愛を耕すひとのレビュー・感想・評価
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居場所を求めて
みんな大好き、マッツ・ミケルセン。待ちに待った主演作がようやく公開…!と、家族揃っていそいそ某シネコンに向かった。ハリウッド大作での悪役や「ライダーズ・オブ・ジャスティス」等のマッチョぶりが印象的な子らには、本作のマッツは少し意外だったらしい。とはいえ、さすが!やっぱり!な、彼の魅力あふれる作品だった。
時は18世紀。プロイセンとの戦いに敗れ、国土の半分弱を失ったデンマークは、ユトランド半島の開拓をの余儀なくされた。農民上がりの退役軍人・ケーレン大尉は、起死回生を狙うべく、先人たちが断念してきたヒースの開墾を名乗り出る。(キリスト教思想家・内村鑑三が「デンマルク国の話」で紹介している技師・軍人のエンリコ・ミリウス・ダルガスが、彼のモデルと思われる。)過酷な自然に加え、鼻持ちならない若き地元領主が何かと横槍を入れ、行く手を阻む。なぜここまでして…と思いたくなるが、彼には帰る場所がない。とにかく留まり、荒地を耕すほかないのだ。
物語は、大きな苦難を仲間と乗り越えハッピーエンド…とはいかず、一進一退を繰り返す。広がる空もケーレンの表情も、ひたすら重たく、暗い。唯一明るい光が差すのは、中盤で彼らがわずかに手に入れる、擬似家族のような関わりだろうか。そんな時間も長くは続かず、彼らは幾度となく、様々な人の悪意にさらされる。それでも、ケーレンは怒らない。消え入りそうな命をつなぐために殺された羊や、意味もなく殺戮された馬のつぶらな瞳の方が、むしろ雄弁に生気を放つ。彼が感情を露わにするのは、冷徹な大地に対してのみ。ちいさな芽吹きにほほえみ、霜におびえ、雹に涙する。彼はそうやって少しずつ、人間らしさを取り戻していったのかのかもしれない。
終盤、眉ひとつ動かさず、道を阻む者に発砲するケーレン。返り血を盛大に浴びながら、復讐の道を突き進むヒロイン。「なんか、『ジャンゴ』みたいだったー!」という子の発言に、驚きながらも納得。ドライアイスのように、低温やけどしそうなマッツの情念が、スクリーンにみなぎっていた。
名誉を捨て、土地を離れ、より確かな居場所を手に入れた彼らのまなざしが、今も心に残る。
黙して語らず、挫けず、というキャラはマッツの独壇場
マッツ・ミケルセンがかつては荒野だった母国デンマークの大地にじゃがいもを植え、育て、そして収穫することで実りをもたらした実在の偉人を演じている。主人公はこの一見気が遠くなるような作業をひたすら黙々と、権力による言われのない横槍に耐えつつ遂行していく。これはマッツが過去に演じた『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』(本作と同じニコライ・アーセル監督作)や『偽りなき者』等、黙して語らず、ただ己の信念に従うのみ、という人物像と通底する。この種のキャラクターを演じさせて、マッツ以上の敵役を思いつかない。何しろ、彼には観客の怒りと希望と共感を一身に引き受けて、引っ張っていく牽引力があるのだ。
デンマークの近代史が学べる本作は、同時に、人の心の中に蔓延る根拠のない人種差別を指摘し、カオスの最中にあるヨーロッパの今を予見している。そこに、この映画が今作られた意味を見出した。最後に用意された痛快なエンディングも、"生きていく上で最も大切なものは何か?"という究極の命題を観客に突きつけてきて、納得の1作なのだった。
この人の映画はそこにいるだけで存在感があり、しかもセクシーなんだけ...
この人の映画はそこにいるだけで存在感があり、しかもセクシーなんだけど、史実とのこと。すごい話であり搾取の話。よくある腐りきった官僚たちの話、放蕩息子の領主の話。北欧の文化も大してない国でも名誉が、というかだからこそ名誉くらいしか証明するものがないのか。タタール人、迷信、地主たちの愚かさと保身、友情、愛。ラストシーンは感動的だ。
その時代を観てるような美しい荒野や衣装や建物は素晴らしいが、 ザザ...
その時代を観てるような美しい荒野や衣装や建物は素晴らしいが、
ザザザ ・王道の完全懲悪で、女性もある程度主体的に描かれているが結局主人公の為の自己犠牲的な都合の良さが否めないので少しモヤモヤする(時代劇なのでこんなものだと思うが)
あんまり好きじゃない映画かな〜
現代は色々秀逸な時代劇が出てきてるから、少し見劣りしてしまう。でも、デンマークメイドのデンマーク時代劇ってゆうのが観れるのは贅沢なのかも。
マッツが、好感度がありすぎるので主人公良い人にみえてしまうが、自己の不遇を立身出世で埋めようともがいたが周りの大事なものが犠牲になりすでに大事なものを持っていることに気付けず(またはタイミングが悪く)結局失ってしまう哀れな人間の話。
原題のBastarden「私生児、ろくでなし」の方がしっくりくる。
比較するとかなりウェットすぎる邦題も残念だな。
一晩考えて何が嫌だったのかまとめてみた。
男性的にみるとこの時代の偉大な功績者、知られざる英雄の発見。ある男の苦悩が描かれているのだけど
女性的に観ると嫌な時代の再生産でしかないただの苦痛の再確認にしかならない。人権のない時代の再確認。何も発見がない。ただ辛いってなってしまうだけ。
映画の歴史的にみると、ニューシネマの時代から男の辛さは描かれている。
男は辛いよ話は死ぬほど描かれ続けているからこそ私はけっこうお腹いっぱいで、今の時代に作られる映画としては何かが足りないと思ってしまう。(女性がそこそこ描かれているからこそ余計にそう思ってしまうのかもしれない)
映画館で鑑賞
孤老となった時
愛を耕すひと
自分の夢を手に入れたときに本当に必要なものを感じる
それは自分が領主と同じで、
強欲に色々なものを手に入れるために多くのものを捨てて手に入れたが、
それは本当に必要なものでないと知ったから
長年辛苦を共にして、生命を賭けて生活した者だけが、全てを捨てて互いに命を委ねることができるのであろう
久し振りに素晴らしいラストシーンだった
完璧でした。
三人が一つのベットで川の字になっているシーンは、
厳格なケーレン大尉にあるまじき姿が可愛いかったですね
(^ν^)
愛を耕すひと
マッツ・ミケルセンが母国デンマーク開拓史の英雄を演じた歴史ドラマ。
デンマークの作家イダ・ジェッセンが史実に基づいて執筆した小説を原作に、「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」でもミケルセンとタッグを組んだニコライ・アーセル監督がメガホンをとり、「ライダーズ・オブ・ジャスティス」のアナス・トマス・イェンセンが脚本に参加した。
18世紀デンマーク。貧窮にあえぐ退役軍人ルドヴィ・ケーレン大尉は、貴族の称号をかけて荒野の開拓に名乗りをあげる。
それを知った有力者フレデリック・デ・シンケルは自らの権力が揺らぐことを恐れ、あらゆる手段でケーレンを追い払おうとする。
ケーレンは自然の脅威とデ・シンケルの非道な仕打ちに抗いながら、デ・シンケルのもとから逃げ出した使用人の女性アン・バーバラや、家族に見捨てられた少女アンマイ・ムスと出会い、家族のように心を通わせていく。
ドラマ「レイズド・バイ・ウルブス 神なき惑星」のアマンダ・コリンがアン・バーバラを演じ、
「シック・オブ・マイセルフ」のクリスティン・クヤトゥ・ソープが共演。
2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。
愛を耕すひと
劇場公開日:2025年2月14日 127分
ラストは喜んで良いものなのか……
圧倒…
洋風の高倉健さん
古典文学をハードカバーで読む重厚感
寡黙な男
個性派マッツ・ミケルセン主演作は、自身の存在を賭けて使命を果たさん...
デンマークの成り立ちに知識があれば有利だがかなり難しいか…。
今年73本目(合計1,615本目/今月(2025年3月度)7本目)。
※ お手洗いのため5分程度視聴が抜けています。
前から見に行きたかったのですが、ヘンテコな時間にばかりおかれてこの時間です。
デンマークの成り立ちという、日本では高校世界史でもほとんど扱わないようなことなので「知識があると有利」とは書きましたが、全員一斉にスタートといったところではないかな…と思います。
タイトル通り、そんなに打ちあったりアクションシーンがあるわけではないし(口論するシーン程度はあるが)、デンマークの成り立ちというかかなり地味な展開が多いタイプの作品です。こうした事情もあるので、映画に娯楽性(笑ってなんぼ等)を求めるか求めないかで見るみないも違ってくると思いますが、個人的には見てよかったかなといったところです。
いくつかわかりにくいところがありますが、アマゾンプライム等で課金して見られるようになったらわかるところもあるのかもしれません(3週目という事情もあって販売パンフ一覧からは外されていた)。
気になる点までないのでフルスコアです。
なお、映画の趣旨的に暗いシーンがどうしても多いので(この「暗い」というのは画面の明るさ的な意味のもの)、光の点滅等を気にされる方にはむしろおススメかもしれません(時代背景的にスマホが出るわけでもないし)。
ケーレンに興味を持った
18世紀のデンマークで、退役軍人ルドヴィ・ケーレン大尉は、荒野の開墾に成功すれば貴族の称号を貰う約束でユトランド半島に入植した。それを知った領主で裁判官の貴族・フレデリック・デ・シンケルは自らの権力低下を懸念し、ケーレンを追い払おうとした。ケーレンは自然の脅威とデ・シンケルの非道な仕打ちに抗いながら、使用人のアン・バーバラや、少女アンマイ・ムスらと土壌改良から初め、ジャガイモの栽培に挑戦し、・・・さてどうなる、という、史実に基づく話。
マッツ・ミケルソンがデンマーク人だと初めて知ったし、デンマーク語を聞くチャンスはあまり無いので貴重な体験だった。
デ・シンケルは頭狂ってるような行動を取り、ホント憎たらしかった。俳優としては上手かったのだろうが。
使用人は殺しても罪にならなかったみたいで、奴隷そのものだったんだなぁ、と思った。
紆余曲折は有ったが、一応成功し、男爵の称号も貰ったが、それより1人の女性、アン・バーバラの方が大切だったという事なのだろう。それはそれで良い選択だったのかも知れないが、じゃあ、十数年の努力の成果はどうなるんだ?
女性を助けたのは良いが、どこに向かい、何をこれからするのだろう。
その後の彼の一生を知りたくなった。
こういうあまり知られていない人の史実を学べるのが映画鑑賞の醍醐味のひとつだと思う。
彼の作品は本当に安心してみていられる
25-034
ミケルセンとテーマに惹かれて久々に観た洋画
めっちゃ好き
タイトルなし
乾いた荒涼な大地に響くデンマーク語がマッチ
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