愛を耕すひとのレビュー・感想・評価
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凍てつく心を耕したのは?
マッツ・ミケルセンの演技に圧倒された約2時間だった。
「007カジノ・ロワイヤル」や「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」しか映画ではお目にかかってないが、存在感がある俳優とマークしていた。
だからこそ、期待して「愛を耕すひと」(原題「BASTARDEN」の意味である「私生児」とはかけ離れているようであるが映画の結末から納得した)を鑑賞したのだが、期待以上の感動をもらった。
とても嬉しい❗
不毛の大地を独りでも開拓しようとするルドヴィ・ケーレンが、襲い掛かる自然の脅威と地主であるフレデリック・デ・シンケルからの非道な仕打ちに抗いながら、彼のもとから逃げ出した使用人の女性アン・バーバラや家族に見捨てられた少女アンマイ・ムスとの出会いにより、ケーレンの凍てつく心に変化が芽生え、愛するようになっていく。
アンマイ・ムスとの別れと修道院で再会のシーンには涙が溢れた。
演じたメリナ・ハグバーグは初めての映画出演だが難しい役をこなしていた。
フレデリック・デ・シンケルのシモン・ベンネビヤーグの徹底したサイコパスな演技がこの作品をさらに見応えあるものにしている。
結末が予感できたためスコアを「4.5」にしたが、初めてのデンマーク映画、重厚な色彩の映画を観て良い時間を過ごした。
是非とも観るべき一作。
2509
愛憎渦巻く濃密なドラマ
私生児
原題のデンマーク語のBastardenは、英語のbastardのことで、私生児やロクデナシという意味。邦題の「愛を耕すひと」も英題の「the promised land」もなんか違う感じ。原題の「私生児・ロクデナシ」が一番しっくりくる。
主人公のケーレンは貴族の使用人の子供で、25年間、軍で働き大尉の地位に就く。彼は軍を退いた後、貴族の称号を得るために荒地の開墾を始める。つまり、ケーレンは、自分が私生児であることに劣等感を感じていて、それを、爵位を得ることで埋め合わせようとしている。
敵役のシンケルは生まれながらの貴族でありながら、非情なロクデナシで、自分を権威付けるために「デ」シンケルと自分を呼ぶように命じる。そして、ケーレンが王権の下に自分の土地を開墾することを恐れている。
つまり、二人とも敵対していながら、どちらも欠落感や劣等感を抱えているという意味では同じなのだ。
開墾と敵対の過程で、ケーレンはタタール人の子供を引き取り、逃亡した小作人の妻を愛し、貴族のシンケルのロクデナシ振りを知る。苦労して開墾に成功した後に爵位を与えられるが、それを拒否する。ケーレンは、身分や財産以上に重要なことに気付いたのだ。
壮大なデンマークの荒地の撮影が素晴らしい。セットや衣装なども当時の様子を忍ばせる。マッツ・ミケルセンをはじめ役者陣の演技と役作りにも説得力がある。
是非、映画館で味わってほしい重厚な作品。
マッツ・ミケルセンの最高傑作。
「アナザー・ラウンド」も「ライダーズ・オブ・ジャスティス」も面白かったし、「007」シリーズ、「インディ・ジョーンズ 運命のダイヤル」も見事にエンタメを楽しませてくれたが、今作品はマッツ・ミケルセンの代表作となる大傑作だ。ただし、敵役の地主の人物造形は客を呼ぶエンタメ要素としては仕方なかったのかもしれないが、ちょっと安易ではあるが、それでも全体を通しては許せる範囲だ。ここ何年かでもお目にかかれないレベルの名画だと思う。私は勝手に脳内変換をして、舞台を日本の明治初期・屯田兵で北海道の開拓に従事したドラマとして「高倉健&倍賞千恵子」のコンビ、もう一つ「三船敏郎&新珠三千代」のコンビで想像して楽しんだ。きっとこれらも名画になっただろうと勝手に思いを巡らせて興奮している。
こんな世界打ちひしがれるわ、ほんとに。。。 しかし素晴らしき大傑作...
題名の通りの内容でした。
さすが、マッツ・ミケルセン!演技も渋いし圧巻!
映画は異文化を知る絶好の機会と言われている。この愛を耕すひともまさに
その一つ。
デンマークの農地開拓史に関する伝記ドラマで、見ごたえがあった。
何よりケーレン大尉を演じたマッツ・ミケルセンの演技が圧巻で素晴らしかった。
彼のこの作品に対しる熱い思いがスクリーンから物凄く伝わった。
マッツ・ミケルセンはアナザーラウンドに続いて2作目だが、彼の演技は渋い!この
一言に尽きる。
観て良かった作品で大変素晴らしい作品でした。
不憫すぎるマッツ
本日3本だて
痛快アクションのトワイライトウォリアーズからのファイアーブランド&愛を耕す人
ヨーロッパの重くて暗い歴史物の2本連続はきつかった
昔は身分の差が激しく庶民の命がこんなにも軽く扱われた現実を映画で観ると毎回憤りを感じます
ディカプリオのジャンゴで腹が立ちまくった記憶が蘇りました
しかしとことん不憫なマッツが悲しすぎた
実話を元にした小説の映画化らしいので是非原作を読んでどこまでが真実なのかを知りたいところです
ちゃんと歴史に名を残せた人だから小説になったんだろうな、と思いたい
不憫な生まれから恵まれない人生を生き、強い意志をもって貴族に成り上がる
そんな目的を揺るがない鉄の意志でやり遂げる様は本当に見事だった
雪の日も血の雨がふる夜も、たった一人でも負けない強い意志
夢を叶える事を原動力として生き、そのために失ったもの
夢が叶った時に夢は夢でなくなり現実となる
生きる原動力が消え果てた時に残ったものは
手に入れた金と権力がいかに虚しいことだったのか
長い年月をかけて彼が悟った人生に必要なもの
生きる意味
結末はあれで良いんだよ
人生で大事なものはお金じゃない
辛くて酷い事柄をマッツで耐え抜く
マッツ・ミケルセン
映画館で予告編が流れまくってたんですが、クサいシーンの連続で、予告編だけで胸ヤケしてしまい、スルーしようと思ってたけど、諸事情で観た(笑)
低い期待値で観てみると、映画本編はクサいシーンばっかじゃなく、暗すぎず明るすぎず、バランス良く、テンポも良い、とても観やすかった。
デンマーク開拓史の話で、実在した人物をマッツ・ミケルセンが圧巻の演技力で演じてます。
アン・バーバラ役のアマンダ・コリンも綺麗だし演技も良かった。
エレン役の人もいいな♪と思ったら『シック・オブ・マイセルフ』に出てた人!クリスティン・クヤトゥ・ソープじゃありませんか(笑)
見違えた(笑)アホっぽい映画でアホっぽい役を演じてたのに、今作は知的で品のある女性を演じてます。
あっという間の127分。
面白かったし名作だと思う、テレビで流してもいいでしょうね。
僕は、もう1回観ます♪
万人に、オススメです。
人間感情揺さぶる壮大なドラマ。
雰囲気はある映画
ラストシーンの切なさに胸が押し潰されそう
ラストシーンの解釈。僕はケーレン大尉の心の中で生き続けるアン・バーバラを連れて(アン・バーバラの姿は幻であり、ケーレン大尉の心象風景)、彼女の行きたがっていた海の見える街へ移ったと確信し、その切なさに涙が溢れてしまいました。何十年もかけ命も懸けて(時には良心をも棄て)掴みとった爵位、名声、安住の生活、それらのすべてを捨ててアン・バーバラの面影だけを胸に海の見える街へと一人で向かったと思ったのです。しかし、映画鑑賞から一夜明け、彼女の短髪を考えると男爵の地位を得たケーレンの嘆願が通り恩赦(釈放、あるいは奪還)された可能性も否定できないという考えも(だとハッピーエンドですね)。
ケーレンとほぼ同世代にあり、孤独を感じることも多い日々を過ごすおじさんとしてはこれ以上身に堪える映画はなかなかないです。
New York TimesやVulture の受け売りをそのままに「驚くほどに美しく、カタルシスに満ちた、感動的な叙事詩」でした。
邦題ダサいけど
2025年劇場鑑賞51本目。
エンドロール後映像無し。
邦題から感じるのんびり感は全くなく、農業的な困難(自然の厳しさ)と戦う映画かと思ったら国の領地を自分の領地だとゴネて通そうとする貴族との血みどろの戦いでした。原題は私生児という意味らしいです。それはそれで生々しいけど・・・。
国王からの依頼でやっている事業なのに、どうしてあの貴族を訴え出ないのか(こいつが裁判官だとしても本国にそれも含めて訴えればいいのに)ずっとモヤついていましたし、最後も嫌なやつすぎてあれでもまだスカッとしきれなかったです。
最後の最後はどうやってああできたのかいまいち分かりませんでした。史実なのですが、ネットでも全く調べられなかったのでどこまでがフィクションかは分かりませんでした。
色々書きましたが、どうやって困難を解決していくか、というのは面白かったです。
今や珍しくなった正統的な文芸映画。
ある騎士道の心揺さぶる物語
まず邦題に対して否定的な意見が多いが、自分としては、この「愛を耕すひと」という比喩を用いたのは「むべなるかな」という心境です。18世紀のデンマーク近世の時代、開拓者としての成功を目論見、旗揚げしたのだが、冷酷無慈悲な有力者の執拗な妨害を受けて挫けないどころか、果敢に対抗していく。成り行きで、孤児と未亡人と家族同様の愛を育み、結末から察するに、おそらくだが、捕らわれた愛する人のために国王から与えられる称号等と引き換えに釈放してもらったのではないだろうか。つまり、開拓者としての悲願を達成したのだが、最後は苦渋の決断として、実利を捨てて愛を選んだ。テーブルで一人寂しく食事するケーレン大尉演ずるマッツ・ミケルセンの悲し気な表情からそのように感じ取った。そうやって長い半生を畑を耕すように愛の芽を育んできたという意味合いで、配給会社は邦題のタイトルを付けたのだと思う。寡黙で信念を突き通し、国王に忠実であり、弱者に優しいケーレン大尉は、武士道に通じる騎士道としての生き様ではないか。
貧しさと権力による抑圧に耐えながら土地開拓を試みる話
今ほど人権が尊重されていない時代に開拓が難しいとされる土地の開拓を試みる話です。
立場の上下が非常にはっきりとした時代に領主から執拗に嫌がらせを受けながらも懸命に開拓を試みる主人公
軍人あがりでキツい性格の主人公が開拓にあたり仲間を増やしていきますが責任者としての辛い判断を強いられる場面が度々起こります。
いくつもの辛い場面を乗り越えた末に仲間にきつかった彼が「耕されて」自分の本当に欲していたものに気付きはじめます。
畑が大きな実りを迎えた頃に本当に欲したのは地位や名声ではなくかけがえのない物だった事に気付きます。
邦題の「愛を耕すもの」というのは畑を耕す過程で主人公に人としての実りを迎えさせた。
彼に本当に必要だった実りは地位や名声、作物等ではなく愛という実りだったという事かな、と思います。
辛い描写が多いので見終えた後にハッピーな気持ちになれているかは解りませんが続きが気になる面白い映画でした。
昔はこういう時代があった、こういった事が当たり前の様にあったという学びがある映画だなぁと思うので豊かな時代のありがたさが解る映画だと思います。
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