劇場公開日 2025年2月14日

愛を耕すひとのレビュー・感想・評価

全100件中、1~20件目を表示

4.0居場所を求めて

2025年2月16日
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鑑賞方法:映画館

 みんな大好き、マッツ・ミケルセン。待ちに待った主演作がようやく公開…!と、家族揃っていそいそ某シネコンに向かった。ハリウッド大作での悪役や「ライダーズ・オブ・ジャスティス」等のマッチョぶりが印象的な子らには、本作のマッツは少し意外だったらしい。とはいえ、さすが!やっぱり!な、彼の魅力あふれる作品だった。
 時は18世紀。プロイセンとの戦いに敗れ、国土の半分弱を失ったデンマークは、ユトランド半島の開拓をの余儀なくされた。農民上がりの退役軍人・ケーレン大尉は、起死回生を狙うべく、先人たちが断念してきたヒースの開墾を名乗り出る。(キリスト教思想家・内村鑑三が「デンマルク国の話」で紹介している技師・軍人のエンリコ・ミリウス・ダルガスが、彼のモデルと思われる。)過酷な自然に加え、鼻持ちならない若き地元領主が何かと横槍を入れ、行く手を阻む。なぜここまでして…と思いたくなるが、彼には帰る場所がない。とにかく留まり、荒地を耕すほかないのだ。
 物語は、大きな苦難を仲間と乗り越えハッピーエンド…とはいかず、一進一退を繰り返す。広がる空もケーレンの表情も、ひたすら重たく、暗い。唯一明るい光が差すのは、中盤で彼らがわずかに手に入れる、擬似家族のような関わりだろうか。そんな時間も長くは続かず、彼らは幾度となく、様々な人の悪意にさらされる。それでも、ケーレンは怒らない。消え入りそうな命をつなぐために殺された羊や、意味もなく殺戮された馬のつぶらな瞳の方が、むしろ雄弁に生気を放つ。彼が感情を露わにするのは、冷徹な大地に対してのみ。ちいさな芽吹きにほほえみ、霜におびえ、雹に涙する。彼はそうやって少しずつ、人間らしさを取り戻していったのかのかもしれない。
 終盤、眉ひとつ動かさず、道を阻む者に発砲するケーレン。返り血を盛大に浴びながら、復讐の道を突き進むヒロイン。「なんか、『ジャンゴ』みたいだったー!」という子の発言に、驚きながらも納得。ドライアイスのように、低温やけどしそうなマッツの情念が、スクリーンにみなぎっていた。
 名誉を捨て、土地を離れ、より確かな居場所を手に入れた彼らのまなざしが、今も心に残る。

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cma

4.0黙して語らず、挫けず、というキャラはマッツの独壇場

2025年2月19日
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泣ける

マッツ・ミケルセンがかつては荒野だった母国デンマークの大地にじゃがいもを植え、育て、そして収穫することで実りをもたらした実在の偉人を演じている。主人公はこの一見気が遠くなるような作業をひたすら黙々と、権力による言われのない横槍に耐えつつ遂行していく。これはマッツが過去に演じた『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』(本作と同じニコライ・アーセル監督作)や『偽りなき者』等、黙して語らず、ただ己の信念に従うのみ、という人物像と通底する。この種のキャラクターを演じさせて、マッツ以上の敵役を思いつかない。何しろ、彼には観客の怒りと希望と共感を一身に引き受けて、引っ張っていく牽引力があるのだ。

デンマークの近代史が学べる本作は、同時に、人の心の中に蔓延る根拠のない人種差別を指摘し、カオスの最中にあるヨーロッパの今を予見している。そこに、この映画が今作られた意味を見出した。最後に用意された痛快なエンディングも、"生きていく上で最も大切なものは何か?"という究極の命題を観客に突きつけてきて、納得の1作なのだった。

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清藤秀人

3.5愛を耕す人

2025年5月4日
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鑑賞方法:映画館

予告を観ただけで、何の予備知識もなく鑑賞。
タイトルから想像してたのは、【ひたむきに、懸命に生きる開拓者】の話。
はい、いつもの様に「思ってたのと、ちがーう。」でした。
今作は、良い方にブレました。
ヨーロッパの歴史に漂う、嫌悪感すら覚える愛憎劇。
根強く横たわる、偏見と差別。
ヒューマンドラマの佳作でした。

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映画館難民

3.0壮大な奇跡と感動というよりは、シリアスな映画。 一人の男の威厳ある人生を描いたもので、こういう男性に魅かれる私って感じかな。

2025年5月3日
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鑑賞方法:映画館

知的

幸せ

映画レビューに惑わされ、久々映画館まで足を運びました。
デンマーク語だったので字幕を読むのが必須。それでも面白く感じるのかなぁ。。と思いましたが、会話数が少ない映画だったので、字幕を読み音も映像もしっかり鑑賞できて、日本人でも大丈夫って感じでした。
ストーリーも主人公の心の動きも単純。
最後はみすぼらしい人生で終わるのかと思いきや。。グッとくる終わりで「よかったよかった」とクリティック派の私も良い気持ちで映画が終わりました。
映画は心の奥底に埋もれてしまったロマンチックな心を少し熱くしてくれそうな感じですなぁ。。

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fuji

4.5自分にとっては愛の物語だった

2025年4月24日
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鑑賞方法:映画館

マッツ・ミケルセンが母国デンマーク開拓史の英雄を演じた。感動的な叙事詩となった。

18世紀のデンマーク、出自の卑しい退役軍人ケーレン大尉(ミケルセン)が貴族の称号をかけ、荒野の開拓に名乗りをあげた。

荒れ果てた大地、自然の脅威、そして何より近隣の有力者による非道な妨害。

まさに絶望的な戦い。

使用人の女性や家族に見捨てられた少女との出会いがケーレンの渇いた心に変化をもたらした。

そう、これは愛の物語でもあった。

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エロくそチキン2

5.0美しい愛の物語です。

2025年4月20日
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鑑賞方法:映画館

心に沁みる素晴らしい作品でした。上映館が少なくなるなか観れて本当に良かったです。
デンマークを認識したのは、かつて植民地であり今も自治権があるグリーランドをトランプ大統領がアメリカが所有すると意欲を示した時くらいであり、世界地図を見てもどこにデンマークはあるのかもすぐには探せない程度で知識は全くありませんでした、。
18世紀のデンマークは特権階級の貴族と一般労働者とでは天と地ほどの格差があり土地を所有する領主が偉くて土地を使わせてもらってる小作人である領民が貧乏に苦しんでいた(昔の日本も同じか?)。だから、元庭師だったが軍にいる間に不屈の努力(たぶん)で大尉まで上り詰めたケーランは(国王が開発を望んでいる)不毛の土地を自分の年金を使い開墾することを了承させ、成功すれば貴族の称号をもらえることを約束させる。
しかし簡単に物事は進む訳はなくさまざまな障害と立ち向かっていくが、最大の敵である成り上がり貴族のシンケルは(自分の権益と勝手に思ってる)土地と自身の権力を守る為にありとあらゆる嫌がれせでケーランの事業開発行為を邪魔して、果ては殺人まで(部下を使い)躊躇なく行いケーランを追い詰める。こんな極悪人はなかなかお目にかかれないので、観ている我々は絶谷に許せん!と思ってたらやはり胸のすくラストが待っていてくれた。
敵がいれば味方も生まれてくる。神父のアントンもシンケルのいとこのエレル支えてくれたが、やはり寝食を共にし家族の存在となったアン・バーバラと幼いムスはケーレンの心の支えなった。ケーランを演じたマッツ・ミケルセンはデンマーク出身の世界的俳優だが、目で演技をしてると言える程の内に秘めたあらゆる所作がとにかく素晴らしい。
原作は「大尉とアン・バーバラ」とのこと。夫を殺された後ケーランを支え尽し、ケーランの為に殺人までして収監されたアン・バーバラ。最後にケーランが選んだものは貴族の称号ではなく、、。
この映画が美しい愛の物語であることは、ラストシーンのワンカットで示されました。
今年の私の洋画、トップクラスに当確です。ありがとうございました、。

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アベちゃん

4.5濃密です!

2025年4月5日
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悲しい

興奮

歴史の一コマで、消え去る人たちの、生の生業が
業火のように燃えている

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アメリカの友人

5.0この人の映画はそこにいるだけで存在感があり、しかもセクシーなんだけ...

2025年4月3日
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この人の映画はそこにいるだけで存在感があり、しかもセクシーなんだけど、史実とのこと。すごい話であり搾取の話。よくある腐りきった官僚たちの話、放蕩息子の領主の話。北欧の文化も大してない国でも名誉が、というかだからこそ名誉くらいしか証明するものがないのか。タタール人、迷信、地主たちの愚かさと保身、友情、愛。ラストシーンは感動的だ。

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えみり

3.0その時代を観てるような美しい荒野や衣装や建物は素晴らしいが、 ザザ...

2025年3月21日
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鑑賞方法:映画館

その時代を観てるような美しい荒野や衣装や建物は素晴らしいが、
ザザザ ・王道の完全懲悪で、女性もある程度主体的に描かれているが結局主人公の為の自己犠牲的な都合の良さが否めないので少しモヤモヤする(時代劇なのでこんなものだと思うが)
あんまり好きじゃない映画かな〜
現代は色々秀逸な時代劇が出てきてるから、少し見劣りしてしまう。でも、デンマークメイドのデンマーク時代劇ってゆうのが観れるのは贅沢なのかも。
マッツが、好感度がありすぎるので主人公良い人にみえてしまうが、自己の不遇を立身出世で埋めようともがいたが周りの大事なものが犠牲になりすでに大事なものを持っていることに気付けず(またはタイミングが悪く)結局失ってしまう哀れな人間の話。
原題のBastarden「私生児、ろくでなし」の方がしっくりくる。
比較するとかなりウェットすぎる邦題も残念だな。

一晩考えて何が嫌だったのかまとめてみた。
男性的にみるとこの時代の偉大な功績者、知られざる英雄の発見。ある男の苦悩が描かれているのだけど
女性的に観ると嫌な時代の再生産でしかないただの苦痛の再確認にしかならない。人権のない時代の再確認。何も発見がない。ただ辛いってなってしまうだけ。
映画の歴史的にみると、ニューシネマの時代から男の辛さは描かれている。
男は辛いよ話は死ぬほど描かれ続けているからこそ私はけっこうお腹いっぱいで、今の時代に作られる映画としては何かが足りないと思ってしまう。(女性がそこそこ描かれているからこそ余計にそう思ってしまうのかもしれない)

映画館で鑑賞

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madu

5.0孤老となった時

2025年3月16日
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泣ける

愛を耕すひと

自分の夢を手に入れたときに本当に必要なものを感じる

それは自分が領主と同じで、
強欲に色々なものを手に入れるために多くのものを捨てて手に入れたが、
それは本当に必要なものでないと知ったから

長年辛苦を共にして、生命を賭けて生活した者だけが、全てを捨てて互いに命を委ねることができるのであろう

久し振りに素晴らしいラストシーンだった

完璧でした。

三人が一つのベットで川の字になっているシーンは、
厳格なケーレン大尉にあるまじき姿が可愛いかったですね

(^ν^)

愛を耕すひと

マッツ・ミケルセンが母国デンマーク開拓史の英雄を演じた歴史ドラマ。
デンマークの作家イダ・ジェッセンが史実に基づいて執筆した小説を原作に、「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」でもミケルセンとタッグを組んだニコライ・アーセル監督がメガホンをとり、「ライダーズ・オブ・ジャスティス」のアナス・トマス・イェンセンが脚本に参加した。

18世紀デンマーク。貧窮にあえぐ退役軍人ルドヴィ・ケーレン大尉は、貴族の称号をかけて荒野の開拓に名乗りをあげる。
それを知った有力者フレデリック・デ・シンケルは自らの権力が揺らぐことを恐れ、あらゆる手段でケーレンを追い払おうとする。
ケーレンは自然の脅威とデ・シンケルの非道な仕打ちに抗いながら、デ・シンケルのもとから逃げ出した使用人の女性アン・バーバラや、家族に見捨てられた少女アンマイ・ムスと出会い、家族のように心を通わせていく。

ドラマ「レイズド・バイ・ウルブス 神なき惑星」のアマンダ・コリンがアン・バーバラを演じ、
「シック・オブ・マイセルフ」のクリスティン・クヤトゥ・ソープが共演。

2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。

愛を耕すひと
劇場公開日:2025年2月14日 127分

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カール@山口三

5.0ラストは喜んで良いものなのか……

2025年3月15日
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デンマークの史実を元にしていると言うものの、開拓をテーマにした壮大な人間ドラマで予想よりはかなり心抉られる内容に驚くばかりである。
蒼茫たる荒野にジャガイモ畑を作り、広大なる入植地を作ろうとした主人公に次々と襲いかかる苦難。それでも必死に立ち向かう姿は正に英雄と呼ぶに相応しい。18世紀の封建制は領主貴族と農奴という極端な身分が存在していたことに改めて歴史の深淵を感じさせられる。そして残酷なまでの愛が語られるのである。

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パチーノ

3.5圧倒…

2025年3月15日
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ストーリーに予備知識なく、日本語タイトルと映倫マークGにすっかり騙されました。

途中のシーンで何度か目と耳を覆う。終盤、これで席を立とうと思うも何とか持ちこたえた。持ちこたえてよかった!

重厚でリアルで深く深く迫ってくる。名優マッツ・ミケルセン頼みではなく、映像、すべての俳優、抑制された演出。圧倒されました。

もう一度見たいとは思わない。でも本当に見てよかった。

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のらり

5.0洋風の高倉健さん

2025年3月14日
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予告編の映像や題名から荒地の開墾物語、自然と戦う話と想像していました。実際は、開墾の邪魔をするのは人間で、人間相手の方が階級差や嫉妬や差別感情があり、自然相手よりずっと厄介なものだと痛感しました。

ストーリー展開が早くて眠くならず、無駄に長いシーンもなく、2時間の上映時間はあっという間で面白かったです。でも、階級が下の人が理不尽に殺されてしまうのは観ていて辛かったです。

ケーレンは寡黙で芯があり頼りになる。女性に対する邪念を感じずハンサムで、結果的に女性にモテる。高倉健さんが演じてきた主人公みたいで、一言でいうと素敵でした。

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Mimoza

古典文学をハードカバーで読む重厚感

2025年3月11日
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荒れ地を地道に開墾しようとする男とそれを阻む地元豪族。特別な外連味はないのに、古典文学を単行本で読む様な大河の如き流れと重厚感。観終えたら最後のページを閉じるのが惜しくなる満足感。マッツ兄貴に外れなし。本作をより深く知る為にデンマーク史を勉強し始めた。

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La Strada

4.0寡黙な男

2025年3月9日
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史実には詳しくないけど引き込まれるお話
言葉が少ない不器用なルドヴィ
どこの国も権力には歯痒い思いをする
アン・バーバラが井戸に水がと言ったときはちょっとよかった
貴族はやっぱり貴族なんだよね
でも最後はお互いの目的が合ったということでしょうか

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ぱぴこ

4.5屈しない強さ

2025年3月8日
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主人公ケーレンと、一緒に働く人々は、理不尽な主従関係に屈せず、自分の意志を貫く強さを持っていました。
故に、何度も痛い目に遭い、命を落とす者も…
目を覆いたくなるような場面も多々あります。
さらに厳しい自然、資金不足、妨害…何度も何度も苦難を乗り越えていく展開に息を呑みます。
最後の最後、いちばん大切にしたいものを守り抜こうとする姿に感動しました。

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らこすた

3.5個性派マッツ・ミケルセン主演作は、自身の存在を賭けて使命を果たさん...

2025年3月8日
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泣ける

個性派マッツ・ミケルセン主演作は、自身の存在を賭けて使命を果たさんとする寡黙な男を力演する感動的な作品で、実に見ごたえがあった。
世間からは忌み嫌われた娘を一度は手放すも、再び手元に置き、立派に育って幸せに旅立って行く。
ある場面で「パンケーキ!」と思わず叫んでしまう無邪気さが微笑ましく、記憶に残ったが、このセリフは他の方のレビューから思わず声に出たアドリブを監督が生かしたものと聞いて至極納得した。
貴族の地位をついに手に入れたとき、運命を共にした女性の大切さに気付くラストもまた感慨深い。

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ITOYA

4.5どんどんと…

2025年3月7日
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泣ける

悲しい

幸せ

引き込まれていくストーリー展開でした。
目を覆いたくなるような悲惨な場面も何度かあり涙しました。
色々と自身の価値観や思考を考えさせてくれるとても心に響く作品でした。

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rs8jn2

5.0デンマークの成り立ちに知識があれば有利だがかなり難しいか…。

2025年3月3日
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今年73本目(合計1,615本目/今月(2025年3月度)7本目)。

 ※ お手洗いのため5分程度視聴が抜けています。

 前から見に行きたかったのですが、ヘンテコな時間にばかりおかれてこの時間です。

 デンマークの成り立ちという、日本では高校世界史でもほとんど扱わないようなことなので「知識があると有利」とは書きましたが、全員一斉にスタートといったところではないかな…と思います。

 タイトル通り、そんなに打ちあったりアクションシーンがあるわけではないし(口論するシーン程度はあるが)、デンマークの成り立ちというかかなり地味な展開が多いタイプの作品です。こうした事情もあるので、映画に娯楽性(笑ってなんぼ等)を求めるか求めないかで見るみないも違ってくると思いますが、個人的には見てよかったかなといったところです。

 いくつかわかりにくいところがありますが、アマゾンプライム等で課金して見られるようになったらわかるところもあるのかもしれません(3週目という事情もあって販売パンフ一覧からは外されていた)。

 気になる点までないのでフルスコアです。
なお、映画の趣旨的に暗いシーンがどうしても多いので(この「暗い」というのは画面の明るさ的な意味のもの)、光の点滅等を気にされる方にはむしろおススメかもしれません(時代背景的にスマホが出るわけでもないし)。

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yukispica

4.0ケーレンに興味を持った

2025年3月3日
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悲しい

怖い

18世紀のデンマークで、退役軍人ルドヴィ・ケーレン大尉は、荒野の開墾に成功すれば貴族の称号を貰う約束でユトランド半島に入植した。それを知った領主で裁判官の貴族・フレデリック・デ・シンケルは自らの権力低下を懸念し、ケーレンを追い払おうとした。ケーレンは自然の脅威とデ・シンケルの非道な仕打ちに抗いながら、使用人のアン・バーバラや、少女アンマイ・ムスらと土壌改良から初め、ジャガイモの栽培に挑戦し、・・・さてどうなる、という、史実に基づく話。

マッツ・ミケルソンがデンマーク人だと初めて知ったし、デンマーク語を聞くチャンスはあまり無いので貴重な体験だった。
デ・シンケルは頭狂ってるような行動を取り、ホント憎たらしかった。俳優としては上手かったのだろうが。
使用人は殺しても罪にならなかったみたいで、奴隷そのものだったんだなぁ、と思った。
紆余曲折は有ったが、一応成功し、男爵の称号も貰ったが、それより1人の女性、アン・バーバラの方が大切だったという事なのだろう。それはそれで良い選択だったのかも知れないが、じゃあ、十数年の努力の成果はどうなるんだ?
女性を助けたのは良いが、どこに向かい、何をこれからするのだろう。
その後の彼の一生を知りたくなった。
こういうあまり知られていない人の史実を学べるのが映画鑑賞の醍醐味のひとつだと思う。

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りあの