「音楽の持つ奇跡を、魔法を見せてくれる。」フローラとマックス 山田あゆみさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽の持つ奇跡を、魔法を見せてくれる。
待望のジョン・カーニー監督の新作は、またも音楽の素晴らしさを体感させてくれる。
音が重なりあって楽曲ができる過程と、歌が心に沁みる瞬間。そして、音楽に夢を見るも打ち砕かれる側面も描いていた。
ジョセフ・ゴードン=レヴィットの渋さに、思わずロマンスに浸りそうになるが、シングルマザーと息子へ応援歌を贈る、爽快な一作だった!
舞台はお馴染みダブリンだけど、「シング・ストリート」のように未来へはばたく若者たちの青春物語ではなく、「はじまりのうた」や「onceダブリンの街角」のような大人の挫折や迷いを描いた雰囲気に近い。が、だいぶ違う。ここまで口が悪いのは今作が初では?ラップを取り入れたのも新鮮!
10代で妊娠・出産、そして離婚を経験したシングルマザーのフローラ。いつも怒っている彼女は、息子のマックスには愛情を注ぐが、彼は問題ばかり起こす…
ジョン・カーニー作品は、人生の苦渋部分を描くのが魅力だと思っていて。
ドラマ部分で、たとえロマンチックなことが起きたとしても最終的には「あ…そうだよね。実際は…」とリアリティある展開に落ち着く。とても冷静に。
ただ、音楽の持つ奇跡を、魔法を見せてくれる。リアリティミュージカルとでもいうのか、このジョン・カーニーならではの世界観がやっぱり好きだ。
映画館でどうか、かけてほしい…😭
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