愛を耕すひとのレビュー・感想・評価
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その投げられた棒を拾えたとき。
18世紀デンマーク、貴族の称号をかけヒース(荒野)の開拓に名乗り出た元軍人・ルドヴィ・ケーレンの話。
権力が揺らぐの恐れ荒野開拓の邪魔をする有力者デ・シンケルと、処罰で夫を失ったアン・バーバラと、捨てられ売られそうになる少女・アンマイ・ムスを絡め見せてく。
痔に悩み痔話を封印するオジサンを印象的に魅せ( 個人的)、模索しながらも荒野開拓の耕し、広大な土地にそのやり方で大丈夫?!と思うものの邪魔、金や物で追い出されそうになるけれど釣られず信念がブレず権力に屈しないケーレンの姿が良かった。
そのブレないケーレンの姿よりも、ケーレンとアンマイ・ムスの距離が徐々に縮まってくところが良かったかな。アンマイ・ムスの健気さとか辛いことを経験してるのに笑顔、何か彼女の笑顔が凄く印象的だし見てるだけで涙出てきた。
中盤前後の皆いなくなり残されたケーレン、アン・バーバラ、アンマイ・ムス、アントンの4人で生活をし、じゃがいもの種イモを植え、春になり新芽を見つけ嬉しそうにしてる姿が印象的だった。
デ・シンケルを殺ったアン・バーバラにスカッとしたね!
苦難の果て
とても良かった。皆様も書かれてますが、私も2月時点、今年見た中でナンバーワンです。
18世紀のデンマークが舞台。
退役軍人のケーレンは、貴族の称号を得ることを目的に、気の遠くなるような荒れ地(ヒース)の開拓に着手する。しかし、土地の権力者シンケルの妨害にあって…という話。
シンケル悪質!このような権力の構図を見るにつけ、力に自惚れた者のうさばらしにしか思えない。暇なのか!拷問道具が備えてあるのが恐ろしい。あんな人間は沢山いたのだろうが、セリフにもあったように正気ではないわー。まあ、時代を表してますよね。
決して屈しないケーレン。
地道で、派手でないのが良かった。
苦労を重ねて貴族の称号を得たのもすごいが、それよりも大切なものに気づいた。
自身の心も、新たな道を切り開いていく。
人の歴史はこのような思いの繰り返しかもしれない。と同時に、広大な大地で劣悪な環境に屈しない人々に比べ、現代人がとても弱くも感じてしまった。(すぐ折れちゃう)
原題:BASTERDEN
雰囲気はある映画
ラストシーンの切なさに胸が押し潰されそう
ラストシーンの解釈。僕はケーレン大尉の心の中で生き続けるアン・バーバラを連れて(アン・バーバラの姿は幻であり、ケーレン大尉の心象風景)、彼女の行きたがっていた海の見える街へ移ったと確信し、その切なさに涙が溢れてしまいました。何十年もかけ命も懸けて(時には良心をも棄て)掴みとった爵位、名声、安住の生活、それらのすべてを捨ててアン・バーバラの面影だけを胸に海の見える街へと一人で向かったと思ったのです。しかし、映画鑑賞から一夜明け、彼女の短髪を考えると男爵の地位を得たケーレンの嘆願が通り恩赦(釈放、あるいは奪還)された可能性も否定できないという考えも(だとハッピーエンドですね)。
ケーレンとほぼ同世代にあり、孤独を感じることも多い日々を過ごすおじさんとしてはこれ以上身に堪える映画はなかなかないです。
New York TimesやVulture の受け売りをそのままに「驚くほどに美しく、カタルシスに満ちた、感動的な叙事詩」でした。
邦題ダサいけど
2025年劇場鑑賞51本目。
エンドロール後映像無し。
邦題から感じるのんびり感は全くなく、農業的な困難(自然の厳しさ)と戦う映画かと思ったら国の領地を自分の領地だとゴネて通そうとする貴族との血みどろの戦いでした。原題は私生児という意味らしいです。それはそれで生々しいけど・・・。
国王からの依頼でやっている事業なのに、どうしてあの貴族を訴え出ないのか(こいつが裁判官だとしても本国にそれも含めて訴えればいいのに)ずっとモヤついていましたし、最後も嫌なやつすぎてあれでもまだスカッとしきれなかったです。
最後の最後はどうやってああできたのかいまいち分かりませんでした。史実なのですが、ネットでも全く調べられなかったのでどこまでがフィクションかは分かりませんでした。
色々書きましたが、どうやって困難を解決していくか、というのは面白かったです。
今や珍しくなった正統的な文芸映画。
ある騎士道の心揺さぶる物語
まず邦題に対して否定的な意見が多いが、自分としては、この「愛を耕すひと」という比喩を用いたのは「むべなるかな」という心境です。18世紀のデンマーク近世の時代、開拓者としての成功を目論見、旗揚げしたのだが、冷酷無慈悲な有力者の執拗な妨害を受けて挫けないどころか、果敢に対抗していく。成り行きで、孤児と未亡人と家族同様の愛を育み、結末から察するに、おそらくだが、捕らわれた愛する人のために国王から与えられる称号等と引き換えに釈放してもらったのではないだろうか。つまり、開拓者としての悲願を達成したのだが、最後は苦渋の決断として、実利を捨てて愛を選んだ。テーブルで一人寂しく食事するケーレン大尉演ずるマッツ・ミケルセンの悲し気な表情からそのように感じ取った。そうやって長い半生を畑を耕すように愛の芽を育んできたという意味合いで、配給会社は邦題のタイトルを付けたのだと思う。寡黙で信念を突き通し、国王に忠実であり、弱者に優しいケーレン大尉は、武士道に通じる騎士道としての生き様ではないか。
貧しさと権力による抑圧に耐えながら土地開拓を試みる話
今ほど人権が尊重されていない時代に開拓が難しいとされる土地の開拓を試みる話です。
立場の上下が非常にはっきりとした時代に領主から執拗に嫌がらせを受けながらも懸命に開拓を試みる主人公
軍人あがりでキツい性格の主人公が開拓にあたり仲間を増やしていきますが責任者としての辛い判断を強いられる場面が度々起こります。
いくつもの辛い場面を乗り越えた末に仲間にきつかった彼が「耕されて」自分の本当に欲していたものに気付きはじめます。
畑が大きな実りを迎えた頃に本当に欲したのは地位や名声ではなくかけがえのない物だった事に気付きます。
邦題の「愛を耕すもの」というのは畑を耕す過程で主人公に人としての実りを迎えさせた。
彼に本当に必要だった実りは地位や名声、作物等ではなく愛という実りだったという事かな、と思います。
辛い描写が多いので見終えた後にハッピーな気持ちになれているかは解りませんが続きが気になる面白い映画でした。
昔はこういう時代があった、こういった事が当たり前の様にあったという学びがある映画だなぁと思うので豊かな時代のありがたさが解る映画だと思います。
壮大な映画でした。
素晴らしい出来映え。ストーリーが難しくないけど壮大で静かに感情を揺さぶる内容。
デ・シンケルめっ、何度も殺してやりたくなったし、こいつのお陰で面白くもあった。(笑)
最後は想像はついていたがやっぱりで、ザマーみろ!!
彼女がやってくれるとは思わなかったけど。
ヤギをやる時はやめて〜って思ったし、馬がやられた時も家畜は巻き込まないで〜って、動物を飼ってる者には観たくない場面でした。
結局、主人公は得たのか失ったのか。
最初の目的と掴んだものは変わったね。
でも皆んな幸せになれたのかな。
サクセスストーリーみたいな話しで、そこに権力争いみたいなものもあって非常に面白かった。
ヨーロッパ映画は私は苦手なんですが、この作品は凄く良かったです。
予定に入れてなかった作品ですが、seiyoさんのレビューから急遽参戦しました。有難う御座いました‼️
確かに皆さんの高評価にも大納得でした。
重かった…
同日公開のセプテンバーとどちらを観ようかと悩んだ結果、マッツ様を拝見したく、こちらにしたしだい。
ストーリーはセプテンバーの方か面白そうだけど、マッツ様の魅了が勝った‼️
いつものようにネットでチケット購入
いつもの席ゲット
朝イチ8:45からだけど、近場の映画館だから
ギリギリの8:30に家を出た。
300メートルほど原付で移動し、財布を持ってない事に気がついた
このところ、財布なしで痛い目にあっているのに、全く学習していない…
8:50に到着
30人程の入り。そこそこ入っている印象
同年代の女性多し。
途中、涙する場面も。
あーハンカチも忘れてる‼️
それほど泣く場面は多くはないが
ハンカチは必要レベル
内容は案外重くて、笑う場面は一切ないけれど良い作品でした
デンマーク、全く場所も分からないし
歴史も知らない
帰って少し調べたけど、幸福度が高い国なんですね
邦題から雨にも負けず風にも負けずなまったり開拓モノだと一瞬でも思っ...
ツボすぎて非の打ち所がない
久しぶりに芯から魂を揺さぶれた。これぞ映画館で観るべき映画。
スケール、時代背景、登場人物、テーマ、演出‥、全てがツボすぎて言葉にならない。
重いテーマながら飽きることなく、エンタメ要素も十分。監督が「ロイヤルアフェア愛と欲望の王宮」と同じと知って納得。
登場人物が善も悪も魅力的。
特に女性たち、なんと強くて気高いことか。自由に人生を選べない時代の生き方に圧倒された。
復讐シーンはもう一度観たくなるマイベスト。
そしてマッツ・ミケルセン、文句なし。上品な佇まい、言葉少なに表情で語る演技はまさに北欧の至宝。あの時代の衣装(ボウタイブラウスとか)がよく似合う。
上映前に流れる似たような邦画の予告が薄っぺらく感じる。邦画ファンの方、すみません。
愛に耕された素晴らしき名作‼️
マッツ・ミケルセンが、"開拓の英雄" と呼ばれた18世紀デンマークの退役軍人を熱演した開拓ドラマ‼️シネマスコープの広大な画面に映し出されるデンマークの美しくも壮厳な大自然‼️それに加えて今作はラブ・ストーリーであり、親子愛のドラマであり、リベンジものでもあり、当時の風俗が伺い知れる偉大な歴史映画でもあります‼️主人公の退役軍人ケーレン大尉は貴族の称号を得るため、デンマークの荒れ果てた土地ヒースを開拓するという無謀な挑戦をする事に。厳しい自然の脅威だけではなく、ヒースの所有権を主張する有力者デ・シンケルが様々な妨害工作を仕掛けてくる。そんなケーレンのもとにデ・シンケルの元から逃げ出した使用人の女性アン・バーバラや、家族に見捨てられた少女アンマイ・ムスをはじめとする "愛を知らない者たち" が集まってくる・・・‼️最初はクールな軍人タイプだったケーレンが百姓となり、夫や父になっていく様を見事に演じたマッツ・ミケルセン‼️じゃがいも畑に頬ずりしながら発芽を待っている彼の表情はまるで「エデンの東」のジェームズ・ディーンみたい‼️デ・シンケルに夫を殺された後もケーレンのもとに残り、次第に愛情を深めていくアン・バーバラを、信念と力強さと美しさで体現したアマンダ・コリン‼️亡き夫の遺体に彼女がそっと触れるシーンの哀愁感‼️そしてデ・シンケルにまたがってトドメを刺し、返り血を浴びた彼女はサイコーに美しかった‼️そして素晴らしいカタルシスだった‼️肌の色が違うことで虐げられるアンマイ・ムス役のメリナ・ハグバーグちゃんの演技未経験とは思えない存在感、可愛らしさも必見‼️ケーレンを「小さなパパ」と呼ぶ彼女とケーレンの疑似親子関係は感動的‼️肌の色の違いだけで差別を受けるのは現代にも通じる差別問題の隠喩ですね‼️そんな三人をトリオにしたのも成功の要因で、三人の疑似親子関係が、この過酷な映画の内容にどこか微笑ましさを持たらしてると思います‼️そしてデ・シンケルを演じたシモネ・エンネビヤーグの冷徹で執念深い、見事なモンスター悪役ぶり‼️そしてデ・シンケルの婚約者ながら、ケーレンに惹かれるエレルを演じるクリスティン・クヤトゥ・ソープ‼️脇の扱いではあるんですが、エレルとケーレンのやりとりにも愛がありましたよね‼️そして終盤で三人の親子がバラバラになってしまう‼️入植者たちの要望でムスを手離すことになり、デ・シンケルを殺したアン・バーバラは刑務所行き‼️しかしケーレンはムスを修道院へ迎えに行き、二人での10数年の生活の末、ムスは新たなる家族を作り、ケーレンの元を旅立っていく‼️そしてラスト、貴族の称号を捨ててまでケーレンがやり遂げようとする事‼️それは命の恩人であり、奴隷刑務所へ移送されるアン・バーバラを助け出す事‼️それを決意した食事の席でのケーレンの涙ぐんだ表情‼️ホントにマッツ・ミケルセンは素敵だなぁ、カッコいいです‼️そして助け出したアン・バーバラと二人で馬に乗るケーレンを捉えたラスト・ショット‼️多分二人は追われる立場になり、悲劇が待ち受けてるのかもしれないけど、それを微塵も感じさせない幸福感あふれる二人のラスト・カット‼️貴族の称号を手に入れる事しか考えてなかった男が、愛に耕され、愛を耕した奇跡の瞬間‼️スタッフの皆さん、キャストの皆さん、お見事でした‼️
庶子と愛
デンマーク語の原題“Bastarden”は庶子という意味。主人公は貴族と使用人のもとに生まれ、父親にも認知されず、多くは語らないが自らの出自を気にしており、貴族の称号を得るために荒地の開拓にすさまじいエネルギーをかけたり、たびたび国王の権威を正統性として強調し、身分という正統性に強いこだわりを見せる。
庶子の平民という軍人としても大尉がやっとで社会から認められにくい主人公と貴族社会からほとんど開拓不能と匙を投げられている過酷な自然環境の荒地、そして上級貴族の嫡子という出自の正統性だけで領地を世襲して暴君として振る舞う主人公の力を削ごうとあらゆる残忍な手を使う領主。これらのコントラストが、過酷な環境で同じように放浪してきた人々と協力して荒地を開拓しようとする主人公たちの物語を際ただせている。
主人公は、身分という社会的正統性によって認められることを行動のエネルギーとしているが、彼は出自から家族との愛情のようなものをおそらく知らないのかもしれない。故に邦題の「愛を耕すひと」というのは、最後まで視聴すると中々気の利いたタイトルだと思った。
ヨーロッパの映画としては、盛り上がる構成のエンタメ色もけっこう強い映画なのだが、ハリウッドや邦画の大作にありがちなセリフで説明してしまうのではなく、微妙な仕草でシナリオが表現されているのは、いい意味でヨーロッパ映画らしいと思った。
むしろ「人の無情さ」が前に出た映画
帰って来てからもずっと考えていて、何度かこのレビューも書き直している。
原題の「Bastarden」は訳すと「庶子」いわゆる私生児ということらしい。
なるほど、主人公ケーレンは私生児だし、アン・バーバラは領主に暴行されて逃亡中、アンマイ・ムスは親も分からず邪魔モノ扱いされている。
どこか似通った存在で、世の中に否定された人々が、居場所を求めて肩を寄せあって必死に生きていく姿を描いた作品。
荒涼とした大地にまさにへばり付く様にして、「新たな繁栄」の萌芽を求める主人公ケーレン。
それを良く思わない領主からの嫌がらせにも屈しない彼の強い信念と、それに関わった人たちとのドラマ。
物語としては非常にシンプルで分かりやすい。
寒々しい曇天の荒野の味わいもいい。
マッツ・ミケルセンの抑制された演技も決して悪くない。
ただなぁ。
すごく雑にまとめると「最後まで悲しい昔話」。
私がこの時代の彼らの習俗や価値観、メンタリティをよく知らないってのはある。敵役の(デ)シンケルが相対的にものすごい悪役だから、他が目立たないってこともあるんだけど、やっぱり登場人物がみんな、良くも悪くも「身勝手」に感じられてしょうがなかった。
タイトル「愛を耕すひと」ってあるけど、「荒れ地を耕すことと上手くかけてみましたけど」みたいな、浅薄な感じが強い。ホントに愛、耕してますか?これ。
最後にはケーレンはあれほど求めた貴族の位も捨て、愛した女性を取り戻して世を捨てる…というのも、物語全体の色合いと違和感がある。
私は、この物語の中ではずっと、主人公でさえも「その瞬間の実利」のために他人を使っている様にさえ見えた。
解決もいわば「暴力」に依存する部分も多くて、もちろん時代を考えれば否定できないし、映画的なカタルシスもあるが、結果として人と人との繋がりや愛情というより、「人の無情さ」が際立つ映画に見えてしまった。
むしろ「『愛』って、なに?」という作品として私は受け止めたんだが、どーだろう。
孤独を抱えてるひと必見!私的本年度ベスト1!(多分)
前々からチラシで気にはなってた作品ですが、まさかこんなに内容のある映画だったとは!
はっきり言って想像以上の作品でした。
主演マッツ・ミケルセン。この人の演技が本当に素晴らしい。セリフではなく瞳で演技をするといった感じで、寡黙な男なのにどういう男なのかすごく伝わってくる。ちなみに「007カジノ・ロワイヤル」(06)の悪役でブレイクしたそうなのですが、私の記憶にはなかったです(^_^;)
監督ニコライ・アーセル。作品を見るのは初めてでしたが、この作品を見て他の作品にも興味が沸きました。
デンマークの原題はBastardenで私生児を意味し、主人公のルドヴィ・ケーレンが地主とその使用人との間に生まれた子供であることに由来しているそうです。
日本の邦題「愛を耕すひと」はなんだか、ちょっと違うような気がしました。
そんな甘っちょろいタイトルではだめだと思います(笑)
壮大な一大叙事詩なんですから。
ストーリーは18世紀のデンマーク、退役軍人であるケーレン大尉は貴族の称号を懸けて不毛の地の開墾に取り組む。それを知った地元の有力者シンケルは自分のものとしている領土が開墾され自らの力が衰退することを恐れ、あの手この手でケーレンを妨害し追い払おうとする。ケーレン大尉のもとにはシンケルのもとから逃げ出した使用人アン・バーバラとその夫が開墾を手伝っていたのだが、ある時夫はシンケルに捕らえられケーレン大尉の前で熱湯をかけられ殺されてしまう。。。
アン・バーバラ夫人、そしてケーレン大尉の家に盗みに入るが捕らえられたタターラ人少女アンマイ・ムスとの3人での奇妙な共同生活が始まる。それはつかの間の幸せな時間でもあった。厳しい自然と闘いながらついにジャガイモの収穫に成功し、入植者たちがやってくるのだが、シンケルは囚人たちを利用して彼らを襲撃させ、二人の入植者の命まで奪ってしまう。
怒りに火がついたケーレン大尉は軍隊経験のある入植者とともに、先手を打って囚人たちが潜む場所を襲撃することを提案するが、交換条件として不吉だという理由でタターラ人少女アンマイ・ムスを追放するよう言われ、ケーレン大尉はやむなく従ってしまうのだった。。。
そして、囚人たちの居場所をシンケルの婚約者エレルから聞かされたケーレン大尉は軍人あがりの入植者たちと共に囚人たちを襲撃し皆殺しにしてしまうが、シンケルの手下に見られてしまう。
このことで一気に立場が悪くなったケーレン大尉はついにシンケルに捕らえられ、殺されそうになるのだが…。
ここからのエレルとアン・バーバラ夫人のタッグを組んだ女性たちの活躍にカタルシスを感じます。しかし、当然のことながらアン・バーバラは捕らえられてしまう。。。
そして入植者たちは去り、再び一人になったケーレン大尉は自らの過ちに気づきアンマイ・ムスを迎えにいく。
月日は流れ貴族の称号を手に入れたケーレン大尉の助命嘆願書にもかかわらずアン・バーバラは奴隷収容所への移送が決まる。
娘同然のアンマイ・ムスの手に入れた幸せを見届け温かく送り出し、ひとりになったケーレン大尉はひとつの決心をする。それは苦労して手に入れた貴族の称号を捨ててまでもやりとげねばならない男の決断であった。。。
もっと静かな映画かなと鑑賞する前は思っていたのですが、大河ドラマのような波乱万丈なケーレン大尉の物語で良い意味で大きく裏切られました。
本当に大切なものとは何か、大自然の中でケーレン大尉の権力に決して屈しない姿と変化していく心情に共感し深く胸打たれました。ラストシーンは敢えて具体的に描写せず、結果と希望を感じさせるショットで終わったのが良かったです。久々に映画らしい映画を見たなあと思いました。個人的に2月にして本年度ナンバー1作品ではないかと思えるほど超お薦め作品です。
かなり暗く重苦しい物語だが、感動的な展開もあった。
北欧の不毛の荒野を開拓するだけでも困難をきわめるというのに、冷酷非道な領主の妨害まで入るというのだから、そりゃもう大変なんてもんじゃない。
暗く重苦しい物語で気が滅入る映画だったが、気に入った展開もあった。
1番気に入ったのは、途中から3人が家族になっていく所で、とても良いと思った。
また終盤、ケーレン大尉が貴族の称号と領地を捨て、バーバラと生きる事にした展開も良かった。
最後は2人が馬に乗った海辺の場面で終わって、取りあえずハッピーエンド。
権力に屈しない
マッツの表情が良い
退役軍人であるルドヴィ・ケーレン大尉が荒野の開拓に名乗りをあげ、有力者の仕打ちに遭いながらも希望を捨てずに立ち向かっていくというストーリーです。
協力を仰ぐためにタタール人に勲章を渡すシーンがありましたが、どれだけの重みがあるものなのでしょうか。そこまでしてケーレンが開拓を進めた理由は貴族の称号だけなのか…考えてしまいました。
明るい方向に向かうと思っていたけれど…違いました。民族を超えて家族同然になれたアンマイ・ムスちゃんはあっさり離れて行ってしまったけれど、幸せになっていることを願います。
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