲ませてぶっ倒したあとにブッ刺しまくりからの男の一物をかっ割いたところはヒャ〜となりつつもスカッとしました。
アン・バーバラの目がギラギラしていてゾワゾワしっぱなしでした。
地味にシンケルの部下を殺すシーンが暗殺者じみた隠密っぷりでしたし、どの行動も隙がなかったのが面白かったです。
思想によって差別的な要素が生まれるのも時代背景と照らし合わせて見ても納得いくものがあり、アンマイ・ムスを手放す展開は仕方がないとはいえ中々辛いものがありましたし、アン・バーバラの逮捕後も物悲しいものがあったりしました。
終盤はちと駆け足な感じがあり、アンマイ・ムスとの別れがあっという間すぎてどこか見逃したのかな?と思いましたし、アン・バーバラとの再会も無理くりすぎないかなとは思いました。
映画館でじっくり味わえて良かったです。
濃厚な演技を大スクリーンで堪能できるのはいいな〜と劇場を後にしました。
鑑賞日 2/19
鑑賞時間 13:25〜15:45
座席 C-6
不毛の大地で育まれた愛
貧しい退役軍人ながらも、古びた一張羅の軍服を着て馬に乗る姿はどこか中世の騎士を思わせる気品とストイックさを兼ね備え、無表情で不愛想でもその内に秘めたる温かみのある表情を時折垣間見せる。そんなマッツ・ミケルセン様の魅力全開の中世愛憎劇。
貴族の私生児として生まれ、不遇な人生を強いられた男は戦場に赴き殊勲を得るも、このまま年老いて退役軍人として人生を終えるつもりはない。貴族の称号を得るために彼は国が断念した土地の開拓に一人挑もうとする。
自分を息子と認めなかった貴族の父への思い、そんな父を見返したいという思いからなのか彼は己の名に「フォン」を刻み込むため、貴族の称号を得るために未開の地の開拓に挑戦する。
荒涼とした大地は50年もの間あらゆるものを寄せ付けず開拓者たちを頑なに拒んできた。あまりに厳しい気候、何ものをも受け入れようとしないその頑強な土壌を持つ大地にいま一人の男がくさびを打ち込む。
長年愛を知らず、ただ戦いに明け暮れたケーレンの心には荒涼とした大地と同様に冷たい風が吹きすさんでいた。すべてのものを拒絶し孤独の中で生きてきた男の姿はまさに何ものも受け入れようとしないこの大地の姿と被る。しかし逃亡小作人の妻のアンやタタール人の少女アンマイとの交流を通して彼の乾いた心は次第に湿り気を帯びていく。
彼ら家族同然のいとなみが固く閉ざされたケーレンの心にくさびを打ち込み乾ききった彼の心を潤わせていった。彼らが力を合わせてこの乾ききった大地を農場に適した湿り気のある大地に変えたように。そして彼らの間に強い絆が芽生えた時、頑なだった大地も心を開くかのように小さな一つの芽を芽吹かせる。
開拓地を自分の領土と主張するシンケル卿の様々な妨害を受けながらもついに彼らは力を合わせて苦難の末に開拓に成功する。しかしいまだシンケルによる執拗な嫌がらせがやむことはない。ようやく心を開いた大地、しかしそこには悪魔が巣食っていたのだ。
シンケルによって囚われの身となるケーレン、王室にも見放されもはやこれまでかと思われたときアンの捨て身の行動が彼を救う。
シンケルは死に、すべての脅威は去った。しかし領主殺害の罪を負ったアンは終身刑に、けして生きて逃れられない運命となる。開拓民も去りケーレンは一度手放したアンマイと再び暮らし始め、月日は流れた。
ついに待ち望んだ貴族の称号を手に入れたケーレンだったが彼の心はどこか寂しげだった。年頃になったアンマイは恋に落ち、彼の元から去る。再び孤独の生活に戻った彼はその時気づく、自分が人生で本当に求めていたものがなんであったか。それは貴族の称号などではない、それは彼が生まれて一度も手にしたことのなかった家族のぬくもりであり家族の愛だった。彼がこの大地の開拓によって育んだもの、それは愛でありその愛こそが彼が本当に求めていたものであった。それに気づいた彼は貴族の称号を投げ捨ててこの地を去る。本当に自分が手に入れたものを取り戻すために。
ルドヴィ・ケーレンはけしてその名にフォンが刻まれることはなかった。彼にはそれよりも大切なものがあったことに気づいたのだった。
とても見ごたえがある作品であり、主人公たちに次から次へと降りかかる試練など見ていて気が抜けません。終始安心して見れなかったので結構疲れます。どこまでが史実かわかりませんが映像がとても美しく、中世を舞台にした貴族たちによる愛憎劇はドロドロした昼ドラのようで奥様方にも喜ばれるかと存じ上げます。劇場はマッツ様目当ての女性で埋め尽くされていました。
特筆すべきはシンケルの悪役っぷり、近年まれに見るものがありました。アカデミー賞悪役大賞受賞は間違いないでしょう。ここ十年で一番の悪役ぶりではないでしょうか。
舞台が絶対王政の時代で人権なんてあってなきがごとしなだけにバッドエンドを予想しましたが、シンケルが死んでくれてやっとそこから安心して見れました。
ほんと観客をも欺くあのエレル嬢に成りすましての馬車での登場は映画史上類を見ないほどのもの、私も見事に騙されました。
土地開拓の話としか前情報入れてなくて、まさかこんなに娯楽性高い作品とは。鑑賞は疲れますがそれだけに見ごたえある大作です。劇場の女性客同様私もマッツ様にメロメロです。
やり遂げたい事と家族
愛する家族を護るには、選択肢が少なくて…
選べないどちらかを1つ選ぶのは残酷だと思うけれど、それが現実なんだろうなぁ。
土地を開拓し終えたけれど、家族はバラバラ。
何のために自分の土地を手にしたのか切ない。
ゼレンスキー大統領も、正義を掲げて国を国土を国民を守るための戦争のはずが、蚊帳の外とは、切なすぎる。
映画の醍醐味から、現実世界に引き戻された。
凍てついた心を溶かす純真
18世紀のデンマーク、不毛の荒野(ヒース)が広がるユトランド半島の物語。
アメリカの西部開拓物語は山ほど観てきたが、デンマークの開拓史とは今回初めて出会った。ただ、ハリウッド的な白黒はっきりした勧善懲悪とは趣がかなり異なり、絶望の中にわずかな光を見出し、耐え忍んだ先にようやくほのかな希望を得るのがせいぜい。「不幸でないこと」と「幸福であること」は決して同義ではないが、それでも、多くの人々の人生にとっては、「不幸でないこと」をもってよしとするしかないのも現実だろう。
だからこそ、北欧の厳しい凍てつく冬を乗り越え、春にジャガイモが一つ芽吹き始めると同時に、凍てついたケーレンの心も少し溶かして周りの人々への優しさを見せ始める様を見ている観客たちの心も少し暖まるのだろう。
もちろん物語の主人公はケーレンなのだが、彼を突き動かしているのはアンマイ・ムスの存在だろう。原題である "Bastarden" というデンマーク語の単語は英語の "bastard" に相当する。罵り言葉として使われたりもするが、「私生児」や「雑種(白人と黒人のミックス)」などを意味する語だ。まさにアンマイ・ムスを指したタイトルで、肌の黒い、南方の血が混ざっている遊牧民族出身の彼女は忌み嫌われ、露骨に差別も受けるのだが、真っ直ぐで純粋な心根こそが逆に人々を繋ぐ救いとなっている。
そして、アンマイ・ムスに限らず、身分や性別、人種などによる差別が当然のように横行する時代背景があるにも関わらず、手を携えることで差別を跳ねつけようとする姿が見られることもあったのであろう。あたかも不毛な荒野に果敢に挑み、なんとか収穫を得ようとするかの如く。
羊の解体もお手のものなので、アレをスパッとできるのも納得できてしまう
2024.2.19 字幕 MOVIX京都
2023年のデンマーク&ドイツ&スウェーデン合作の映画(127分、G)
原作はイダ・ジェッセンの小説『Kaptajinen og Ann Barbara』
不毛の地の開拓に命を賭けた退役軍人と奇妙な縁で結ばれる擬似家族を描いたヒューマンドラマ
監督はニコライ・アーセル
脚本はアナス・トマス・イェンセン&ニコライ・アーセル
原題の『Bastarden』は「私生児」、英題の『The Promised Land』は「約束の地」という意味
物語の舞台は、1755年のデンマーク
戦争を終えて役割を解かれた退役軍人のルドヴィ(マッツ・ミケルセン)は、財務省に出向いて、不毛の地の開拓を申し出た
だが、宰相のパウリ(ソレン・メーリング)は無駄だと断罪する
それでも引き下がらないルドヴィは、私財を投げ打って、その事業に取り掛かることになった
デンマークの北部にあるユトランド半島には、ヒースと呼ばれる不毛な土地が広がっていて、国も50年近く開拓を試みるものの、誰もが成し得ていない事業だった
だが、デンマーク王フリゼリク5世の念願でもあり、財務省はルドヴィを派遣することに決めた
ルドヴィは単身その土地に乗り込み、家と倉庫を建てて開拓を始めていく
地元の牧師のアントン(グスタフ・エイン)は協力的で、近くの荘園から逃げた小作人のヨハネス(Morten Hee Anderson)とその妻アン・バーバラ(アマンダ・コリン)を秘密裏に雇わないかと打診する
ルドヴィは二人を雇い、アンには家事係として働いてもらうことになった
だが、ある夜のこと、物音がして倉庫に出向くと、そこには盗みを働くタタール人の少女アンマイ・ムス(メリナ・ハグバーグ、15歳時:Laura Bilgrau Eskild-Jensen)がいた
彼女を捕まえて、集団のところに出向くものの、タタール人を雇うのは犯罪行為だと言われてしまうのである
それでもルドヴィは彼らを雇い入れて、開拓を始めていく
だが、その様子は偵察隊によって、軍裁判官のフレデリック(シモン・べネンビヤーグ)の耳に入ってしまう
さらに、彼の元を逃げ出したヨハネスのこともバレてしまい、ある夜の宴席にして、熱湯炙りの処罰で殺されてしまう
フレデリックの暴挙はそれだけに止まらず、その土地の権利は元からフレデリックのものだったという書類にサインをしろと迫る
ルドヴィは頑なに王の領土だと跳ね返し、それによって、フレデリックの横暴はエスカレートしていくのである
映画は、史実ベースとのことで、ルドヴィもフレデリックも実在の人物とのこと
ルドヴィの方の行方は不明だが、フレデリックが狂人であったことは資料に残されているらしい
ドイツ人入植者やデンマーク人がタタール人を拒むのには色んな理由があると思うが、一番わかりやすいのは宗教なのだと思う
ドイツ人やデンマーク人はキリスト教徒だが、タタール人はムスリムであり、さらに流浪の民としての生活様式にも違いがあった
それだけではない何かがあると思われるが、映画ではそこまでは描かず、不幸を呼ぶ者としての象徴として描かれていた
その後、ルドヴィは家族と目的のどちらを選ぶのかという決断が迫られるものの、彼は後悔の残る判断をしてしまうのである
映画の見どころは、フレデリックの横暴に対抗するシーンで、彼を良く思わない人々が阿吽の呼吸で「計画」を遂行していく様子が描かれている
いとこで一方的に結婚を迫られているエレル(クリスティン・クヤトゥ・ソープ)は、アンの用意したワインをフレデリックに飲ませるし、彼女が中に潜入していることを使用人のリーセ(Nanna Koppel)は黙認し、さらにフレデリックをエレルのいるところまで誘導する役割を担っていた
その直前に使用人のアン(Anna Filippa Hjarne)がフレデリックによって転落死させられていたこともあって、フレデリックの執事のボンドー(Thomas W. Gabrielsson)ですらドン引きしていたりする
そんな中で、フレデリックの狂気だけが突出し、それがアンの復讐へと結びついているのだからすごいことだと思う
ボンドーは財務省にフレデリックの悪事を全て話し、それによってルドヴィは解放されるのだが、それと引き換えにアンが投獄されてしまう
何度も嘆願書を送っても受け入れられず、とうとうコペンハーゲンの職業刑務所へと移送されることが決まった
この時、ルドヴィの功績は王室に認められ、貴族の称号を手に入れることになったのだが、彼はそれらを全て捨てて、ある行動に出た
映画は、そこを詳しくは描かないが、それが却って哀愁を漂わせている気がした
いずれにせよ、かなり重たい話で、良き人も悪しき人も不遇の死を遂げる映画でもあった
動物の殺傷シーンもある(CGらしい)し、なかなか絵作りは強烈なところもあるので、後半はなかなかスプラッターな作りになっている
それでも、前半の鬱屈とした圧政などが不穏さを増長しているので、アンの復讐劇はなかなかスカっとするものがあった
刺してなお足りずからの「アレ」はなかなか強烈で、生きながらえても地獄しか待っていない
ある意味、介錯にも思える部分があるのだが、それを見たエレルの笑顔も秀逸で、その後の執事たちの掌返しもなかなかのものだなあと思った
映画本編のおよそ八割が、マッツ・ミケルセンが暗い所で何か耕してるシーン
このシーンがずっと同じ絵面でリフレインが叫んでる。あまりにも、繰り返しの天丼がしつこくて、気が狂いそうになりました。
農作物が育たない土地を、農地にする為に、ミケルセンが奮闘する話しで、少ない人数で開墾しているのに、嫌味な近所の貴族に邪魔されて、雇った農民を拉致されて、目の前でお湯責めにして、殺されたりする。命が安い時代なので貴族は特に罰せられる事は無い。
最終的に小さいおにゃのこと二人で農地開墾をする羽目になる。そして、冒頭に書いた耕す時に、トラブルに巻き込まれる描写だけが、ずっと繰り返し続く。体感時間70分くらい続く。
なんだかんだで、農地を開墾して、農場主になり、貴族の称号も貰うのだがー?
せっかく念願の貴族になったミケルセンの行動が全く、意味分かんない。これが、数々の映画賞を受賞したとは、とても信じられない。
パンフレットが割高で、確か1600円くらいした筈です。ミケルセンのファンなら買うよね?
マッツ・ミケルセンを愛でる趣味のある方にだけお勧め。
いや、俺の書いている事、嘘じゃないよ?本当に、似たようなシーンがずっと続くのさ。話しのネタにもならないから、自己責任でどうぞ。
見るなんて考えなくて良いです。配信になったら、2倍速で見ても、特に得るものはないです。
いーか?本当につまらない映画だかんな?警告したからな?そこんとこ4649!!
衝撃熱湯刑、ぶっかけられて死ぬのは嫌だぁ! (@_@;)
日本全国に寒波再到来らしいが、寒い日はお風呂に限る。
ダチョウ倶楽部さんの熱湯風呂入るコント。
押すなよお前ら~・・・絶対に押すなよ の”絶対に”が合図で押して上島さんを熱湯風呂(熱いと思わせたお湯)に落とすのは名コントで有名。
これに属するかどうかだが、熱湯処刑される映画って始めた観ましたよ。
今日はそんな映画「愛を耕すひと」の鑑賞です。
愛を耕す?? たがやす・・・安直的なタイトル (*´ω`*)
畑にイモ植えて最後に認められて男爵の称号を受ける男の話。
落下傘で北朝鮮に舞いお降りたら 愛の不時着・・・みたいなもんでしょうか。
全く内容違いますけどもネw。
原題は ”Bastarden” このクソ野郎!!
18世紀デンマークの史実を元にした話。
貧乏な退役軍人ルドヴィ・ケーレン大尉は、“貴族称号”を懸け、荒野の開拓に名乗りを独りで上げる。
これを気に入らず阻止する地元地主の非情仕打ちと自然脅威に屈せず農作物を植えて収穫しようと頑張る。
開拓に雇った訳アリ使用人夫婦、ある地主から逃亡した過去があったがそれが相手地主にバレて逃亡した夫に刑が下される。熱湯刑だ。
ここの 熱湯を浴びせられる場面、声が本当に凄かった。
しかも1回じゃなく 4回もぶっかけ。
3回目から4回目で呻き声が聴こえず、彼は熱湯で死ぬのである。
全身は真っ赤で重度のやけど。酷い、酷過ぎるの思い。
ケーレン大尉(役:マッツ・ミケルセン氏)がすかさず彼の元へ。
彼を抱えて家路につく。
ここの場面は 本当に心えぐられた想いがしましたわ。
やがて、夫を亡くした妻アン・バーバラと、タタ-ル人の子供アンマイ・ムスと本当の家族の様に暮らす。開拓地で耕しジャガイモ農場として彼は成功を納めるのである。しかし 兼ねてから彼の開拓土地は俺の土地と 難癖をつける地主シンケル。執拗な嫌がらせと 農場労働者家族への嫌がらせで二人の死体が発見。
シンケルの従妹のエレルへの揺れる愛、そして神父のアントン。
彼等を巻き込みながら シンケルへ復讐をしていくケーレン。
果たして この頑固者ケーレン、彼は本当の愛と農場と称号を取り戻すことが出来るのか~ って言う 素晴らしい流れとなってます。
最後まで見て頂くと出てきますが、男爵の称号は放棄して ”愛” を獲るんです。
この男はね。そこが GOOODな所でしょうか。
向こうに海が見えてて、きっとその場所でもう一度やり直すんでしょうかね。
人生を。
不毛な土地に必死に種イモ植えてとか、大事な家畜を殺して娘の病の為に使ったりとか、次から次へと不運が重なりますが 何故か両手は綺麗なんですね。顔も。
実際の農夫は手も顔も真っ黒シミだらけ。指も太いし毛が濃いし、それが現実。
その辺りの細かい表現が ミケルセン氏には欠けてた様には思います。
中々貧乏で地味な生活と、二人の愛に揺れる思いと(ちょっと許せませんが)、子供への愛。最後の誠実さは伝わって来たと感じます。
ご興味ある方は
是非劇場へ。
デ・シンケル
悪役が良いですね。殺られっぷりも最高。デンマーク映画の名作といえば「ペレ」ですが、荒涼とした大地、鉛色の空、そして厳しい寒さ。春が来て、ちょっとだけ青空が覗くとホッとします。あのラストは素敵ですね。海が見えた時に鳥肌が立ちました。それにしても、鞭打ち&熱湯責めは勘弁していただきたい。不謹慎にもダチョウ倶楽部を連想してしまいました・・・
その投げられた棒を拾えたとき。
18世紀デンマーク、貴族の称号をかけヒース(荒野)の開拓に名乗り出た元軍人・ルドヴィ・ケーレンの話。
権力が揺らぐの恐れ荒野開拓の邪魔をする有力者デ・シンケルと、処罰で夫を失ったアン・バーバラと、捨てられ売られそうになる少女・アンマイ・ムスを絡め見せてく。
痔に悩み痔話を封印するオジサンを印象的に魅せ( 個人的)、模索しながらも荒野開拓の耕し、広大な土地にそのやり方で大丈夫?!と思うものの邪魔、金や物で追い出されそうになるけれど釣られず信念がブレず権力に屈しないケーレンの姿が良かった。
そのブレないケーレンの姿よりも、ケーレンとアンマイ・ムスの距離が徐々に縮まってくところが良かったかな。アンマイ・ムスの健気さとか辛いことを経験してるのに笑顔、何か彼女の笑顔が凄く印象的だし見てるだけで涙出てきた。
中盤前後の皆いなくなり残されたケーレン、アン・バーバラ、アンマイ・ムス、アントンの4人で生活をし、じゃがいもの種イモを植え、春になり新芽を見つけ嬉しそうにしてる姿が印象的だった。
デ・シンケルを殺ったアン・バーバラにスカッとしたね!
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